タイトルとキャッチコピーの意味が分かった時は震えた
絶海の孤島と洋館!クローズドサークル!相棒は完全記憶能力持ちの天才女子高生!と手垢のつきまくった素材なだけに、どう料理するのかは料理人の腕が問われるが、冒頭から息をもつかせぬ展開と個性的なキャラクター同士の掛け合いで唯一無二の作品に仕上がっていた。
期待値を上回ってめちゃくちゃ面白い、実質一人で作ったとはとても思えない…
主題歌いとうかなこ、CVの傾向を見ると科学ADVシリーズへのリスペクトがあるのかなと思うが、中身はもうちょっと古き良き時代のADV感がある。
謎解きのゲームバランスも、理不尽なやり直しは強いられないが一発ではクリアできない選択肢がそこそこある、という絶妙な難易度だった。
最初はミステリから入り、中盤はホラー展開、最後はバトル&アクションで全く飽きずに最後まで遊ぶことが出来た。
キャラクターの中ではジゼルが特に良かった。
「人はその死までに、いかに何をやり遂げたかで一生の価値が決まる。
ヴィンセント、お前はやり遂げたか?
私は……やり遂げたぞ!」
最後のこの台詞があまりにも格好良すぎた…
キャッチコピーは口調からするとジゼルの台詞で、ジゼルと、アウロラの心臓の帰還、この2つの意味がタイトルには含められているのかなと思った。
シロナガス島「からの」帰還の間違いでは…?と思わせてからのこのタイトルは上手い。
本編は最高の余韻で終わったんだけど一方でEXTRAは若干の蛇足感があったかな…
作者さんの性癖全開のサービスシーンはまあ良いとしても、3種のBADエンドまで用意している異様に気合いの入った怖い話パートは何か意味あったのか…
普通の後日談で良かった気がするが同人ゲーなので作者の趣味に走っていてもまあ文句は言えない。
いずれにしても池田&ねね子コンビは良いキャラで、今回は主に狂言回しの役割でもあったこの2人の過去はまだまだ謎が多く掘り下げられそうなので、この2人が活躍する続編を是非プレイしてみたい。