求めていた物と違ってプレイ中は苦しいが、考察はスゲー楽しいゲーム
心を容赦なく抉ってくるテキストと物語の構成は凄かったです。
瀬戸口さんの作品は完成度が凄く高いのですが
自分が求めているものとはベクトルが異なっている面もあります。
物語の分かりやすい起伏や感情を動かすような大きな演出はありません。
また物語が全体的に暗く、鬱々とした雰囲気が常に漂っています。
しかしユーモアのあるキャラと自の文で楽しむことが出来ます。
またキャラクターが話していることが重要な伏線になっていることがあり、
それを自力で気づくのが個人的には難しかったです。
協会のシーンがラストに繋がっているとは気づかず、独立したシーンとしてみていました。
それを知ると、ラストの印象が180度良いほうに変わりました。
プレイ後にはほかの人の考察したのはよく読む必要があると思います。
浅く考察すると逆の方向でメッセージを取ってしまうので、
逆といいますか
大きな絶望と小さな希望が提示されて終わるのですが。
小さな希望にはとてつもなく大きな意味があることを気づけなかったことが
敗因でした。
「また逃避すること、立ち向かう事、復讐する事、欺くこと、快楽を追及する事も
全ての自分に責任を持ったうえでなら
『許されないことではない』という」メッセージも受け取りました。
犯罪を許容するということではありません、なんとしてでも、生きる上では
そのような行為も必要な時がくることもあり、それを自分が選択する必要が
あるときも人生であるという感じで受け取りました。
なんというかきれいごとだけではない生きるということの負の面の
本質に深く踏み込んでいたと思います。
人には進めにくいですがラストを是ととらえられるならこの作品を
やった価値は大きいと思います。