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mi-naさんのももえろ濃霧注意報!の長文感想

ユーザー
mi-na
ゲーム
ももえろ濃霧注意報!
ブランド
LAPIS BLUe.
得点
79
参照数
2026

一言コメント

結里がひたすら可愛くて仕方が無い。主にアピールポイントについての感想。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

このゲームは公式サイトなどに3つのアピールポイントを載せているので、
そちらについての感想を中心に書いていこうと思います。
各ポイントの詳細はこちらをご覧ください。
http://221.245.251.42/soft/bg_602/point.html


ポイント1「濃厚でエロエロなHシーンが豊富に楽しめる」

エロミストに包まれることでヒロインと主人公が欲情するという設定があるため、
初っ端から性欲を表に出したHシーンを見ることができます。
恋愛モノのエロゲにありがちな、Hシーンまで遠い・・・ということもなく、
すぐにHシーンに到達でき、しかもそれなりにそれに根拠があるという点は良いと思いました。

Hシーンの数は、結里5、紗希5、鈴果5、なずな1、流花3(本番2)、和葉1(相手は主人公ではない)の総数20回となっています。
1シーンのCG数は2~3枚となっていますし、決して少なくは無いのですが、
公式サイトでは6人を横に並べて全員同格のヒロインのように扱っている点には違和感を覚えましたし、
タイトルから抜きゲーだと考えてしまうと物足りない数と言えるかと思います。

Hシーンの内容はコンセプトのわりに普通のシチュのHシーンが多めです。
個人的に気に入った点はHシーンの中で頻繁にキスをする点でしょうか。
特に結里は抑えきれない性欲をキスとして反映しているようで、長くねっとりしたキスシーンがあります。
ずっとディープキスをしたままのHシーンなどもあり、非常に楽しめました。
しかも、多くのシーンでそれがきちんと分かる構図のCG(と差分)を入れているところはポイントが高いです。

エロミストによる欲情は、突然卑語を乱発するように性格を一変させてしまうものではなく、
単純に性欲を増幅させて抑え切れなくするものなので、ヒロイン達は抵抗したり恥じらったりと色んな反応を見せてくれます。
特に結里がそうなのですが、「我慢しなきゃいけないけど、我慢できない」というようなシチュは実に私好みでしたし、そういう彼女も実に可愛く思いました。
エロミストは主人公にも影響を与えるので、欲情した主人公が結里を軽く言葉責めしたりしたりするのもいいですし、
またそういう時の結里の反応も初心で可愛らしく、Hシーンと日常のギャップが彼女の魅力に大きく寄与しています。



ポイント2「個性の強いヒロインたちとの会話が笑える!」

個性的なヒロイン達が会話を彩っているのはもちろんなのですが、
このゲームの掛け合いにおいて主人公の役割はツッコミではなくボケで、主導権を握るのは基本的に主人公です。
とにかくハイテンションにギャグを言いまくる主人公をどう思うかで、この部分の評価は大きく分かれると思います。
私は泥臭い部分も含めてこの主人公の言動が好きなので、会話に関しては笑えると思いましたし、満足しています。
何より江戸研という空間が心地良いものに仕上がっていると感じました。


ポイント3「失われる記憶との葛藤で涙を誘う」

周りの人間が主人公とヒロインに関する記憶を失っていくという設定は上手く演出されており、
主人公の性格はこの設定にとっても効果的に働いていたと思います。
主人公がいつもの調子でギャグを飛ばしても、それにまともにツッコミが来ないというのは、辛さを増幅させてくれますし。

ただ、そういった世界の綻びを起こす元となるバックグラウンドの設定に関しては、詰め込み過ぎという印象を受けました。
このゲームは、ループする街の秘密と登場人物たちの秘密(主に未来ネタ)という、大別すると2つの仕掛けがあるのですが、
紗希ルート、鈴果ルートではまともにそれらの秘密が明かされず、
最後の結里ルートのラストで紗希の口から一気にまとめて明かされるため、驚くというより面食らって笑ってしまったというのが正直なところです。
もっと小出しにするなり、仕掛け自体の数を絞るなりして、上手く落として欲しかったです。
そもそも、このくらいの話のボリュームで質の違う仕掛けをいくつも用意しても仕方が無いようにも思います。
伏線は細々と張ってありますし、一応先を知りたくなるストーリーではあるのですが、伏線の回収でコケてしまった感じでした。
それに、最初の紗希ルートはループの1周目という位置付けなので、
ヒロインと主人公のラブストーリーという面においては、中途半端なものとなっているのも残念でした。

また、このポイントとは直接関係は無いのですが、
Hシーンの項目でも触れたように、このゲームのルートは、紗希、鈴果、結里の3ルートと、オマケ的に非常に短いなずなルートがあるだけで、ヒロインに格差があるのは気になります。
私は体験版の時点から結里狙いだったので、それほど被害はありませんでしたが、
こういう風に差をつける場合はキャラ紹介でもメインとサブできちんと分けるようにして欲しいです。
そのうえ、ルートが少ないことの弊害からなのか、流花は結里ルートに無理矢理にHシーンが捻じ込んであり、
結里ルートの主人公があまりに尻軽に見えてしまうのも残念でした。



続いて、全体の感想に移ります。

ポイント2についての感想でも書きましたが、私はこのゲームの掛け合いには非常に満足しましたし、
キャラは皆可愛く、特に結里はここ最近遊んだエロゲの中ではトップと言えるくらいに好きです。
ですから、江戸研での日常がとても心地良く、それだけにその日常を捨てざるを得ないこのゲームのラストをとても悲しく思いました。
もちろんそれがライターの狙いだとも思うのですが、
もうちょっと長くあの世界に浸っていたかった、あるいは幸せな形で戻ってきたかったというのが正直なところです。
それに、もっとヒロインとイチャイチャさせて欲しいわけです。
主人公が気になってストーキングする結里は可愛すぎるわけです。

テキストのノリは好みですし、今後が気になるライターが増えましたが、
次はもうちょっと普通の恋愛モノを見てみたいなと思いました。
もちろんHシーンに力を入れたものを。