理想のエロゲでした。発売日から満喫しすぎて気づけば年を越していた。幸せいっぱい。もう思い残すことはない!当然点数は100点!…といいたいところですが、BGMの曲数が少なくて同じ曲ばかり聴かされたので少しだけ減点。
・「めばえ」の特徴
たぬきそふとは、かつては「ロリゲー」を売りにしてたようですが、「微少女」以後は女の子の年齢層が上がり、もう「ロリゲー」とは多分いえません。
「めばえ」の攻略対象の杏奈は「中○2年生」、莉子は「中○1年生」だと思われます。
「めばえ」では、主人公もこれまでのような「先生」ではなく「中○1年生の生徒」になりました。
このため、「教え子に手を出す教師」、という変態性が無くなって、随分とっつきやすくなったという印象です。
「ロリゲー」「変態主人公」を売りにしてきたエロゲ会社が、その両方を捨てたわけです。
じゃあ、代わりに何を売りにしてるの?ということになりますが、「(学生時代の)リア充気分を味わうゲーム」というのがその答えかなと思います。
・反主流と、取り下げられた標語
「めばえ」の公式ページができてしばらく、トップページにひとつの標語がありました。
今は消えてしまったので記憶で書きますが、確か「『もしかしたらありそう』という、日常のリアリティ」とかそんな感じでした。
「ちょっとしたリアリティ」だったかもしれません。
とにかく、「リアリティ」という言葉があったのがとても印象的でした。
リアリティとは「現実性」であり、思想なら「現実主義」です。その反対語は「理想主義」です。
エロゲは二次元の産物ですから、理想を追い求める「理想主義」の方が本来は強いものですよね。
そこに「リアリティ」という反対の標語を持ってきてたたぬきそふとは、「反主流」の精神を持っていると思います。
エロゲを語るとき、「現実主義」はよくウザがられます。
現実主義者はよくゴチャゴチャ言いたがる。
たとえば「処女と童貞が初セックスして、中出しと中イキの同時絶頂を決めるなんて無いわー。ありえんわー。」とか。
自分もよく言いたくなってしまうのですが(←ダメじゃん)、冷水をぶっかけるような事言ってるわけですからウザがられるのも当然。
しかし誤解しないでいただきたいのは・・・
現実主義エロゲーマーは、なにも妄想を全否定し、二次元を全否定し、リアルライフだけが良いと言いたいわけではないのです。多分。
エロゲ好きなんだから、妄想大好き、美少女大好きなのに決まってます。
ただ、少し妄想のツボというか、好みのエロシチュのツボが違うだけなのかなと。
たぬきそふとが「リアリティ」という言葉を全面に出していたのは、そこを強調していたのだと思ってます。
自分なりに解釈すると、「リア充気分を(あくまで二次元のなかで)味わうゲーム」ということかなと。
シチュエーションも、エロテキストも、絵柄も、ほどよく「生々しくて」「目に浮かべやすくて」「もしかしたら本当にあるかも」と思える。
そんな感じのエロゲーにしたかったのでしょう。
また、そういうエロゲーをずっと正座待機してた自分にとっては、「ついにキター!!」という超期待作でした。
「リアリティ」という標語がなぜ発売前に無くなったのか?という疑問が少しあります。
なぜなんでしょうね?
やっぱりエロゲーマーにとって、「リアリティ」という言葉が反感を持たれかねない、ということを危惧したのでしょうか。
反主流スタイルでいくのも大変です。
パンクロックの歌詞みたいなものですね(-_-;)
・莉子と莉子ルート
莉子は中○1年生にして非処女で、経験豊富・知識豊富・Hテク有りのエロ娘です。
個人的には素晴らしいっ!!!最高!!!莉子~~~!!!
・・・なのですが、非処女というのは、多くのエロゲーマーにとって、どうやら絶大なマイナスポイントであるらしい。
そんな絶大なマイナスを、2人しかいない女の子の1人に持たせてしまうところが、たぬきそふとの反主流精神だなぁ、と思うわけです。
しかし、莉子スキーな自分としては、なんとか莉子をかばってあげたいです。
莉子を、非処女(=大きなマイナス)ではなく、「クラスで最もセックスレベルの高い女の子」(=大きなプラス)と見るのはどうでしょうか。
クラスでいちばん美少女で、しかも最もセックスレベルの高い女の子を、彼女にしてセックスライフを送るのが莉子ルートだと。
そしてリア充気分を味わい倒すのです。
M男なら、経験豊富な莉子にHの主導権を握られて、エロテクに翻弄され、「はやーい、クスクス」とか言って馬鹿にされるのが良いかもしれません。
でも、たぬきそふとのゲームには、M属性はほとんど無いですね。
莉子は、いたずらっ子のような遊び心はありますが、Sっ気は全くといっていいほど無かったです。
流行りのMシチュを入れようとしないところが、これまた反主流だ…
莉子ルートでのリア充ぶりの一つに、「クラスメイト達の視線」が挙げられます。
莉子が彼女になったということは、つまりクラスで一番の美少女が彼女になったということです。
本当は自慢したくてたまらない!見せびらかしたくてたまらない!
…でもここはあえて、自分達からペラペラしゃべったりしないで、優越感に浸りながら日々を暮らすわけです。
その楽しさとリア充ぶりを想像するだけで愉快な気分です。
待ち合わせ場所を決めて、コソコソ密会する。楽しい!
しかも見つかって、関係がバレたって全然平気です。むしろ誰かさっさと見つけやがれ、ってぐらい。
そんな状態で迎える林間学校!莉子と2人でキャッキャウフフと準備します。
さらに主人公は、中○1年生でもう童貞捨てちゃうわけです。多分、クラスで最速ですよね。
私事で恐縮ですが、私が中○生の時、最初に童貞捨てたクラスメイトは、登校したとき生徒達から万雷の拍手で迎えられてました(笑)
その生徒は、拍手に応えてまるで天皇陛下のように片手をゆるやかに掲げ、何かを悟ったかのような涼しげな微笑を浮かべていましたね(笑)
「めばえ」の主人公もそんなふうに、同級生たちの尊敬の眼差しを集めます。
ふははーーええ気分やーーって感じです。
莉子はエロ娘なので、どこでもHしたがります。
部室でH、トイレでH、体育倉庫でH、林間学校のふとんの中でH、ゲーセンでH、お互いの部屋でH・・・
「誰かに見られるかも・・・」というシチュが莉子を興奮させます。
あー、いるいるこういう女の子。…それはまさにたぬきそふとが掲げていた標語です。
隠れてHしてるつもりが、思い切り人に見られてたりするのも面白い。
でも、本当は見せびらかしたくてやってるんだから、それでいいんですよね。はた迷惑なリア充。
莉子ルートは途中で幸せの絶頂に達し、「あれ。俺、もうこれ以上幸せになりようがないじゃん状態」に陥ります。
が、アナルHしたり、恒例の腹ボテを見たり、結婚ごっこをしたりしてるうちにエンディングを迎えます。
微少女のハルナ先生のような感動的(といっても感動したのは私だけかもしれんがw)なシーンはありません。
…が、このゲームの目的はきっと「かわいい彼女とHしまくって、リア充気分を気分を味わう」ことですから、これでいいんじゃないかと。
ごちゃごちゃ書きましたが、結局のところは「私は莉子ルートが好きだ!」と言いたいだけです。ぶっちゃけ。
自分がエロゲーに求めているものが、ここに見つかった。
莉子でとりあえず半年は戦えそうですから、しばらくの間、抜けないエロゲーに遭遇しても、仏の心でプレーできそうです(笑)