『勘違い×成り上がり』系統のなろう系原作ノベルゲー。同じ世界内での転生ヒーラー物で、これでもかというなろう系の展開が面白かったです。低価格帯でありながら、豊富なCGや立ち絵も良かったです。逆に言えばなろう系が全く駄目な人はとことん合わない内容だと思います。
原作のラノベ(?)は未読です。
原作がなろう系の低価格ゲーの部類で、プレイ時間が約4時間(ラノベ二巻分)ほどですが、CG枚数が58枚で立ち絵が豊富であったり、なろう系特有の展開が好きな自分は一気に読み終えるくらいには楽しかったです。
※なろう系が好きな人間の感想&得点です。
なろう系が苦手、受け付けない人はとことこん合わない作品だと思います。ってか多分死にます。
以下に
〇好きだった所
〇気になった点
〇作品中身の感想
で書きます。
〇好きだった所
・なろう系王道の展開がこれでもかと詰まった話。
もうこれに尽きます。ただただなろう爽快展開を眺める楽しさ。
種類としては、いわゆる『勘違い×成り上がり』系統です。
主人公が自分の欲望のまま好き勝手しているけれど、周りが好意的に勘違いして、意図しない方向に解決していく成り上がり系爽快系です。
主人公は同じ世界内での転生者で、元アンデッド好きな元ネクロマンサー転生ヒーラー少女。圧倒的な魔力量やスキルが発現して無双していく素質。また主人公の本来の目的(アンデッド軍団を作る事や女の子として可愛くなる等)のために人々を癒す主人公を、周りが勘違いしてどんどん人気・有名になっていく。
主人公自身も鈍感属性なので、周りが自分の事を好いてくれる理由も理解しておらず、本人の自覚がない所で段々と王子やら妃やらとすごい権力や癖のある登場人物達と仲良くなっていく成り上がり展開。
特に主人公と周りの登場人物の感覚のずれっぷりが一番好きでしたね。どんどんみんな勘違いしていく面白さ。
某オーバーロードでいう「さすがですアインズ様」展開が盛沢山です。
展開もすごい早いのでだんだん新キャラが登場して主人公を好きになっていく。新しいスキルもどんどん発現していって、新しい要素が増えていく面白さがありました。全くのストレスフリーです。
特に、主人公の背景を知っているツッコミキャラが登場してからは、登場人物達のやり取りも面白くなって楽しかったです。
こうしたなろう系の爽快感(?)は久々だったので楽しかったです。
逆に言えば、なろう系が苦手な人はもう全く合わないんだろうなぁという。
なろう系特有の、主人公の思惑とは違う所アンジャッシュのような勘違いのやり取りで、みんなが問答無用で主人公を好きになる所、展開が早い分登場人物達の背景が薄かったり、敵対キャラがちょろかったり、深刻に見えて簡単に解決するトラウマ部分が薄かったりとか。
ご都合展開とか情報の後出しをどこまで許容できるか。
またなろう系の部類では手堅くはあるものの、目新しいインパクトのある部分は少な目だと思います。
自分はもうなろう系のこういう頭空っぽに展開を楽しめるのが好きなので、満足でしたが……。
・ノベルゲーならではの豊富な登場人物達とCG枚数の多さ
低価格帯であり、4時間ほどの内容ですが、それでも登場人物が多い分立ち絵も豊富であったり、CGも沢山用意されていたのがとても良かったと思います。
特に立ち絵も結構差分が動いたりするところも良かったですね。
OPやEDも好きでした。
また枠はアルテミスエンジン製ですが自分はそこまで気になりませんでした。
〇気になったところ
・ラノベ原作がゆえに、今作で完結しない所。
今作は区切りが良い所(ラノベ二巻分と思われます)で終わるので、まだまだ話が続きそうな所で終わりました。
話自体はもやっとした部分を残すことはないので、不満はありませんが、まだまだ謎であったり黒幕を残したまま終わるので気になるところ。
逆に言えば、次回作があれば欲しいなと思うくらいには楽しかったです。
・なろう系特有の(特に最初)説明一辺倒な所や早すぎる展開
ここはノベルゲー×ラノベなろう系がゆえの部分でしょうか。
どうしてもなろう系特有の、世界観の説明、スキルの説明(特に序盤)が、テキストの説明一辺倒で済ます所がちょっと辛かったですね。
そこの最初の部分を乗り越えてしまえばあとは展開を眺める面白さになるので楽しいのですが。
それとラノベありがちな頻繁な新キャラや軽く片付く新しい展開と、ノベルゲーの強み(と思ってる)の1シーンの重みが軽く感じてしまう部分も正直あります。ダイジェストのような簡単に済ますところもあったり。その分スイスイと軽くて読みやすいのもありますが、感情移入やのめり込むような作品ではないので、一長一短ですね。
・登場人物達が多い分活躍が少ないキャラもいる所
どうしても多いと偏りが出てしまいますね。ぽっと出キャラであったり。
意味深なキャラに見えて、一瞬で終わるキャラとかも、仕方ないね……。
新キャラのトラウマ部分だったりも、深刻そうに見えてあっさり解決したりね。
特に男キャラ達ね…パッケージで省かれるけど、まぁ乙女ゲーのようになっちゃうし仕方ないよね……。
もっと弟君なり王子の活躍も見たかったです。
以下はネタバレ全開感想です。
〇作品への感想
いや~~~~これでもかというくらいになろう系の展開盛沢山でしたね。
なろう系自体を触れるのが久々でしたが楽しかったです。
特に辻ヒーラー編と、学園編になってからが一番好きでした。
王子やら妃の、呪いや毒を治すごとに周りは主人公を好きになるのに、主人公自身は全く自覚がなくて、将来どんなアンデッドになるのかしか興味がなかったりする所のずれっぷりだったりが好きでしたね。
また、成り上がりの要素も好きだったので、学園編に入ってからのキャメロンさんが、主人公によってどんどん綺麗に強くなっていくのも面白かったです。特に、その後の社交界初披露シーンは、これまでの成り上がり主人公の集大成シーンでしたね……。王子様の初恋が破れた時の前向きっぷりと主人公の鈍感具合がもう……。
また一番好きなキャラは男の娘ヴァンパイアことネビュラちゃんでした。
主人公のことを唯一ある程度理解していることもあって、主人公が実は腹黒であったり、ツッコミをする度に主人公から怒られたり躾されたりするのがもうすごい楽しかったです。ネビュラちゃんが登場したことで、一気に面白くなった感もありました。もっとやり取りを見ていたかった……。
ネビュラが主人公を助けに(面白い物を見に?)行くときの、なんだかんだネビュラちゃんが主人公のことを好きなのが分かる独白部分とかもすごい好きです。
作品のエピローグ部分、最後の最後は全部アナさんが持っていきましたね……。EDのテーマもアナさんだったりすごい愛されてる……。自分は正直そこまでアナさんに思い入れがなかったので、美味しい所全部持っていったなぁ感が凄かったです。
ただ、エピローグでのみんなが主人公を取り合ったりするシーンとか好きなので、この先ももっとわちゃわちゃしてるのを見たいなぁってなりました。
その他にも王子やら弟君やら好きになりそうなキャラはいましたが影が薄いような、あまり活躍しなかった印象でした。学園の後輩だったりもですね......。後輩組のあっさりトラウマが解決しちゃうのとかすごいなろうっぽい。魔眼やアザの問題とかあっという間でしたしね。
登場キャラが多い分仕方なしか。
以上簡単な感想でしたが、一気に読み終えるくらいには楽しかったです。
次回もあるのかな?わかりませんが、発売されたら買うくらいには好きでした。
以上です。ありがとうございました。