①感想②備忘録設定メモ等 キャラの可愛さは一級品。しかし、核となる物語の展開があまりに雑でした。常に『実はこんな真実があったんだ!』と設定が明かされていきますが、そこの大半に登場人物達の必要性が感じられず、ただただ展開の上辺をなぞるだけに感じました。登場人物達が物語の設定に振り回されてると言いますか。夏らしい爽やかで可愛いヒロイン達も、シナリオの重いシリアスシーンを纏いながら閉塞感がずっと漂い続けるため、キャラの魅力が物語に伴わず最後の結末まで愛着が湧きづらい、深堀されないのが辛い。物語の設定が良く練られている分、登場人物達の魅力がマッチしておらずとても惜しいです。
①感想(ネタバレあり)
②備忘録用のGINKAの設定メモ、考察等
の二つに分けて書いていきます。
①感想(ネタバレあり)
〇良かった点
キャラの可愛さはさすがでした非常に良かったです。
特にギンカちゃんのフンス!フンス!や、体操シーンはすごいニヤニヤしましたし、かき氷シーンやカレーのシーン等の日常パートはめちゃくちゃ好きです。
特に、ギンカちゃんの「プイッ!」だったり「流星のバカ――ー!浮気者ーーー!」だったりの嫉妬シーン等が癖になるくらい、もうもうめちゃくちゃ楽しかったです。
また、サブキャラのひまわりやリン姉、先生等も好きでした。GINKA序盤パートの夏休みの思い出作りとして、海で遊ぶシーンがすごいにぎやかで、とても好きです。
特にサブキャラの中では、ひまわりちゃんがもうすっごい好きで、どんなシリアスシーンでも、彼女の元気さに救われたシーンが沢山あったと思います。ずっと流星と戯れるシーンが沢山見たかった。
先生もサブキャラでは、【子供たちがメインになる中での大人】という事で、子供を見守る大人組として好きな要素は盛沢山なのですが……。如何せん、彼女の立ち位置が【やらかしてしまった過去】が全面に出てしまい、かっこいい大人シーンがあまりなかったのが非常に残念……。でした……。
BGMやスチルによる雰囲気作りはとても良かったと思います。ここもさすがでした。特に夜の星々と鳥居の背景であったりはとても素敵でした。
一枚一枚のスチルもとても綺麗でした。
〇良くなかった点
上記に書いた通り、キャラの魅力やBGM、スチルは素敵でした。
しかし、今回の物語の核となる【シナリオの展開】がとても雑です。
最初はタイトル画面から感じられるように夏らしい爽やかなヒロインと、一夏の日常を感じさせてくれるような登場人物達重視の物語かと思ったら、願い事と呪い、神様、と予想以上に【伝奇物】中心でした。
しかし、この【伝奇物中心】という所が中々に辛い。
銀花(ポニテ)が登場する辺りから、物語の展開で『実はこの島の真実にはこんな事が隠されていた!』と後出しのように色んな設定がどんどん展開されるわけですが、具体的な解決方法や、登場人物達の行動が現れる訳でもなく、どんどん次の展開へと進んでしまう。
なんていうか一つ一つの展開に、登場人物達が一緒に動いていなくて辛いんです。
例えば実は『助かるには神様に会うしかない!』としても、じゃあ会うためにどうしよう~⇒新たな事実が~(でもそもそも助かる解決策にはならない新しい事実)だったりと物語は次々展開はされるんですけど、そこに登場人物達の行動(決断)なりが伴っていないように感じてしまう。
またその展開も爽やかな物ではなく、結果「どうすることも難しい」ような重苦しい展開ばかりだから、余計にもやもやを重ねたまま話を読み進めるしかない。そこにさらにシリアスな設定が明かされていく。閉塞感がすごい重い。
だから余計に、登場人物達自身に愛着が湧かなくて、ただただ物語の展開を読んでいくしかないのが辛かった。
これ、ヒロイン達の日常シーンなり、登場人物達の可愛さがめちゃくちゃ魅力的だから余計に辛いんです。日常シーンではすごい楽しいのに、そのキャラの魅力を生かすことなくシリアスパートで、島の真実や歴史についてどんどん展開されていく。でも日常シーン(=登場人物達の魅力)には関係ないから、ヒロインとの触れ合いシーン等との関連性が感じられなくて、ぶつ切りに感じてしまう。
ただ、もう少しヒロインや主人公の流星が物語を動かしたからこその展開や結末を見せて欲しかった。そこにヒロインや主人公の想いや決断、背景があれば、きっと愛着が湧いたり感情移入ができたりもしたんだと思います。
銀花と流星との恋愛の深堀りでもいい、銀花と花憐との二人の間のエピソードの深堀でもいい、シリアスとは一旦区別して、そこに重きを置いて書いてくれれば。
けれど、実際に書かれていたのは、登場人物達の心情と同時に描かれる、ただただ明かされるシリアス展開ばかりが目立つように感じました。
言葉を選ばずに言えば、登場人物達が物語を動かすのではなく、物語の展開の『こんな設定があったんだ!』に登場人物達が振り回されているのを眺めているようでした。
最後はハッピーエンドですごい良かったと思うんですよね。ひるこ様の解放と、そこに伴い全てが解決された世界線へと世界が作り変えられ、叶わなかった二人の願いが、りんご飴が叶う最後。素敵です。
でもそこだけじゃなくて、その道中にある積み重ね、苦難等が全てここに繋がっていればより素敵だったのに、と、登場人物達が好きだったからこそとても惜しいと思ってしまいます。
今振り返れば、物語の設定等はとても良く練られている部分(特にNEXTに入る前の終わり方であったり)が多く感じられました。
その分、紺野アスタ先生の描く【登場人物の魅力、可愛さ】という随一の良さ、今までの色んな作品で好きだった分、今回物語に絡んでこなかったのがあまりに惜しかったと思います。
②備忘録用のGINKAの設定メモ、考察等
自分がGINKAでの設定等を忘れないようにメモで残します。
記憶違い、誤り等あるかもしれません。
※以下、流星の夢の世界=異界
(1)ギンカ関連
(2)銀花(ポニテ)関連
(3)花憐さん関連や、呪いを解決する方法等
(4)神様の島、ひるこ様の歴史、呪い関連
(5)現世からの流星、その他登場人物関連
(6)異界関連
(7)その他登場人物の背景関連
(1)ギンカ関連
〇二人の約束と夏祭り(小学5年生)
この物語の始まりは、小学5年生の夏祭りとケンカ。
当時銀花と流星は、幼い頃ケンカをしていた。銀花「流星のウソつき!大っ嫌い!」
そのケンカの原因は『銀花とずっと一緒にいる』と約束したのに、引っ越しすることで離ればなれになる事が銀花に知られてしまったため。
流星は心臓の持病を持っており、長く生きられても、せいぜい14歳まで、手術成功確率も限りなく低いと言われていた。引っ越しの理由はこの心臓の手術のためだったが、銀花に話すことができず、結果内緒のままケンカとなってしまう。
↓
その後、夏祭りに流星は銀花と教室で《銀花が食べたことないりんご飴》を用意して待ち合わせをする。そこで手術の事や、想い(告白)を伝えようとするが、銀花がやってこない。
流星は、銀花が【神隠しにあった】と聞き、慌てて神様の島へ向かおうとするところで、心臓発作により死んでしまう。
↓
銀花は、死んでしまった流星を蘇らせるために神様の島へと連れていく。
そこで銀花はひるこ様に流星を蘇らせてほしいと願い事をし、代償として【流星への想い(恋心)】を失ってしまう。
・流星への想い=ギンカ であり、 想いを失くして成長した姿=銀花(ポニテ)
・このため、その後現世に戻った銀花(ポニテ)は流星への想いがない(興味がない)状態であり、異界に現れたギンカは流星好き好き!な状態。
でもギンカはあくまで想いなので、記憶は全くない状態。
・ちなみに、ひるこ様の【願いを叶える】力はこの時失っており、自分の命を流星に分け与えたのが真相。そのため、流星を蘇らせる=神様死ぬ⇒呪い溢れる(願い事が呪いに変わることを止められなくなる)状態も一緒に始まってしまった。
・またギンカは誰もいない神様の島で、流星が動き出すまで約5年ずっと一人で待っている状態だった。
↓
・第1部終盤、現世に戻った後は、想いは現世では存在できないため、ギンカは消えてしまった。
「壊れていない心臓が欲しい」と願った流星も、そこで銀花の本当の願い事《流星と一緒にいられますように》を知ってしまい、
流星「おまえがいなきゃ意味がないんだよ!」を叫ぶ所で第1部おしまい。
ギンカがいたから自分は生きる意味があったんだよとした流星だからこその1部の終わり方は切ない。
〇なぜNEXT編の現世にギンカは現れることができた?
・花憐さんに流星が持っていたカタシロを斬られた結果、そこに込められた想い(=ギンカ)が現世に現れることができた。
神様である流星が現世にいると、神様の力を持ち込んだことで、本来起こらない現象も起こり始めている(花憐さんより)ため。
(2)銀花(ポニテ)関連
〇銀花(ポニテ)の目的(第1部)
・神様を探して、神様を殺すこと。
(母親である花憐からの使命であり、神様殺しを条件として、異界に行くことを許された)
神様を殺す理由は、神様が存在していると銀花(巫女一族)の呪いが浸食してしまい、結果呪いそのものに浸食されてしまうため。
⇒ただ、この時点で銀花の願い事を叶えた神は、自分の命を引き換えに死んでしまっている
=神様の心臓を手に入れた現世の流星が神様となっている
そのため、銀花の神を殺す目的は、異界では達成できない。
・もう一つの目的は異界(流星の夢の世界)から、現世に《連れ戻す》こと。
このままでは、流星が死んでしまうため。
〇NEXT編からの銀花の目的(第2部)
・神様になってしまった流星を殺そうとする刺客から護るため。
刺客=銀花のお母さん。花憐さん。
〇現世に戻ってきた後の銀花さんは
・ひるこ様に願い事をした後神様の島で過ごしたが、現世での2か月後に戻ってきた。
四ノ宮家(花憐さん)は、この夏祭りの事実を知り島の外へ移り住んだ。
その間流星は、銀花が自分への想いを失っていることを知っていたので、探さなかった。
・異界で相当な量の呪いを斬ったので、現世の銀花はもう呪いでボロボロな状態だった。このままでは呪い自体になってしまうほど危険な状態。
(でもすぐに来ず1年猶予があって花憐さんが襲ってきたのはなんでだろう……)
〇なぜ銀花はギンカの事を斬った?(正直、ここは一番自信がない……)
また、なぜギンカは告白を許さない永遠の世界(ループ)を望んだか
・話中より関連しそうな部分を引用(すごい長くなってしまった)。
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銀花「私の中にはもう、あの娘を受け入れられる余白はない」
流星「欠陥品の俺に、初めて生まれて来てよかったって思わせてくれたのは、おまえだったんだ……。俺にとっての救いは壊れてない心臓がある事じゃない……。ギンガがこの世界にいてくれる事なんだ!」
銀花「私をあなたの人生の意味にしないで!」
銀花「過去に……囚われるのは……もうやめ……て……」
──────────────────
──────────────────
草二「……貴様も俺と同じだ。(中略)過去に囚われ、過去にしか生きる意味を見出せないでいる。そのために……貴様は死んでもいいとまで思っている」
(中略)
草二「姫様は自分が貴様を縛っているのが辛かったのだろう。だから、斬ったのだ……自分の分身を」
(中略)
草二「ならば、貴様にできる事はなんだ?」
草二「姫様がいて幸せだったと、姫様自身に教えてやる事だ。ちがうか?」
──────────────────
(銀花が繰り返す、告白が実らないループ世界後)
──────────────────
流星「このカタシロを書いたのが、銀花の犯した禁忌だったんだな」
──こうなってしまったのは、みんな私のせい。あの日、私が禁忌を犯したから。
(中略)
願い事を書いてしまったあの日から、ずっと恐ろしかった。何か途方もない恐ろしい事が起こるんじゃないかって。
起こってしまった。私を追いかけようとした流星が、海で溺れて死んだ。
流星に特別なキモチを持つ事がなければ、こんな形で流星が命を落とす事もなかった。
(中略)
代償に、そのキモチを捧げて。
あの願いを、私は二度と取り戻しちゃいけない。
そうしたら、神様との約束を破った事になり、奇跡はなかった事にされてしまう。
(中略)
銀花「……イライラの正体に気が付いちゃった。私はあの娘がうらやましいんだって……。自分でも気づいてなかったのよ。でも、あの娘を見てるうちに……。……思い出しちゃいけなかったのに……。
こんな物(カタシロ)、持ってたせいで……書いたせいで!」
(中略)
銀花「あの娘は私に見せつけてきたの。あの頃の私が、あなたをどんな風に想っていたか、あなたとどうなりたかったか……。でももう、あの娘を受け入れる余裕は私の中になくなっていた」
銀花「だって、いつの間にか芽生えてしまっていたから……新しいキモチが。あなたが私をあきらめてくれたら、こんなに苦しまずに済んだのに。」
流星「しょうがないだろ。俺がもっと生きたいって思えるようになったのは、銀花がいたからなんだ」
銀花「私をあなたの人生の意味にしないで!私の事を想ってくれるなら……生きようとしてよ」
──────
流星「銀花を救えなきゃ、俺ほんとに生まれてきた意味がないよ。でも、そんな俺の都合、背負わされても困るよな。ごめん。
銀花と生きたかった。ひめ島へ来る前は、いつ死んでも同じだって思ってたけど、今は、死ぬのがめちゃくちゃ怖い。でも、銀花が俺の事を忘れてしまう方が、もっともっと辛いんだ」
流星「銀花が見せてくれた夢、どれも幸せだった。もしも夢じゃなかったら、ずっとあの中にいたかった」
銀花「……でもそれじゃ、これから先、私は流星を失って生きる事になるのよ」
(中略)
「……夢をリセットするために、繰り返しあなたを殺し続けた。一つずつ夢が消えていくたびに、私の中の大切なものが、一つずつ壊れていった。もう何一つ、失いたくない。流星との楽しかった思い出全部、ちゃんと覚えていたい……」
──────────────────
以上長くなりましたが、関連する部分の引用でした。
改めてなぜ銀花がギンカを斬ったのか。今読み返すと、『流星に生きて欲しい』と願った、最初の願い事と同じ願いからの行動。同時に、幼い頃に抱いた『想いのキモチ(恋心)』への恐れからでしょうか。
幼い銀花は流星に「好き」というキモチを抱いたがゆえに、溺れて流星を失ってしまいました。自分の『キモチ』を持ったから流星が死んでしまった。だからこのキモチそのものであるギンカを否定したかった事も、斬った理由の一つだと思います。
また『新たなキモチ』とあるように芽生えてしまった、無から生まれた銀花の新たな想い(恋心でしょうか)への恐れでもありそうです。
またループも、告白を怖れたのは自分への好意(キモチ)が結果流星を殺してしまうことへの恐れでしょうか……。けれども同時に一緒にずっといたかった。この幸せへの願いの矛盾が、あの永遠に続くループ世界だったのかなと。
しかしループ世界で実際に銀花は大切な思い出を失い続ける事で、【流星との思い出】、例え流星を失うことになっても流星の事を覚えているという選択を受け入れるためのお話でもあったと思います。
それが例え、ひるこ様との契約破棄で流星を失うことになったとしても。
↓
その後は、銀花はギンカを受け入れることになり(と表記があるけれどいつの間に?)神様との契約は破棄される=心臓は神様の元に返される ことになりました。
↓
その後の展開は【(4)神様の島、ひるこ様の歴史、呪い関連】
〇契約が破棄され、流星の心臓が神様に返された後 に記載しています。
〇物語の一番最後、なぜ現世で銀花は、契約破棄で死んだと思われた流星と再会することができたのか。
・ハナがひるこ様と再会し、命を返してもらいことで神通力が戻ったひるこ様は、二人で脱出した際に、【赤と青のカタシロ】を見つけ、二人の願い事を叶えてあげたから、その世界で再会することが出来たのでした。
・ちなみに、この時には契約破棄によりギンカは銀花の元に戻り、かつかつての恋心の想いは元に戻った後です。
・ひるこ様の神通力は【可能性がある並行世界から、願いが叶った世界を選び、現実を作り変える】力なので、カタシロを見つけたひるこ様は、二人とも一緒に生きている世界に作り変えました。
流星は心臓手術が成功して、銀花も6年前の夏祭りには《二人でりんご飴を持ちながら告白する世界線》へと移動し、無事ハッピーエンドという結末です。
(3)花憐さん関連や、呪いを解決する方法等
〇花憐さんってそもそも何
・銀花のお母さん。銀花の剣の師匠。超強い。一族の呪いに抗えるほど強い。
呪いの影響により現実と幻影の区別がもうついていないので、常に【彼岸の境界】(死の隣り合わせの状態で使える強い技)が使える。
また区別がついていないので、自分から座敷牢に閉じこもっていた。
(銀花と修行をしているときに、危うく殺しそうになってしまったとか)
〇四ノ宮一族のお役目とは?なぜ神様を殺そうとする?
・お役目=生贄。神様が生み出す呪いを浄化し続けること。
やがて腐食されて自分が呪いに変わってしまう。
だから、四ノ宮一族は短命。
・はじまりは、島で一番貧しい子が生贄として選ばれた(=ハナ)
・神様が生きていると呪いに変わる、自分の大切な娘が呪いになってしまうことを許せない花憐さんは、神様を殺そうとしている。(つまり娘ラブ)
・花憐さんは生きてるから大丈夫じゃない?と思うけれど、強い自分ですが結局正気を保つことができない状態なので、こんな状態に娘は出来ないとして、やはり神様を殺すしかないとした。
(※四ノ宮家の詳細は、下記ひるこ様の歴史部分にも記載)
〇花憐さん曰く、神様(=流星)を殺せば、銀花は本当に助かる?
その後どうなる?
・神様(=流星)が現世に存在しているせいで、銀花の呪いの影響が余計に強まっている。だから、腐食された体は元に戻らないけれど、症状の進行を止めることはできる。
※ただし流星の力で、呪いの症状を一時的に和らげる(息吹)ことはできました。
・ただし、神様が死ねば結界は消えて呪い全てが外に出てきてしまう。
そのため、流星が死んでしまったら、銀花が救われても島が滅びてしまう。
↓
〇神様(=流星)を殺す以外で、呪いを消す方法は?
・ひるこ様を元いた世界へ帰すこと。方法は不明。
銀花の呪いは流星が浄化し続けることで症状の進行を防げると花憐に説得をして、ひるこ様を元の世界へ戻す方法を探すことになる。
↓
〇夏祭りを成功させる
・ひるこ様を元の世界に戻すことが目的。
神様の島へ行き預かった命(=流星の心臓)を返しひるこ様に元の世界へ帰ってもらうために、神様の島へと行く事が必要。
そのため、夏祭りを復活させ、もう一度神域への門を開いてもらう事が目的となる。
↓
その後の神様の島のお話は、下記の【(4)神様の島、ひるこ様の歴史、呪い関連】に
(4)神様の島、ひるこ様の歴史、呪い関連
〇呪いとは
・呪いとは、願い。人々がカタシロに書いて、神様に贈った願い事が、叶う事なく海に沈み、腐り果てた姿。叶わぬ願いを果たそうと人に取り憑こうとする。
(正確には、ひるこ様の願いを叶える神通力が変貌して、負の力として願いを呪いに変えてしまうようになった結果)
・人が取り憑かれると、魂が腐り落ちて、呪いと同じになる。
(=触れた人の願いも腐らせてしまう)
・神様の島の主がいなくなり、御神木が枯れかかっている。
そのせいで、神域に押し込められていた呪いが、行き場を失って溢れてしまった。
神様の島に主(=ひるこ様)がいないのは、神様が流星に心臓(命)を分け与えて死んでしまったため。
〇神様の島 の神様の正体とは
・ひるこ様。伊邪那岐神と伊邪那美神の子がモチーフ。
二人の神の子として産まれたが、神として不十分な欠損を抱え、それゆえに捨てられた。そこで流れ着いたのがひめ島。
その生い立ちがゆえに神様自身は呪いに蝕まれてしまった。
またその後の、ハナとの関わりと絶望によりさらに呪いを深めてしまう。
〇ひるこ様の願いを叶える神通力、カタシロ流しとは
・願い事を叶える神通力を持っていたが、叶える力を失ってしまっている。(ハナ関連の絶望による)
・しかし、人々はひるこ様に願い事をすることがやめられず、願いは呪いとなり、代々のお役目様が一心に受けていた。
やがて、受け止めきれない呪いが溢れてくるようになってしまった。
そのため、ひるこ様を封じるために、神様の島ごと神域へ送り結界を張った。
・ひるこ様にとって、願い事は餌。そのため餌を与え続けた。
花憐さん曰く、「願い事は叶えてもらえないとしても誰も納得しない」として、呪いに例え変わるとしても願い事を与え続けた。かつひるこ様も欲したとした。
・ひるこ様の祟りを恐れたこともあり、願い事の因習は続いた。
・つまり、カタシロ流しとは途中から願い事を叶えるためではなくて、ひるこ様を畏れ敬うために続いた風習。
〇NEXT編終盤、流星がひるこ様に元の世界へ帰るよう、神様の島へたどり着いた後の展開について
・呪いに浸食された銀花を救うため、また島を救うため、ひるこ様に流星の命を返し、神様を元の世界へ戻すのが目的。そのため、神様の島に行くために、神域への道を開く夏祭りを実施する。
そして花憐さん護衛の元、神様の島へたどり着く。
しかし、そこで見たひるこ様自身は死んだ後も呪い自身となり、さらに呪いを撒き散らし続けている事がわかる。
⇒流星が命を返したとしても、すでにどうにもならない状態。
↓
・神様が呪いとなったそもそもの【願い事】を叶えてあげれば、元の世界へもどせるのではないか……。として、神様の記憶を探る。(神様となった流星には可能、たぶん)
↓
〇ひるこ様の記憶、歴史の真実
・流星がひるこ様の願い事(呪いの根源)を知るため記憶に触れたことで明かされる歴史の真実。
その始まりは、四ノ宮一族の祖先《ハナ》が生贄として、ひるこ様の元に送られ出会った事。
この時島は飢餓状態であり、かつ神様は畏れられており、願い事を叶えるためではなく、『島に現れた異形の存在のご機嫌を取るため』、かつ口減らしのために生贄を選ぶ。そこで選ばれた貧しき子がハナ。
・ハナはひるこ様に食べられるように求めるが、ひるこ様は拒否。
またハナはひるこ様に触れるたびに呪いに浸食されるが、ひるこ様が差しだす果実を食べることで飢えと共に浄化され生きることができた。
↓
〇ハナが差しだした代償と願い事
・ひるこ様は、願い事の代わりに『……なにも持っていない……宝物……ほしい……』とハナに大切にしているものが欲しいと伝える。
そこで差し出したのが、ハナの自慢の黒髪。
こうして、ハナの髪は銀髪となり、四ノ宮家の巫女の証となった。
大切な物を手に入れた=願い事を叶えることができる、この願い事によりひるこ様の呪いは浄化された。(呪いの繭の一部が透明になって消えた)
・ハナの願い事は『島のみんなが飢えずに済みますように』
鉱脈が見つかり、島は願い事通り豊かとなった。人々は、神様が願い事を叶えると分かると、神様の言葉を伝える巫女に従い、夏祭りが始まった。
(※ハナは、ひるこ様が願い事を聞くのが好きであり、かつ清らかな願い事がひるこ様自身の呪いを弱めることが分かったため、呪いから解放するために祭りを作った)
これがカタシロ流しの儀式へと繋がることになった。
↓
〇ハナのその後と、ひるこ様の呪い、神通力の変貌。
・ハナはその後も巫女として神様の傍にい続けた。
人々の願い事は、ひるこ様自身の呪いも弱めることとなり、さらにハナがその呪いを禊ぐ。それはひるこ様の願い事《故郷に帰りたい》想いを叶えるために。
ただ、ひるこ様の願いはハナと一緒にいることで、『ハナと一緒にいたい』という願い事に変わっていった。
・しかし、ハナは呪いに腐食されて死んでしまった。
ハナの弟に松明を投げ入れられ、ひるこ様自身が燃やされることで、その想いに触れてしまい、ひるこ様の呪いは一気に膨れ上がることになる。
絶望した神様は呪いを纏い、島を隠り世(神様の島)に隠してしまう。
・この時点で『神通力』はなくなってしまい、『願いを呪いへと変えてしまう負の力』になってしまった。
↓
〇ひるこ様の変貌後
・神通力を失ってしまった後は、神様の島にいる蝶(=願い事)が死んで呪いに変わらないように、島の花の蜜を与え続けることしかできない。
⇒しかし、流星に神様の命を分け与えた後は、この花も枯れてしまうことで、蝶(=願い事)が呪いに変わることを止められず、呪いに溢れてしまう。
・ひるこ様自身の願い事も、ハナとの絶望により、『消えたい』とだけ願うようになってしまう。
消えたいと願っていた所に、銀花が訪れる。ちょうど消えたいと願っていたひるこ様は、自分の命を差し出すことで流星を助けた。(=自分が消える良い機会だった)
・島に残ったのは、枯れ果てた木々、そして無垢な恋心のギンカだけだった。
以上が、ギンカが生まれるまでの、ひるこ様の歴史の真実でした。
〇物語終盤、契約が破棄され、流星の心臓が神様に返された後
・銀花はギンカを受け入れ、神様の契約は破棄されることになった。
しかし、流星のもう一つの目的『神様の呪いを浄化する』(神様の願い事を叶える)ことにより、神様を元の世界へ戻すということは達成できなかった。
↓
・願い(=呪いの原因)を解決する必要がある。しかし、もう一度会いたい巫女のハナはこの世にいない。
神様である流星は、願い事を叶える力が使える(?)ため、神様の『消えたい』という願い事を叶えることが出来る。(⇒最後の選択肢、神様の願いを叶えるか、叶えないか)
↓
ここで消せば、銀花を呪いから解放できる。
しかし、生まれた時から生きる意味が分からなかったとする神様と流星は同じ境遇であり、そのような存在を消すことは流星にはできなかった。こうして、流星は神様を消す事ができず、6年前の元の命を失う存在に戻ることになる。
※この時、一緒についてきた青い蝶(願い事)が『ハナ』で、彼女もいっしょに神様の島に辿り着くことになる。
↓
その後、契約破棄された状態で、銀花は神様の島で目を覚ます。(ギンカはこの時点で銀花と一緒)
そのため、銀花はかつての恋心(想い)も同時に取り戻す。
銀花は、流星が返した命でもあるひるこ様を斬ることができず、この島の呪いを全部引き受けて、島を去る。
↓
ひっそりついてきたハナ(蝶)は、ひるこ様と一緒に大木から脱出することができた。島に漂う行き場のない願い事(=呪い)ごと、全てを引き連れて『神様と呼ばれた客人』は、時空の彼方へと飛び立っていった。
ハナとも再会し一緒にいるまま、故郷へ帰ることが出来たひるこ様は、願い事を叶えることが出来た。
※その際、赤と青のカタシロ(流星と銀花)を見つけたひるこ様は、二人の願い事を取り戻した神通力で叶えてあげました。ハッピーエンド。
〇ひるこ様の神通力とは
・世界をすり替える力。世界に存在する可能性のゆらぎの中から、望む世界を選び取る力。そのため、可能性が0の願い事を叶えることは出来ないが、『あり得たかもしれない世界』にすり替えることができる。
ハナの願いも『島が豊かになる世界』が可能性としてあったため、世界を変えることができた。
(5)現世からの流星、その他登場人物関連
〇NEXT編からの時系列
・第1部の流星が現世に戻ってから1年後のお話。流星は5年前の神隠しからいきなり戻ってきた状態。流星は猛勉強をして高校生に。
この間、銀花は戻ってきていない。
〇NEXTからの流星の目的。
・異界での出来事が本当の事だったかもう一度確認したい。
そのため、もう一度夏祭りを成功させ、神様の島へ行くこと。
ただし、再会する銀花が護る目的から、神様の島に行くことは止められる。
〇現世、住民たちへの異界の影響は
・異界であった出来事は、住民たちは夢で見ていた。
なので何となく覚えていたりする。リン姉や先生の呪い関連、草二が流星に行った言葉等。
・異界で願いが救われなかった場合、現世でも腐ってしまう。
草二は救われなかったため、現世では弱気で祭りにも非協力的になっている。
リン姉は願い事が救われなかったが、呪い自体が祓われたため活き活きしている。
先生は、先生自身が呪いとなってしまったため、浄化された。
・今、神様(流星)が現世にいる状態のため、霊的現象が起こりやすくなっている。呪いが顕現する等。
(6)異界関連
〇そもそも夢の世界(異界)って?
流星の体が『生き返るまで』の間に見てた夢。
銀花が夏まつりの日に「流星に新しい心臓」を願った結果、心臓が動くのに5年かかった。
神様の心臓が動くまで、その間の夢が異界。
〇異界にいた人々達(ひまわりやリン姉等)と現世に同じ人がいる理由
・カタシロを流した事のある人だけが存在している。
⇒流したカタシロに想いが宿って存在することができている。
銀花は流していないが、修行を積んで現世から来た。
流星がいるのは、異界がそもそも流星の夢なので。
〇異界のギンカは全く記憶がないのに、なぜ流星の願い事を知っていたのか。
・ギンカは流星のカタシロを器にしていた。
⇒そのため、カタシロに書かれていた願い事「壊れていない心臓が欲しい」を知っていた。また、カタシロが器になったことで、他の住人と同じように触れられるようになった。
〇異界にいる流星はどのような状態?
・死に向かっている最中《モガリ》という状態。
流星の肉体が、神様の島で腐り落ちないよう保存されている。
〇異界にいるのに流星の心臓の発作が起こるのはなぜ?
銀花「ここに残れば、たぶん死ぬ。すぐに。それを避けるには、蘇るしかない」
・異界にいる=ずっと生きられる わけではなく、いずれかは死んでしまう。
それが心臓の発作となって現れている。
そのため、【ギンカのためにずっと異界にいる】ことはできない。
↓
ギンカ「……なんで帰っちゃうの?ずっと一緒にいてくれるって言ったよ?」
という、自分の事を知るまえにギンカと約束した事を守ることができないと分かってしまう。
↓
ギンカは【本物の銀花】もあり、一緒にいることができないことに絶望し、神様の島に帰ろうとするところで、流星に抱きしめられて引き止められる。
ギンカはギンカであると伝え、『もう置いていかない』と抱きしめる。
(けれど、この時点で長く一緒にはいられないことは解決してないので、辛いには変わらない……。ギンカをギンカとして大事だよと伝えるシーンとしては大事だけど)
(7)その他登場人物の背景関連
〇リン姉の願い事
↓
──────────────────
家族の事は大好きだし、島も好きだ。
今でも毎日それなりに楽しく暮らしてる。
それでも、時折、どうしようもなく嫌になる時がある。
島そのものがあたしを縛る呪いみたいに感じられて──
つい、願ってしまった。絶対に願っちゃいけない事を。
──《婆ちゃんさえ、いなければ……。》
──────────────────
この【叶わない願い事をカタシロ書いて流した】ことで、
呪いに憑かれてしまった。
〇先生の目的と真実は、なぜ銀花に「流星の心臓の秘密」を教えたのか
・先生の目的【先祖から受け継がれた一族の悲願を叶えるため】
⇒悲願は神様を盗むこと。先生の祖先は、遠い土地で自分たちの神様を祀っていた。しかし、集落は侵略を受け神様は殺されてしまった。そのうち、『ひめ島に、どんな願いも叶えてくれる神様がいる』と噂を知る。祖先が神様を盗むため、島に移り住み、かつての安寧を取り戻そうとした。
(神様を盗むのがどういう方法なのかは謎)
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・神様を盗むためには《神域の門》(神様の島へと繋がる道)を開く必要がある。開くことができるのは《お役目様》だけ。そのため、島民に溶け込むため、小学校の教師となった。
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・銀花に「流星の心臓の秘密」を伝えたのは、銀花にお役目様だけができる神域の門を開けさせるため。(流星を救わせようとするため)
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・しかし、流星が銀花を追って死んでしまった。
死なせるつもりがなかったのに、生徒として情が移ったため、ひどく後悔した。
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・結果、誰も死なない【幸せな夏休みを過ごす】ことを願った=呪いそのものとなってしまった。この【幸せな夏休み】を終わらせようとする(帰ろうとする)流星を邪魔しようとする。
(呪いを呼び寄せることになり、リン姉には呪いが取り憑き、結果この幸せな世界を自分自身が壊そうとしている矛盾は、呪いによりもう止められないとしている)
先生自身の後悔から生まれた願いが呪いとなってしまい、さらに不幸にしようとしてしまうのがとても悲しい……。先生の役回りがなかなかに辛い……。
ちなみにお母さんは嫁入りで、一族の女にのみ受け継がれるので関係なし。
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その後、浄化された先生という存在は消えてしまい、浄化された呪いは再び純粋な願いとなって、神様の島へと帰っていった(NEXT編先生より)
以上、自分用の設定メモ。でした。
これらの展開が(全部ではないですが)常に淡々と明かされていくのが辛かった……。