なろう系みたいな展開の速さがテンポよくて面白かったです。特に最後のランケイジ編のクロネが、自分の大好きなタカヒロ氏らしさ全開で、「そうだよこれこれ!」感があってとても好きでした。あとエビちゃんも良かったね。面白かったです。
みなとそふと初のファンタジーということでしたが、作品の世界観が変わっても、みなとそふとの良さが残ってたことが何よりも良かったですね!
みなとそふとの持ち味と言えば、豪華声優がそろう、登場人物の多さでお話がわちゃわちゃと進むところがまず一つだと思いますが、それが今作も健在で良かったです。
帝国編の学園メンバーや五聖、連邦編の様々な種族長やコルミージョ等、天魔族編の様々な天魔族たちといい、個性豊かで、一癖も二癖もあるキャラたちのおかげで、読んでても飽きなくて楽しかったです。
こう、色んなキャラの掛け合いが無限にあって、『もっと見ていたい!』って思わせてくれるんですよね。
今作も、作品をプレイした後に、「もう終わっちゃった……もっと見たかったな……」って思うくらいには楽しかったです。
また、展開の早さも良かったなぁと思います。
それぞれの√に目標となる結末があるわけですが、それまでの日常をファンタジーらしさの冒険や戦いでわちゃわちゃと過ごしながら、物語が進んでいく展開が読んでいて飽きないんですよね。
ただその分、中身を考えると、キャラごとの心情等の描写は少なく、各キャラの背景も回想シーンでさらっと流すことが多かったなぁというのも良くも悪くもなバランスだったなぁと。
良く言えば、まるでなろう系を読んでいるかのような展開の早さは、次はどうなるのだろうというワクワクさの面白さがあり、悪く言えば、淡々と展開が進むので、各キャラへの焦点の当て方は淡泊だったなと感じます。
ただ、みなとそふとの面白さは、多くの登場人物がわちゃわちゃしながら繰り広げていく日常だと思っているので、そういう意味では長くだれずちょうど良いバランスで締めていて楽しかったと思います。
……まぁサブヒロイン達はもうちょっとあっても良かったなぁってのはうん……。
せめてマジ恋のサブぐらいは欲しかったね……マジ恋男キャラにもそれぞれエンドが用意されてたりすごい良かったもんね……。ここら辺は、続編のSだったりに期待……。
そしてそして、何といってもタカヒロ氏に期待してることと言えば、『姉(年上)要素』ですよね!!!
個人的にはむしろそっちが大好きなところもあるので、クロネ姉さんが最高でした。
詳細は下記にまた各√の感想で述べようと思いますが、連邦のエリンさんといい、クロネ姉さんの弟LOVEが本当に楽しかった……もっと見ていたかった……。
後は各√感想
前半ヒロインへの感想
後半その√の話についての感想みたいな感じで
〇帝国編(ノア)
ノア様最強!ノア様万歳!
ノア様もデレに入ってからがすごい可愛かったです。
皇帝権限を利用して、「勅命である!」って言いながらシャオンに甘えるやり取りがすごい好き。
最後の方には、「勅!」の一言で問答無用に甘えさせるところなんかは、もう見ていてすごいニヤニヤしちゃいました。可愛かった。
また、ノア様の一番好きなシーンはラニエロ大公への「誰に口をきいているか!」のシーンですね。
ラニエロ大公の傀儡に無意識になっているところで、主人公と関わることで変わっていき、そして自分の意志で帝国のために行動する全てが集約されたシーン。しびれるくらいにかっこよかった。
話の内容としては、帝国編は学園編という印象が強かったですね。
前半は帝国入りするまでは、エビちゃん&アントンと旅をしながら、帝国を目指していく。
特に途中の山賊編では、コルミージョ達にぐぬぬぬってなったけれど、天眷で主人公がぶっ飛ばしちゃうシーンはすごいスカッとして楽しかったなぁ……。
後半は修行して強くなった身で、帝国に行って学園の生徒として活躍するお話は、なろう系を思い出すなぁ~という感じ。ノア様達と触れ合う中で、帝国の実情を知りながら、またナミートさんだったりに癒されながら(重要)天魔族との決戦へとつながるお話。
帝国の全てが善というわけではなくて、意外と中はドロドロとしている政治味があるのが意外だったけれど、テンポよく話も進むので、読んでいて面白かったです。
また戦いも面白くて良かったですが、特にアントン復活は激熱。あのシーンもすごい好きです。
ただ、キャラという意味では、年上、姉キャラ属性が少な目に感じたので、あまりめっちゃ刺さるキャラはいなかったかなぁ……というのが正直な感想。ノア様もすごい可愛かったですけどね。
でも、こうした中でフォルさんがね……すごい刺さりました。
こう周りに良い相手が見つかる中で、自分は仕事一筋だからって言いつつお酒LOVEで、裏では自分の理想の小説(R-18)を書いちゃうとかもう、すごい好みすぎて、しかもかわしまりのさんってのがもう最高。
だからこそ、フォルさん√をサブでしっかり用意してくれたのはわかってるぅぅぅぅってなりました。
もうちょっとフォルさんとのいちゃらぶ見たかったな……。
〇連邦編(エリン)
酔っ払いお姉ちゃん最高!最高!
いやぁ~~~~~~~タカヒロ氏と言えばこれですよこれ。
こういう、主人公をからかっちゃうお姉さんヒロインなんだけど、からかう内に、どんどん自分が好きになっちゃって、むしろ嫉妬とかしちゃう系お姉さんを待ってたんだよ!すごい良かったです。
最初はお色気姉ちゃんの魅力で主人公を陥落させるぞ!ってお風呂シーンではバスタオル一枚で張り切っちゃったり。
でも後半ではコルミージョメンバーたちに嫉妬するシーン(下記)なんかもう最高にニヤニヤしちゃうめっちゃ好き
です。
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(ガルデニャー?おーい、ガルデニャー?人の男に少し気安いんじゃないの?)
(ヨークシャー?どうしたー、ヨークシャー?そんな、甘え方あるー?それは私のなんですけど?)
(シュカー?んー?シュカー?何を自然に撫でてるの?その慈愛の目は何?シャオンはもう私のなんだけどー?)
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なんていうか言葉にできないんですけど、エリンさんのノリツッコミ風なセリフが、見ていてすごい楽しいですよね……こういう滑らない楽しいノリなテキストは、さすがタカヒロさんだなぁと思います。
とにかく一緒にお酒を飲みたくなる√。お酒を飲みながら、絡まれてみたくなるお姉ちゃんな√でした。
また話の内容自体も結構面白かったです。
選挙戦に向けて、連邦内の各種族問題を解決していきながら、エリン元首を目指す√。
コルミージョの一員となって、癖のありすぎるメンバーと冒険しながら、いろんな種族の元へ冒険するお話がもう純粋に楽しかったですね。
帝国編の学園編も好きですけど、やっぱり冒険してワイワイやるのが見ていて面白いんだなぁと実感したり。コルミージョメンバーがとにかく個性ありすぎて、すごい楽しかった……。
特に見どころはやはり最後の選挙戦。展開が分かっていながらも、やはり大逆転勝利のところは熱かったです。(その後のラスボス編はあっけなさすぎてry)
キャラはやはりエリンさんがぶっちぎりで良かったなぁ。
コルミージョでは、みんな好きですけど、一番だとヨークシャだったかなぁという感想です。
なんていうか、マジ恋でいうワン子を思い出す感じがすごい好きです。撫でられてわふわふってするのがすごい可愛かったなぁ。
〇ランケイジ編(クロネ)
いやぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
やられたっていう√。
いやもう、設定が勝ち確ですよね。
正直最初は、どんな話だろう、クロネさんが主人公の強さにベタぼれしちゃう感じになるのかなぁ~~とか漠然に考えてたんですよね。帝国編では圧倒的ラスボス感すごかったし、連邦編ではそもそも出番なかったし。
話を読み進んでも、ランケイジの国突入した後もめっちゃ怖かったし。
特に、クロネの前で、クロネさんを満足させないと命の保証がないシーンとか超怖かったですよ。
他の作品を出して申し訳ないけれど、気分は、オーバーロードの、アインズ様の前で首を垂れる冒険者たちの気分でしたよ。絶望しかないっていう。
そんな気分で話を読み進めると、途中でクロネさんが言うんですよね。
「あたしにはハイクーンに弟が一人いるらしいんだ。血は繋がってないがな。(中略)もし弟が見つかってしまったら、アタシはもう……どうなるか自分でもわからないぞ」
あっ、そういうこと。あっこれもう勝ちじゃん。勝ち確じゃん。え?そういうことなの?
ってなるわけで。
もうそっからはめっちゃ楽しかった……これこれ、姉スキーな自分としては、タカヒロ氏のこういう姉さんヒロインが見たかったわけですよ……。
他の登場人物が登場するたびに、
「アタシはシャオンの姉だ!可愛い弟なんだぞ!」
って自慢したりするのもすごい見ていてニヤニヤするし、
「弟は姉が管理しているのは常識だな?よって夜は遊びに行けないんだ」
って、他の女にちょっかいかけられそうになるシャオン君に嫉妬するのも可愛かったり、
「ふふ……添い寝も姉なら当然の事だろう?」って裸で添い寝シーンもめっちゃ良い。
それに、敵に襲われた主人公に対して、
「貴様弟に何をするかーーーー!!」ってブチ切れるシーンだったりもすごい好きで。
もう弟LOVEが一気に詰まったヒロインで、ずっと見ていたくなるくらい良かったです。
いやほんとにもっと見ていたかった……世界一周編、アフターでやりませんか……?
話の内容も、ランケイジ編は、今までのお話の集大成でしたね。
帝国編、連邦編でのキャラたちが総集結して協力し合うシーンは熱かった。
特に最後の決戦だったりは今までの強い登場人物たちのオンパレードで見ていて楽しかったです。
特にあの天魔王が駆け付けた時の、流れが変わる瞬間ね……王道で爽快で楽しかったなぁ。
そっからのエリンからピガロからアントンの無双っぷりね。こういうのすごい好き。
また、ミンとマニエラさんの二人がなぁ……切ない……。
このお話も、Sの続編が出た際には、幸せな二人の様子を見ていたいと願うばかり。
この二人も、一気に好きなりました。
そして、ミンと主人公の二人のやり取りがね……もうね……。
ミン「シャオン、友達なら互いの意見は尊重するんだろ!それはお前が強く想っている事なんだろ!」
ずっと旅している中で、友達関係を否定していたのに、最後の最後でこのセリフはね……卑怯。
切ない。ずっとミンと主人公がいつも二人一緒だったからこそのセリフですごい好きでした。
最後は、クロネ姉さんとシャオン君が新大陸へ冒険するエンド。
それはかつてミンと約束したお話で。
むしろここからが見たい……すごい見たい……。
我が姫君に栄冠をのタイトル回収として、綺麗な終わり方だったと思います。
最後の√なだけあって、ランケイジ編すごい面白かったです。
〇エビータ√
どの√でも立派に出世できるんだろうな感すごかったエビータちゃん。
彼女もすごい好きだったので、ちょっと感想。
とにかく兄ぃ!ってのがすごい可愛くて良かったです。
特に、彼女の√は、最初の選択肢④だけなんだろうなぁって思ってたら、まさかのランケイジ編であって、すごい嬉しかった記憶。
裸添い寝も可愛かったし、プロポーズのいぇぇぇぇぇす!ってのも彼女らしい返事で元気いっぱいですっごい好き。
最初のピガロの家スタートから、すでに二人いつでも一緒で、そしてランケイジ編で√に突入しても、二人いつも変わらない日常が続いていくっていう終わり方がね……すごい好きな終わり方でした。
〇まとめ
帝国編77点 連邦編80点 ランケイジ編97点
みたいな感想でした。
ヒロインのぶっ刺さり具合の影響が強いですが……。
やはりタカヒロ氏が描く年上、お姉さんキャラは強い、すごい楽しいです。
ただ、どの√も、みなとそふとらしさがあってすごい楽しかったです。
もっと彼らの色んな掛け合いが見たかった……と満足と寂しさが混在している感じです。
きっと続編が出て、また彼らのわちゃわちゃした冒険が見られることを期待して。
ありがとうございました。