ErogameScape -エロゲー批評空間-

merunoniaさんの夢現Re:Afterの長文感想

ユーザー
merunonia
ゲーム
夢現Re:After
ブランド
工画堂スタジオ
得点
80
参照数
72

一言コメント

まさしくFDらしい内容でした。私が不足に思っていたいちゃらぶ要素もあったりして良かったです。一部が衝撃すぎてびっくりしましたが。さき√アフターとこころ√アフターが特にグッドでした。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

夢現Re:MasterのFD作品としての今作。
本編が楽しかったのもあるけれど、さらにいちゃらぶが見れたらいいなぁと思い、そのままプレイしました。
結果的にプレイし終わった今、FDらしい補完な内容でとても良かったです。
いちゃらぶ面はある程度あったし、一部√には驚きな内容もあったものの、それぞれのお話で、それが見たかったんだよ~~な内容もあり、グッドでした。

以下それぞれの√について簡単な感想。(プレイ順)

〇マリーアフター
マリーアフターということもあり、まず最初にいちゃらぶなシーンから始まりました。
二人そろって朝食をとる幸せな光景。
そうだよそれそれ!それが見たかったんだよ!!

マリールート、彼女のキャラすごい好きなんですよね。クールで軍人で情熱的で。
でもそのような彼女の本編のお話は、起承転結があっても、
心理描写を描くような内容や、せめていちゃらぶを書いてくれる内容が全然ない。

しかしアフターでは、しっかりいちゃいちゃ成分を書いてくれました。マリアにとって、あいはどれほど大切な存在なのか。
そして、マリア、大鳥まりあとして隣にいる彼女は、
『本当は恥ずかしがり屋で、女性を口説いたりするのも苦手で』
それらが本当のマリアである。
それらをひっくるめて、彼女を愛してくれるのがあいちゃんで。

これらが見れたことがもう何よりも嬉しかったです。
この内容を本編で入れてくれたら、本編での評価すごい上がったのに。
それくらい良かった……ほんとこれだよこれこれ。

〇ななアフター
なな√本編の時同様に、なな視点でお話が進むわけですが、
本編後のお話ということもあり、彼女の疑心暗鬼?自信のなさや勘違いによるお話は健在。
正直こういったお話は、本編同様自己嫌悪に繋がりやすくて苦手……。
ただそれでも、本編に比べると、あいちゃんの強さもあり、彼女自身も、あいちゃんを信じようと
強く前へ進む姿は見れて良かったです。それが見れただけでも良かったかもしれない。

でもやっぱり今回も勘違いかーいって感じでうーんって感じでした。
彼女自身の心情の弱さや克服の話は本編で見てきたので、さらにその先の
ハッピーエンドやFDらしい内容が見たかった。

ただ最後のちょっとしたあの演出はけっこう好き。

〇さきアフター
彼女のお話は、本編でも修羅場の追体験のような、制作現場の面白さがありましたが、
FDもその内容が楽しめたのが嬉しかったなぁと。
シナリオライターである彼女の宿命なのか、ヘルプとして駆り出される彼女が、
最後の最後まで世話を焼く姿がもうなんとも彼女らしいなぁって。
外注ライターに逃げられ、バトンタッチされ、罠にはめられたーーーー!と気づくも
プロである彼女は、彼女が納得するまでのラインに仕上げきる。
そのブラックな業界ネタだったりも、あったりして一番面白かった……。

また、彼女の良さが詰まったアフターでしたね。
グアムの妄想下りはもう笑いましたし(さらにその時のこころちゃんの壊れ具合でさらに笑)
また、最後の親に挨拶しにいく律儀さだったり、もう彼女らしさがふんだんに詰まっていました。

彼女のアフターは、彼女の良さが詰まった、私が見たい内容がふんだんで満足です。

〇こころアフター
もうねもうね、『こころがわたしの妹で、よかった』って言葉が聞けただけで満足……。
だけで感想が終わるのもあれなので

こころ√は、本編のTRUEに当たるお話のアフター。
もちろん一番期待したのは、ニエと魔女の二人が登場した後のアフターということで
どういうお話になるのかなぁと思ったらFD製作!
FDに、FD製作の内容を入れてくるのは面白かったです。

さらに話の内容としては、こころがライター、あいがイラストレーターとして
FD製作に関わるようになるというお話。
それぞれが今まで携わることのなかった仕事に苦悩する姿、
それぞれにたいしてさき、マリーが助言監督をするシーンもとても面白かったです。
特に、マリーの『絵を畏れる気持ちを忘れてはいけません』という言葉は
プレイした今でも印象深い。
あいちゃんの初めての創作に、責任、期待それらにすべて応えなければいけないと苦悩する姿。
こうした姿に対してのマリーさんの言葉がもうね……マリーさんのかっこよさも含めて素敵でした。
創作に携わったことがない私には、想像でしかありませんが、とても意味深く思います。

そしてなによりも最後のニエと魔女、そしてミサキに出会う最後のシーンが素敵でしたね。
ミサキの正体はなんとなく最初から気づいてはいたけれど、でもすっごい可愛かったです。
色んな言葉を教えたばななちゃんはしばらく正座です。

そんな色んな良さが詰まったこころ√アフターも、良いFDな補完な内容でした。
面白かったです。
(CHU☆って聞くと、カオスヘッドのFDを思い出したのは私だけでしょうか)

〇ほのかアナザー
彼女のお話は、本編ではありえなかったほのか√のお話。
大人である彼女とまだ社会人なりたての主人公のちょっとしたお話……。
なところですが、ばな子エンドで全部持っていかれました。

もう最初あのエンドを見た時の衝撃といったら、笑うしかなかったですよ……wwww
確かに二人で海を見に行ったり、仲いいなぁこういう終わり方もありなんかなぁと
考えていた矢先、最後のCGに切り替わって、犬耳をした子供たち多数ですよ。
もう頭の中!?!?!?で埋め尽くされて、笑うしかなかった。

そしてまたSPボイスでばな子役の人のを聞いたら、同じ反応しててもうますます笑うしかなくて。
なんてものを作ってくれたんだ に同意した記憶。

いやぁ笑った。
肝心のほのか√の感想がどっかいってしまったくらいには。
ただ、ほのか√自身のお話も結構好きです。
大人で、でも子供で、そんな彼女の魅力が少し語られた内容は結構好き。

いやはや衝撃な内容でした。


〇総評
まさしくFDな内容であったと思います。
私が本編で不足していた内容がおおまかにあって良かったです。
特にさきアフターのお話から最後の結末だったり。
こころアフターの最後の結末だったりは見ていてFDらしい内容で良かったですね。
工画堂スタジオの作品はじめてでしたが、良かったです。
また他作品もやってみたくなりました。

ありがとうございました。