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merunoniaさんのレイジングループの長文感想

ユーザー
merunonia
ゲーム
レイジングループ
ブランド
KEMCO
得点
98
参照数
881

一言コメント

人狼ゲーム×民間信仰を掛け合わせたノベルゲーム。『読む手が止まらなくなる』ほどの宴の展開力に、ここまでかというほど練り込んだ民間信仰の設定とめちゃくちゃ面白かった。人狼ゲームが詳しくない自分でも、まるで一人の参加者のように楽しめました。クリックする手が本当に止まらなかった。楽しい数日間を過ごせました。陽明さんにヒロインたちが好きすぎる。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

※前半にネタバレなしの感想
 後半にネタバレありの感想です。


『レイジングループ』
ケムコより発売された、『人狼ゲーム要素×伝奇物』のノベルゲーム作品。
PC版(steam)でプレイしましたが、最初の期待以上にめちゃくちゃ最高に面白かったです。

人狼ゲームが知らない自分でも楽しめる、『宴』のデスゲームによる『頭脳戦』。
人狼ゲーム要素と、閉鎖空間の村による狂気の民間信仰要素を、練りに練り込んだ『真実解明編』
本編が終えた後から解禁される、エクストラシナリオ・暴露モードの、全体を見渡せるからこその面白さ。
特に『クリックする手が止まらなくなるほどの展開力』がぶっちぎりに面白くて、『次はどうなるのか』と続くため、飽きが来なくて最高に面白かった。

私自身、人狼ゲームには全然詳しくなくて心配だったのですが、いざプレイしてみたら関係ない、自分もまるでゲームの参加者のようにのめり込める宴の面白さは、予想以上でした。本当にのめり込んだ楽しい数日間でした……。

人狼ゲームの頭脳戦物として、同時にループ物による真実解明のミステリー物として、おすすめできます。素晴らしい作品でした。面白かったです。








※以下ネタバレありで詳細な感想です。
 今作品はネタバレされると著しく面白さが損なうためご注意ください。

①宴の頭脳戦『クリックが止まらなくなるほどの展開力』
②人狼ゲーム×閉鎖空間の民間信仰を練りに練り込んだ真実解明編
③全てを理解したがゆえに明かされる『暴露モード』の重厚さ(ヒロイン)

以上3つに分けて感想を。


①宴の頭脳戦『クリックが止まらなくなるほどの展開力』
上記でも触れましたが、レイジングループの好きな要素色々ありますが、強いてあげるならぶっちぎりでこの『展開力』なんですよね……!

レイジングループの宴は、人狼ゲームのように
昼:宴でくくる人決め→夜:狼による処刑→次の日 昼:宴でry
と繰り返していく。
この繰り返しが、わかりやすくて、今日はどうなるのか……次の日はどうなるのか……今回の周回はどうなるのか……と次から次へと展開が変わるのが見ていて飽きが来なくて、面白いんですよね。

また、選択肢による分岐のドキドキさも良い。

ここで自分の加護を明かすのがいいのか……それとも黙るのがいいのか……
狼である自分はここで誰を殺すのが良いのか……

選択肢一つ間違えることで破綻しかねない宴の狂気。
でも気軽にループでやり直すことができるので、どの展開も試したくなる面白さ。
この選択による分岐の面白さの塩梅もすごい良かった……。
また後述しますが、選択肢でBADを選んだ場合、なぜBADだったのかについて、暴露モードで見てみたら『そういうことだったのか』という面白さも含めて良かったと思います。

特にそういう意味で、最高潮に面白かったのは3週目の『暗黒√』
橋本雄大(カメラマン)が登場してからがもう最高に面白かった……。
誰があのカメラマンがあそこまでの強キャラだと予想しただろうか……。
1週目でも2週目でもやられる彼は、犠牲キャラだと完全に思い込んでいた。
そんな彼が3週目では、主人公を『人側』で追いつめる。
橋本VS陽明のガチンコ対決の頭脳戦は、一つ対応を間違えれば即破綻の宴として最高潮に面白かったです。
特に大好きなのは、橋本さんが『へびに自分を調べてほしいと思う人』とゆさぶりをかけるシーン。あの何気ない一言で、挙手するかしないか、のわずかな間の選択が、自分の命運を握るシーンはもう、興奮しまくりでした。
橋本さんが死してなお、主人公を追いつめるシーン等、彼の強敵っぷりは何度も興奮させる展開につながり、一気に彼の印象が変わったのも印象的。
いやぁ今思い出しても最高に面白かった……。

1週目は主人公が宴に不参加の形で傍観者として狂気に圧倒される面白さ
2週目は主人公が宴に参加する『へび』として活躍する面白さ
3週目は主人公が『狼側』として『かみさま』の狂気に陥りながら活躍する面白さ
このどれもが、『次はどうなるのか』の面白さに詰まった展開力。
この数日間、飽きも来ず一気に読み進めることができた楽しい毎日だったのが
まさしくこれでした。
ここまで矛盾なく考えるには、相当の設定へののめり込み、読み返しが必要だと思います。緻密に構築された展開構成、物語。ライターへの熱意が感じられます。
だからこそ、これぞノベルゲームだから面白いよなぁ……って。




②人狼ゲーム×閉鎖空間の民間信仰を練りに練り込んだ真実解明編
レイジングループの面白さで、挙げるのに忘れてはならないのがこの部分だと思います。
人狼ゲームを、閉鎖空間の村独自の狂気の風習として語られる今作。

申奈詣(しんないもうで)をはじめとした、おおかみ様等の伝承。
先祖代々語り継がれる、宴の掟。
怪奇現象としか思えない、惨殺な現実。

何もわからない当初は、主人公と同様様々な狂気の現実に『どういうことなの……?』と一緒に困惑して読み進めたのは良い思い出。
馬宮さんの日本神話等の解説は興味深いもので、だからこそ休水の風習は奇異な物に写りました。

こうした中で暗黒√を終えて、巨大な怪物が現れてなんじゃこりゃー!!ってなって、羊さんが現れて理解が追い付かない中で、最後の鍵探し。
ここから明かされる、千枝実ちゃんの過去、過去の宴の存在、おおかみ爺と様々な謎が明かされていくあの過程も面白かったですよね……。
特にその中で一番面白かったのが『能里家の真実解明』。もうこのシーンが最高に好きなんですよね。
(ちなみに、今でも地下の選択肢の正解未だにわかっていません……)

能里家の先祖代々集められた膨大な資料から積み上げられた、一つの真実。
最初の始まり違ったはずなのに、様々な思惑が積み重ねられ、捻じ曲げられ。
『神様』は忘れられても『正しさ』=『かみさま』だけが残り、現実でも続く、狂気の伝承の正体。

能里さんの『そんなバカな……』という反応が今でも忘れられません。
まさしく私が抱いた感想とまったく同じでした。
黒幕の存在があるとはいえ、宴が人為的な物の仕業だと、ここまで大がかりなものだと予想が全然できなかった。村に施された監視カメラ、電子ロック、麻痺ガス。
いやもうそんなバカな……と。宴のためにここまでするのかと。
いやここまでしてしまう狂気だからこその、『伝承、正しさ』が『かみさま』という状態の怖さなのだと。

人間の醜さやこわさ、奇妙さが一気に理解できることで更に怖くなるシーン。
私の中でレイジングループで、好きなシーンを挙げるとするならば、上位にあげるほど大好きなシーンです。




③全てを理解したがゆえに明かされる『暴露モード』の重厚さ(ヒロイン)
レイジングループの評価が更に上がったのはこの部分。

最初は暴露モードって聞いて、ただのおまけ要素かなって思ったんですよね。
2週目を読むにあたって、主人公以外の視点、心の声がわかることで、ちょっとした伏線回収が楽しめたりかなぁ程度だったんですよね。
全然そんなことなかった。

明かされる事実はさらに膨大で、まだこんなに裏に話が隠されていたのかと。
ちょっとした不可解なリアクションの裏には、登場人物のこんな心の声があったのかと。
主人公が死んでみることができなかったBADエンドの顛末の続きには、こんなハチャメチャな続きがあったのかと。
些細な内容から、膨大な内容まで、より違った新鮮なものとしてすごい楽しかった……。

その中でも特に好きだったのが
〇千枝実ちゃんの狂気の裏の顔
〇李花子さんの陽明さん好きすぎる心の声
〇春ちゃんとむじな様の心の声
〇春ちゃん(むじな様)VS李花子さん
見事にヒロインばかり……。


〇千枝実ちゃんの狂気の裏の顔
本編プレイ時、千枝実ちゃんは不思議な魅力のキャラでした。
1週目√では、ヒロイン√としての魅力をみせ。
2週目√では、狼側として、殺人鬼の顔をみせ。
3週目√では、不可解にいきなり自殺をして。
どれが彼女の本当の姿なのか。

それは、最後の鍵集めで明かされる真相が彼女の姿でした。
彼女も『神様を畏れ、憎む』ジンクスにより、主人公同様記憶保持ができる。
しかし数えきれないほどのループを重ね、狂気に陥った彼女。
特に最後の鍵集め時に明かされる中で、陽明と千枝実ちゃんが、何度も何度も殺し合いを重ねながら繰り返す衝撃のシーンは印象的です。
『繰り返しすぎたループの狂気』に耐え切れず、『強い陽明さん』を殺せば何か打開されるのではないかという精神にまで陥ってしまった彼女の恐慌。
しかしそれは、陽明さんのことが好きで好きでたまらないからこその恐慌。
まさしく『殺したいほどに好き』という言葉を体現したのが彼女の魅力。

彼女の真実が明かされた今、改めて暴露モードを見返すことで、彼女のことが知れたことがとても好きなんですよね。
1週目√暴露モードでは、狂気に耐えられないループの中で、新しい変化である主人公の陽明さんに出会ったことで、彼女にとってどれほど救いだったか。
2週目√暴露モードでは、陽明さんに再会した時の涙の真実。
また同時に殺人鬼としてふるまうしかなかった姿の心の声。
3週目√暴露モードでは、2週目同様殺人鬼として、どうにでもなってしまえという心境の中、それでも『陽明さんを殺したくないよ』と、『わたしのようにはならないで』と自殺するシーン。

1週目から3週目まで見せた全ての姿が、彼女の魅力が詰まった姿だったんですよね。
もう殺すしかないほどの狂気に陥って、でも陽明さんが好きで好きで殺して殺したくなくて。
全てが理解できたからこそ明かされる心の声が、千枝実ちゃんの弱さと魅力でさらに彼女のことが好きになることができました。
だから暴露モードでの千枝実ちゃんが好きです。



〇李花子さんの陽明さん好きすぎる心の声
いやこの黒幕、どれだけ陽明さんのこと好きすぎるんだよwwwww
チュートリアルの時には、すごい丁寧なキャラだなぁって。
2週目本編読んでた時は、神妙な謎キャラだけど天然なんだなぁって。
「ほぉぉぉぉおおぉお」ってすごい反応するけど可愛い初心なんだなぁって。
思ってたわけですよ。
まぁ神話√でなんやかんやあってすごいキャラだなぁって。びっくりしたりして。

暴露モードで2週目プレイするわけですよ。
『ほぉぉおおぉおぉぉお』(心の声:陽明さま……食べられたい……食べてしまいたい)
( ゚д゚)

いやもうめっちゃ笑いましたよ……www
あの『ほおおぉぉおぉおぉ』の心の声、全部悶絶かよ!
ずっこけるの、ガチの天然かよ!
陽明さんの名前呼び、ガチで勇気振り絞ってるじゃん……乙女か?
いや、2週目で主人公に出会ったとき、めちゃくちゃ喜んでるじゃん……3週目で主人公の正体を理解した瞬間、めちゃくちゃなりふり構わず主人公の味方になるじゃん……好きすぎるじゃん……。
2週目での彼女、陽明さん純愛√じゃん……。
etc...etc...

いやどれだけ陽明さんのこと大好きなの……この27歳。
そりゃ、結婚詐欺ぶち込められた後には「はるあきさんの……ばぁか。ばぁか。」ってなりますわ……www
エクストラシナリオで、『出のポーズ』しながら、手足をうにょうにょ動かしちゃうわ‥‥。

と色々笑った彼女ですが、彼女にも暴露モードだからこそ明かされた事実がありました。
それが、2週目√の不可解な終わり方。
霧が晴れ、ゲームクリアしたと思われたのに、村に戻ったら殺し合いがなされ、最後には李花子さんが首つりエンド。
なぜ、どうしてこうなった、と本編プレイ時には思いました。衝撃でした。

暴露モードをオンにしたうえで2週目√をプレイすると、彼女の想いがわかります。
2週目√が、李花子さんにとって、一度だけ願った陽明さんとの甘い夢の√だったと。
彼女は、つちぐもの復活、2000年余りの悲願を達成するために、村人を全て皆殺しにすることこそ彼女の願いでありました。
そのはずだった。
しかし、その彼女にも別の願いができてしまった。
それは、主人公である陽明さんとの幸せな夢(ハッピーエンド)を見ること。
それが、2週目√の真相。
だから、霧が晴れ、李花子さんと幸せな別れ方をしてまた再会を約束するハッピーエンド。同時に、夢を終えつちぐもの復活を目指すために、自殺する首つりエンド。
首つり姿を見られたくなかった、と話す李花子さんの心の声が印象的。

ただ、一度だけでも良いから、と望んだ√が2週目。どれだけ彼女は陽明さんのこと好きなのか。その彼女の想いが詰まった√でありました。
3週目√で、『彼との夢は一度だけだから……』とつちぐも復活のため諦める心の声もとても印象的です。
※別記
李花子さんの話ではないですが、陽明さんの2週目のことを、『ある意味このとき、自分もかみさまの状態に感染されていた』という記述もとても好きです。
本来の自分の特性であれば、謎を多く残したこの霧が晴れただけで、満足するはずがなかった。しかし、『霧が晴れる=宴が終わる=宴が正しいこと』としてかみさまに感染してしまっていたのだ。と振り返るシーンが、なるほどととても好きです。



また、忘れてはいけないのが、暴露モードの隠しエンドの李花子エンドですよね。
下半身みられてるぅぅぅぅう!にも笑いましたが、魔王李花子さんの照れる姿や笑顔が印象的です。超うれしくなっちゃって触手が動いちゃうところなんてもう可愛いね(真顔)

彼女は属性が多すぎます。
チュートリアル役、謎キャラからの黒幕、天然、痴女、巫女、27歳独身、生活能力0。
いやここまで属性が多い黒幕がいただろうか……。しかしそれこそ彼女の魅力か。
それがふんだんに楽しめるのが、暴露モードの彼女の姿でした……。
そんな彼女が好きになってしまう能里さんも、仕方ないよね!
楽しかった。彼女も千枝実ちゃんとは別の意味でヒロインでしたね。
とても良かった……。



〇春ちゃんとむじな様の心の声
唐突ですが、レイジングループで一番の萌えキャラで可愛いの、むじな様だと思うんですよね。あの独特の喋り方からツッコミ役から可愛すぎません……?
彼女の可愛さの本骨頂は、エクストラシナリオの宿のお話だと思います。可愛すぎ。

そんな彼女ですが、暴露モードでの春ちゃんも、彼女の良さがわかるシーンでした。
本編時には、むじな様の存在がさらに怪奇として写る謎の一つでした。
そのような『むじな様』の姿も彼女の姿の一つであると。
3週目√では、彼女がヒロインの立ち位置でしたが、主人公に教えてもらった『悪の姿』として、『正しさの呪縛』から逃れる姿は、彼女の変化のお話として面白かったです。
同時に、暴露モードで心の声が聞こえるからこそ、むじな様でもあり彼女でもある春ちゃんは、主人公に惹かれていく姿はとても印象的でした。

また彼女のことを語る上で外せないのがもっちーの存在です。
もっちーは、天才であるがゆえに直感で全てのことを理解するが、同時に自分のことは理解が浅い。だから、自分が春ちゃんに恋心を抱いてても気づかない。
春ちゃんのことを殺す結果になっても、『愛しているからこそ自分で殺す、殺した後でも愛することはできる』という考えができてしまう。
でも同時に、春ちゃんがいないと急激にやる気をなくしてしまう、春ちゃんの存在(親友の泰長君も含む)が彼の行動理由の一つだと明かされる暴露モードは、見ていて関係性が面白かったです。

そして彼女にも隠しエンドがありましたね……。
あっぴゃっぴゃー!あっぴゃっぴゃー!
こんなん笑う……www
裸踊りで浄化させあっぴゃっぴゃー!エンド!(ちゅどーん!)
ギャグに振り切ったお話だったね……。
でもこの隠しエンドの真骨頂は、陽明さんが春ちゃん(むじな様)に告白するシーンだと思います。
春ちゃん、むじな様まとめて好きなんです!と伝えた後の、春ちゃん、むじな様ともども照れるシーンのあの可愛さな!!
本当に可愛い。

全てを把握したからこその春ちゃんの狂気の行動の裏の姿、むじな様の存在、
こうした心の声が楽しめたのも、暴露モードの良さの一つでした。

〇春ちゃん(むじな様)VS李花子さん
上記で色んなヒロインの暴露モードの良さについて語りましたが、
暴露モードで一番大好きなシーンを挙げるとしたら、ぶっちぎりでこのシーン。
3週目暗黒√の『5月18日Qかみに答えよ』でBADエンドを選んでの結末暴露モード。
陽明さんがくくられてしまいBADENDの後の顛末を描いたシーン。
BADEND26ですね。
いやもうこのシーン、李花子さんの陽明さんが好きすぎるのと、むじな様の可愛さが極まっててめちゃくちゃ面白いんですよ。
好きすぎてシーン抜粋を下に記載。(長くなってしまいました)
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春「つちぐも殿。これで約定が叶いますな?」
李花子「……ええ」
春「……どうなされた。悲願の成就が眼前じゃぞ?なにゆえ浮かぬ顔をなさる」
李花子「……わたくしは。とんでもない。大うつけです。」
春「はあ?」
李花子「わたくしは。あの御方とともに。幸せな地獄を。作りたかったのに。
先祖代々の衝動に突き動かされ。目先の餌に。食いついてしまった。
つい……『これが最後と思わずに』また幾度でも。をちもどられると。勘違いをして。
陽明様を……裏切ってしまった……!」
春「……何だか知らんが、悪党どののむくろは我がいただきますぞ」
李花子「……え?」春「え?」
李花子「え。どーなさるのです」
春「どうもこうも喰らって産みなおすしかありますまいが」
李花子「──いやいやいやいや」
春「なんじゃ、つちぐも殿も女神でございましょう。こういう時は泣きぬれて次の子を産みまくるが必定というもの」
李花子「め。め。女神がすべてそうとは限らぬでしょう!わたくしは恨み滅ぼすもの。怨念の道をひとりのお方と歩むもの!」
春「なんじゃ、面倒な神であらすのう。どうにせよ悪党どのは亡くなったのじゃ。もうどうにもならぬ。むくろを我へ。」
李花子「いやです!」春「……なにぃ~?」
李花子「陽明さまはわたくしのものです!!むじな様には渡しません!!」
春「なっ……何を仰せになるか!!悪党どのは我がものじゃ!我が目前で悪を名乗られし不敬のとがは死してなお我がもとであがなうべきに候えば!」
(約:死してその後は一緒にいたいです)
李花子「むじな様!!なんだかんだ言ってあなた様も陽明様に惚れておいでなのでしょう!」
春「ななななな何を仰せじゃ!!」(照れむじな様めっちゃ可愛い)
李花子「隠しても無駄です!!あなたは既に女の顔をされている!!」
春「べべべ別にあのえげつない腹黒さにグラっと来てなどおらぬ!洞穴で一晩中なでなでされたいなども思っておらぬ!」(心の声駄々洩れ春ちゃん)
 「さらにアンドロイドちっくにロボットダンスを、ええええい!春のやつめ、いらんことを言うでない!!」
李花子「べったべたでは!ございませんか!」
春「~~~~~だから何だというのじゃ!悪党どのは死んだ!!これはもう覆らぬ!!」
 「我はあの御方を産みまするぞ!たっぷり慈しみ育て上げ、ゆくゆくは千里を統べるかみの申し子として──」
李花子「駄目です!!陽明さまは!!わたくしと!!永遠にふしだらな行為にふけるのです!!」
春「ならばやってみませい!!さすがのつちぐも殿でも、しびとは黄泉返らせられまいて!!それとも根の国にでも赴かれるか!?残念じゃがあそこは今は黒い御方の──」
※ちなみにここの黒い御方は、エクストラシナリオの電車の話であったクトゥルフのあれでしょうね
李花子「──そんなことは。いたしません」春「ほ?」
李花子「さらばです!むじな様!(飛び降り)」
馬宮「なあああああああ!?」めー子「じさつ!?」
春「しまったああああ!その手があったあああああ!!」(かみさまボイス)
そして、そのゆめは強制終了した
────────────────────────────────────

以上回想でしたが、いや書いてる今でも面白すぎて笑ってしまいます……ww
2000年のつちぐも復活の悲願が達成できそうなところで、うっかり陽明さん殺しちゃって、陽明さまは渡さない!復活の悲願?そんなの関係ねーーーー!むじな様に渡すくらいならやり直すわ!(飛び降り)ってこんなの面白すぎる……www
李花子さんの陽明さん好きすぎか?と、春ちゃんのむじな様可愛すぎない?が詰まったシーンでもうめちゃくちゃ大好きなんですよね……。
いや、この黒幕の待望の願いをけってまで、春ちゃんにとられるのが嫌で、やり直すんですよ。暴露モードヒントコーナーで『史上空前の間抜け黒幕』ってもう面白すぎる
またその後に李花子さんの『本作は李花子と陽明さまの壮大なちちくりあい』発言にさらに笑うし、李花子さん面白すぎました。
いやレイジングループって陽明さんのハーレムを描いたお話なのでは……??
殺人鬼に神様に愛されすぎなのでは……??
(なお国がほろびかけたりする模様)

これ以外にも、李花子さんと千枝実ちゃんが主人公を取り合って痴話げんかする暴露モードも面白くて必見なものでした。

以上が暴露モードで好きだった点です。
暴露モードがここまで面白いものだとは、思いもしませんでした。
さらにここまで物語が楽しめるとは……。


〇総評
以上、私がレイジングループで楽しかった部分の感想でした。
本当に楽しい数日間だった……あっという間だった……。
ノベルゲームの読む手が止まらんくなる面白さとはこのことかと堪能しました。
他作品を挙げるのはあれでしたが、去年にもしやっていたら、ぶっちぎりトップにしていた、十三機兵防衛圏に並ぶ勢いでトップレベルに面白かったです。
それくらいハマりました。

公式が発売している、完全読解本も買ったので、この後じっくり読みながら堪能したいと思います。

ありがとうございました。