「このバックセットでは、スタッフとキャストの垣根をなくしていきます」芝居を舞台にした、社会人主人公だからのシナリオと萌えゲーとてのバランスが絶妙。こんな素晴らしい作品は埋もれずもっと評価されて欲しい。同時にうもれてる理由もわかる。そんな作品。本当に楽しく、同時に悶えました
2008年より発売された『BackStage』
ブランドはHOOK系列のTJR。
よくこの作品は、埋もれた良作(名作)と検索すると上位に来る
というイメージだった。
ストーリーの説明も、社会人を主人公として、素人やいろんな方面から集まった集団で
来るべき本番に備え、公演を成功させようという
あまり見かけない珍しい話。
プレイ前はどのような作品かイメージしにくい作品。
結論から言うと、ここ最近プレイした萌えゲーの中ではトップに出るほど楽しめた。
中古の値段も格安で、わたしはぜひおすすめします。
シナリオ・萌え(イチャラブ)・演劇(芝居)の小ネタ・エロシーンが本当に高水準 で
社会人主人公だからこそのシナリオと、萌えゲーとしてのバランスが絶妙だった。
正直埋もれて欲しくないぐらい面白くて、でも埋もれる理由もあとで冷静になると
いろいろ出てくるそんな作品。
こういった点から、
前半は
・良かった点(ネタバレ薄め)
・気になった点(ネタバレ薄め)
後半はネタバレ全開で
・各ルートの感想
・総評
・お気に入りの名言集
で感想を書いていきます。
①良かった点
(1)シナリオ面
社会人主人公と各ヒロインからなる現実的な成長物語であり、
芝居を通して描かれるヒロインたちの心の変化の面
この作品の一番特徴的なのは、芝居ということより、社会人という設定で描かれたことだったと思う。
芝居による心情の変化や成長がテーマとなるけれど、
社会人ということもあり、プロとアマチュアのプライド、年齢、お金の問題と話の背景(テーマ)は
学園物と違ってシビア。
芝居や俳優という世界は限られた人しか成功することができず、
そんな中でもがく、仲間に関わりながら成長、変化していく物語。
だからこそ心の葛藤だったりは、よりリアリティがあるものでった。
どうしてうまくいかないのか、どうして自分は恵まれていないのか
自分の方が意識は高いのに、なぜ周りばかりが成功するのか
好きなことと仕事、現実と夢
こういった厳しい現実を真正面から捉えた作品だった。
特におるごぅる氏が書かれたルートはより顕著だったと思える。
ただし、その分序盤は主人公の葛藤がメインになるため、最初から主人公かっこいいとなる
爽快な話ではない。
ただ、この序盤の葛藤も、私にはリアリティに感じられるもので、好きだった。
人によっては、この序盤の主人公にはイライラしそうだなと感じた。
しかし、序盤の葛藤があるからこそ、後半の個別ルートにおける主人公の説得力が増し、
より魅力的に感じるストーリーであったと思う。
ある意味ここでの、主人公の成長をよく描けていたのが良かった。
テーマはシビアだけれど、だからこそ仲間の暖かさや、芝居に対する熱意をより強く感じることが
できた作品でとても面白かった。
(2)萌え(イチャラブ)
(1)でいうと、現実的な面として、けっこうお堅い作品かなと思いきや。
いや、なんのその、悶えまくった。
特におるごぅる氏による「ゆとりん」の天然デレと「アリス」のツンデレルートが本当に可愛くて悶え死にます。
本当にギャップから描く一面が可愛かった。
恋人になったあとの甘甘空間はめちゃくちゃすごかった。
本当にバカップルっぷりは、ライターがノリノリで書いたことが感じられて、
こっちもニヤニヤが止まらない。
正直イチャラブのニヤニヤ目当てで買われても損はないと思う。
萌えゲーとしても、とても秀逸だった。
(3)芝居(演劇)の小ネタを挟んだテキストと多くの名言
テキストに関して、読みやすいし面白い。
その一因として、シナリオライター(特にはね氏)が、芝居等の知識が豊富で、時々小ネタや
考え方について織り交ぜて展開されたことだったと思う。
例えば、「ダンスの源流はバレエでバレエがダンスの共通言語」だったり、
「観客は台本を持ってあなたを観ているわけではない。
あなたの演技が、観客にとっての台本になるんだって」
といった自論が織り交ぜられていく。
決してこれらも説教ぶったりするような書き方ではなく、自然と入り込むような書かれ方がされており
読んでいるこちら側でも「なるほど・・」と思わせるテキストだった。
別の作品を出してあれだけども、インレ作品を手がけるこよーて氏のようなテキストだったな
と思う。(こっちのほうが新しいけど)
こういった博識あるライターによるテキストは、本当に読んでて面白い。
(4)萌えゲーだけど抜けるエロシーンテキスト
正直、萌えゲーってあまり自分は抜けないことが多いです。
ただ、このBackStageのエロシーン、本当にエロい。
特におるごぅる氏の手がけた「アリス」と「ゆとり」のエロシーンは
ライターが本当にふざけry ノリノリで書いたのが感じられて、
淫語なども織り交ぜて、めちゃエロいです。
どのようにエロいかと言われると、難しいのですが、抜けました。
社会人だからこそのお互いを求め合う姿だったり、
そういった点もあったのかもしれません。
萌えゲーで抜けるエロシーンテキストって貴重です。
②気になった点
(1)予算不足を感じられる演出面
多くの方がきっと上げているだろう理由、演出面本当にこれが惜しい。
設定としては、芝居が主な大事な点なのに、
肝心の芝居シーンがテキストしかない。立ち絵がない。
地味な背景を元に、テキストだけで物語が展開されていく。
せっかく芝居による成長だったり変化を描いているのに、
こういった演出で力を入れないのは、エロゲの強みを生かしていないと感じる。
正直この部分では、ただの小説と同じであった。
ラノベだったりの方が挿絵がある分、まだマシだったかもしれない。
また、立ち絵に関しても、立ち絵差分が少なかったりする。
2008年作品とはいえ、もう少し頑張って欲しかった。
既プレイの方が、「今のHOOKでリメイクしてほしい」
と言っていたが、本当にそう感じる。
もし、エロゲならではの演出面が良かったら、90点以上はつけていた。
それほど、テキストは素晴らしく、逆にエロゲならではの姿を見せて欲しかった。
演出面による盛り上がりと説得力はより大事だと痛感させられた。
(2)名言がさらっと流される点
演出に関連してかもしれませんが。
この作品、どんどん出てくる名言だったり、小ネタが本当に秀逸。
ただし、その名言が立ち絵の差分が少ないゆえか、演出があまりないゆえか。
さらっと流されることもあり、注意深く読まないと、読み逃してしまいそうになることが
多々ありました。
そういう意味では、もう少し緩急つけたテキストというか、
ここを読ませたいのだという演出なりをしてくれたらよかったかなと感じる。
ただ、その分本当になるほどとさせられるテキストでは良かったので、
良くも悪くも、テキストは秀逸なゲームだと感じさせられる。
以上より、テキストが本当に素晴らしくて楽しかった。
その分、演出といった面での粗が見える、エロゲならではの作品に仕上げて欲しかったという感想。
中古で1000円程度でこの面白さなら、とてもおすすめできます。
もし社会人シナリオで、萌えゲーがなされたいと思うかた、どうでしょうか。
おすすめです。
以下に各ルートの感想をネタバレありで述べていきます。
(1)共通ルート
共通ルートは、一言で言うなら主人公の葛藤と成長。
確かに主人公がgdgdするが、それは決して他人事ではなく、リアリティのあるもので
私自身は印象的に残り、そこまで苦痛には感じなかった。
序盤での主人公の心情の1シーン。
> 「無事に専門学校を卒業して・・・それから結局何もできていない自分。
夢だけは消えずに、何も変わらない、変えられない。
この怒りは・・・自分への怒りだ。
今までなにをしてきた。
この数年間、無駄にしてきたのではないか?
もうこんな年齢になって・・・
・・・いや、大丈夫だ。
まだ大丈夫だ、弱気になるな。
・・・
・・・・何もしていないと、いつもこうだ。
本当は怖いのだ。
もしかしてオレは、その他大勢の一人なんじゃないだろうか・・・
そう考え始めると怖くて仕方がない。
なにかしよう。
夢が夢のままになってしまいそうで、夢を見られない。
俺は大丈夫。俺は大丈夫。」
あまりにも悲痛であまりにも現実的なセリフで今でも印象的な1シーン。
こうした、ある意味ありふれた人間としての主人公が
過去のスターであった水鏡先輩によって、誘われて。
素人集団である「バックセット」によって、でかい舞台に挑戦する。
また、このバックセットでは、今までの集団とは違い、
「スタッフとキャストの垣根をなくす」というものだった。
主人公にとって、スタッフとキャストの溝はあるもので、
演出家は絶対的存在であるのが当たり前だった。(ある意味プロ意識)
こうした常識から覆していくことで、主人公の心の変化を促していったと思う。
また、作中での心の変化も印象的であった。
今までプロの意識で頑張っていたのに。
その中で特に顕著なのが「ゆとり」の存在で、
特に苦労をしてない(と思いこんでる)のに、成功しているゆとりが
仕事の都合で、こっちの練習に参加できないことへの苛立ちは
こっちにも真に迫って伝わってくるものだった。
>上山さんはいいさ これが終わったって次の仕事があるから
けれど、俺にはこれしかないんだ。
>いざ芝居となれば俺のほうが上手いのに!
仕事仕事仕事!
俺だって、仕事があればやってるさ!!
傍から見てると醜い嫉妬なのだけれど。
私自身は主人公に対して、苛立ちは覚えなかった。
本気で頑張っているのにうまくいかないヤキモキ感は親近感のある内容だった。
それに、水鏡さんの、諭す姿など、彼女の存在がとても大きかった。
そして、もう一つの印象的なシーンは、主人公が自分の姿に気づいて謝るシーン。
> 「何も出来ていません」
「俺は、何もできてませんでした」
「みなさん。すいませんでした」
自分が上手いと思い込みたかった、みんなを下にしたかった、
自分はお前らと違うとずっと思い込んでいた。
プロに嫉妬して、後輩には先輩風を吹かして。
みんなは、仲間だと思ってくれたのに、俺だけが認めなかった。
確かに醜い嫉妬が始まりだったかもしれないけれど。
気づいて、しっかり周りに謝れる主人公の姿はとてもかっこよかった。
水鏡先輩と主人公の関係が、ただの信頼関係じゃなくて。
お互い知り合っているからこその、ぶつかり合いだったり。
この関係が本当に好きで。
また共通部分での主人公の成長は本当に良かった。
この成長があったからこそ、主人公の個別に入った時の説得力だったり
かっこよさが大きくなったのだと思う。
その後は第一公演が終わって、特訓に入り、第二公演を終えたところで、個別ルート。
その間の特訓は、動物になりきるものだったり、喜怒哀楽の表現だったり、
性別逆転だったり、こういうものに縁がなかった自分にとっては面白かった。
また、
役者には二つのタイプがある。
地を出すことより、役になりきることを中心に芝居を作るタイプ。
自分が役になるのではなく、役を自分に近づけるタイプ。
これは、その後の個別ルートに関しても重要になるところで、上手だと感じました。
ただ、やはり第一公演も第二公園も、テキストだけで進む(もしくはカット)ため、そこが惜しいと感じる。
もし、ここで演出がしっかりなされていれば、より特訓の成果なども感じられただろうし、
エロゲならではの魅せ方が欲しかったところ。
※以下は個別ルートの感想になります。
個別ルートの感想では、前半にキャラの感想、後半に内容の感想を書きます。
(2)沙織
さおりんすごい元気っ子で、こっちも見てて楽しかった。
はぶしってよくこけるし、現実的な話が描かれる中で、後輩の元気パワーによって
明るく進んでいったのもこの子のおかげだったと思う。
またエロシーンがとても特殊だったなぁ・・まさかのどMプレイ。
主人公が受身になりやすい中で、唯一主人公が責めになりやすかった、
引っ張っていけたキャラだったと思う。
楽しいキャラでした。
話の内容に関しては、「恋愛と芝居(仕事)」
を真っ直ぐに描いていたと思う。
役者バカだからこそ、舞台では他の人に恋をする姿に我慢できなくて。
嫉妬しちゃう姿は、まだ高校生の後輩ならでは。
本音でぶつかり合う姿だったりもけっこう好きです。
あいらぶゆー!ごーふぁいと!
イチャラブをもう少ししたかったなぁと思いつつ。
高校生がヒロインらしいシナリオで良かったです。
「私には、やりたいことがあるから、だからここでやめます」
(後輩の名前だったり、ガラスの仮面ネタ多いですね・・・個人的には好きです)
(3)安美
彼女まさかのいじられたい人向けMルート。
私自身がMなのもあって、すごい私得だったのですが、
彼女自身のHシーンだったりは人を選びそうな印象。
ただ、こうやって、母性本能くすぐり系社会人主人公は大好物で、
ヒロインに「かわいいなぁ本当にミッチーはっ」って言われるたびに
ニヤニヤしてました。
「あとでお仕置きな」っていう場面だったり、こういう尻に敷かれる展開、大好物です。
エロシーンだったりも、主人公がトイレに入っているときに乱入だったり。
普通はヒロインがトイレで乱入ならわかるけど、まさかの逆パターンは笑いましたww
でもその後に加える安美さんマジかっこいい。
それに足コキだったりも、けっこう罵るタイプで興奮しました。
改めて、M向けヒロインだったと痛感します。
それと変わって、話の内容は一番シビアであったと感じた。
ダンサーを目指す安美は、年齢や将来のことを考え、悩む。
でもダンスを仕事にするには、努力してもどうにもならないとわかるから。
ただし、題目で大きな役をもらえたら、自分は変われるかもしれないと。
その役は絶対なれないと主人公は知りつつ、応援してしまう矛盾。
役をゆずろうとまで考えてしまい、完全に自分の目標を見失ってしまった主人公。
本当に迷走しまくりなルートだったと感じる。
ある意味社会人シナリオならではであり、一番人を選ぶルートだったなと感じる。
ただ、この迷走っぷりも身近にあることで、より親近感が沸く話だった。
>安美「そろそろいい歳だしさ。無駄にはしたくないんだ、金も時間も。」
夢を見続けるのは、夢を諦めることより、難しいことではない
自分のやりたい物から目を逸らして諦めることのほうが、
ずっと辛くて難しい。
主人公「好きだから、好きな人だから・・夢を諦めてほしくないんじゃないですか
俺の嫁はダンサーだって。」
後半のこのセリフは本当に残酷で、でも未来を与える印象的なシーンです。
こう言われたら、安美さんも、諦めれるわけがないです。
好きなものだからこそ、目指すことの難しさであり。
でも最後に選択するのは、自分自身がどれだけそれが好きなのか。
一番大人な話でもあり、夢のある話だったと感じます。
(4)アリス
ビバ☆ツンデレ!
そしてエロシーンは16センチ。無理ィィィィィィ。
エロシーンの印象がでかすぎです。
ただエロシーンはなかなかにエロく、イチャラブも面白くて、笑いました。
ここはおるごぅる氏さすが。
本当に楽しかった。
嫉妬だったりも良かったし、恋愛ごっこを言い訳に始まる恋愛ってツンデレとほんと相性いい。
話の内容は正直あまり覚えてない・・・(すいません)
ただ、死んでしまったという芝居だったり、芝居って便利な道具だなと感じる。(否定してるわけではない)
芝居という小道具によって、話を展開させたりできて、こう言う意味では上手だったかなと。
声優になるのは、自分が嫌だったからで。
そんな彼女が自分をすきになるために、誰かにアリスではなく私自身を伝えたいがために。
だから私はいまここにいる。
彼女がどうしてバックセットに入ったのか。彼女自身も変わろうとしていたという話でした。
彼女のルートの水鏡先輩のセリフ。
根性論は嫌いじゃない、でも自論がある
努力は、才能を超える───
という言葉が印象的。
努力によって、変わることができる、そう思わせてくれるルートでした。
(5)ゆとりんルート
悶え死にました。マウスを何回も叩きつけました。
ゆとり猫可愛すぎです。飼いたい。
天然→デレって変化って、あまり見ないんですが、ここまで強烈だったとは。
棒読み天然から恥ずかしがる様子だったり。
今まで恥ずかしくないことが、急に恥ずかしがるシーンはめっちゃ良かった。
またエロシーンにおいても、おにんにんだったり、嫉妬する姿だったり。
猫耳ゆとりんのHシーンにはやられました。
一番彼女がエロかった。
それと、彼女の私服の青い紐で、胸を強調させる服好きです。
(ヘスティア様を思い出させる)
また、話の内容としては、一番インパクトがあった。
というのも、やっぱりあの何回も殺されかけるシーン()
正直彼女のルートは、実は、あの天然は演技だったという予想だったのですが、
外れました()
彼女はいつも周りが言ってくれた分、感情が不器用でわからなくて。
いざ行動しようにも、どうすればいいかわからなかったゆとりん。
そんな彼女は主人公と出会い、恋という感情を知っていくというお話。
恵まれた環境であるゆとりんだからこそのお話であったと思う。
今までで演出が惜しいと述べていたが、
彼女のルートに限っては、台本の涙で恋の「?」を滲ますという演出は好きです。
> 彼女の落涙で溶けた『?』と、
その横に残された、赤く小さな一文字
『千歳百歳に唯一度、たった一度の恋だのに』
俺は姫川圖書の助として、そして諸橋光明として、強く願う。
彼女の書き記したその一文字が、いつまでも、いつまでも・・・・
二人の胸の奥に、有り続けますように───
また、主人公自身も恋愛に溺れてしまい、役者になりきることができないという話も印象的。
ゆとりの場合は、地のキャラで、役を自分に近づけることができるから、
恋愛と役を両立できる、ある意味自然体のタイプ。
主人公の場合は、役を演じることで、自分を役に近づけるタイプのため、
恋愛と役が両立できないタイプ。
こういった葛藤も新鮮だった。
>どうしてバックセットに入ったかはわからない
でも、自分が今どうして『ここ」にいるのかはわかります
今の私には、ここがすごく大切で・・・だから守っていきたい
今まで、言われるがままだった彼女の、自分から守りたいものを見つけた
そうした心の変化を描いたルートでした。
──あなたは、どんな人ですか?
私は、こんな人です
(6)水鏡先輩
大人ロリ!
いい年上ロリでした。
彼女は他ルートでは本当に完璧だっただけに、
主人公の前だけに見せる姿のギャップには本当にやられた。
自分自身が年上スキーなだけに
「コーメイ。そう年上をからかうもんじゃない」
と赤面顔になりながら、つぶやくシーンには本当に悶えた。
また、京香さんの
コーメイ「いわゆる話に混ざりたいんですね?」
京香「・・・・そうとも言う。」
というシーンもめっちゃ大好きです。不器用だなぁと。
彼女のお話は、主に「沙織との姉妹の絆」と「演劇への新しい挑戦」
だったと思う。
ただ、京香ルートに関しては、正直違和感があったのもある。
なぜなら、他ルートでは、完璧で、主人公の迷走ですら計算通りの完璧主義だったのに、
さおりんとの葛藤では、彼女も人間だったと言われても、少し説得力がなかったかなと
ただ、その後の沙織との仲直りのシーンは好きだった。
褒めて認めてやることが足りなくて。彼女自身の弱点である家族という一因から見せる
このシーンは、より彼女が人間であること、より親近感が沸くシーンだった。
>あなたに最高と言われて身に余る光栄
だから私も頑張るわ。どうか見ていて
その後の芝居への話は、集大成といった感じ。
特に最後の言葉で頷いていくシーンは好きです。
> 我が精鋭たちよ
この先には更なる困難が待ち受けています
恐れてください
そして、乗り超えてください
実力をすべて、出し切ってください。
この日のために私たちはやってきました
そして誰もが、その先を見ているでしょう。
明日を乗り越えることが、未来へ繋がります。
夢、目標、欲望、望み、何でも構いません。
それがみなさん自身です
我、望むゆえに我あり
望みは、人それぞれだ
人は誰でも表現したがっている
見せたい、聞かせたい、味わい、感じさせたい・・・・
それが、描くこと、語ること、作ること、演じることへと繋がる。
それは、自分がそこに生きていることを実感し、実感させること
すなわち
生きるということ
水鏡先輩がバックセットで何をしたかったのか、
そして主人公はどう変化して舞台に立つのか、
を考えさせてくれたお話でした。
ただ、彼女自身がどうしてコーメイを好きになったのか、それを軽く一文
「自分が諦めた役者を目指し続ける姿があったから」と流してしまうにはあまりにも軽すぎた。
もう少し、彼女自身の過去だったりに重点をおいてくれれば、
彼女とコーメイの関係が見られただけに、残念だった。
・総評
こうした、現実的なシビアなテーマと、萌えゲーとしてのイチャラブを絶妙なバランスで描く作品
はなかなか見ないものであった。
それを見事に描ききったBackStageは本当に楽しかった。
テキスト一つ一つも、なるほどと思わせる内容だったり、
個性的な仲間をうまく動かして魅せる展開は楽しかった。
萌えゲー(イチャラブ)って、時たま個人ルートに入ると、それ以外のキャラが消えることがある。
ただ、今作品に関しては、テーマ性が見えてくると同時に、本当に各キャラの特性が
うまく活用されていたことが面白かったのだと思う。(ルートで各キャラのブレは正直あったけど)
正直埋もれてしまっているには勿体無いテキストだと思う。
それと同時に、演出面が足りなく、どうしても地味な印象を持ってしまう作品として、
埋もれてしまった理由もなんとなく感じる面がある。
ぜひ、演出面を強化してリメイクしてもらえれば、素晴らしい作品になるのではないかと感じる。
もっと評価されて欲しい。
また、最後に帰結する、天守物語という一面ではあるけれど、
ルートによって魅せる最後の芝居が変わってくるという趣向はとてもよくできていた。
ゆとりルートであった、主人公の言葉。
「誰がやっても、個性的な富姫になりそうだ。」
というセリフはまさにその通りで。
ヒロインたちが、富姫を目指そうとする姿は、彼女たちに変化を与えるもので。
そして、それは芝居自体にも変化を与えるもので。
そういう意味では、序盤は主人公の成長としたけれど、
後半の個別ルートでは、ヒロインたちの、芝居に打ち込むことへの変化の物語であったと感じる。
芝居(演劇)という設定は他ではなかなか見ないがために、新鮮なゲームだった。
やっぱりもっと評価されて欲しい。
以下は名言集&豆知識集でも(個人的な備忘録です)
・芝居は心中するしかない
それが嫌なら、やはり、皆で何とかしなければならない。(共通)
・水鏡「これだけは言っておく
私は、あなたが本気であることを、疑ったことがない」(ブレない京香さんほんと素敵でした)
・プロの仕事をなんで稽古場でやらないんだ(二宮アリスのラジオCDを聞いて)
・そうだな、これは舞台じゃない。ただの遊びだ。
けれど、ただの遊びを、真剣にやった。
馬鹿みたいに真剣にやった。(共通、落ち込んだあとのダンスにて)
・「レベルも何もかもバラバラのメンバーなんだから
同じラインから始められるわけがなかったでしょう!
先輩にわからないはずが無い!!」(京香への葛藤)
・京香「では一つ聞きたいのだけど、あなたのレベルはどの程度?」
安美「いや、高いだろ」(共通、上の葛藤後)
・「一面的に捉えるな」
「人間は見ようと思うものしか見れない。
だから一つでも多くの物事を見ようと思いなさい」(共通 第一公演後)
・ダンサーは細身で小柄な人が多い、しかしそのほとんどが見えない部分を鍛え抜いた連中なのだ
・信頼できる人間には仕事が集まる。それは必然。(京香さんの一言)
・『自分はこうやるから、相手役はここでこうして欲しい』なんていうのは最悪のパターン。
どうせやるなら、相手役のリアクションも引き出してこその俳優だよ
・「舞台だと、黙って話を聞くのが一番難しいって言うからな」
・ステージに立つのはある意味で露出趣味ですから、マゾヒズムが含まれます(京香)
(まぁ確かに・・?)
・コーメイ「優れている役者とは?」
京香「理想は即興劇。常に自分の中で、何を表現するのかを考えられる人
演出家の意図通りに芝居をするのは、役者としての最低ラインでしかない」
・安美「そーかい?チビよかマシだと思うぜ?」
公子「・・・・そうね。多分、どっちもないものねだりなんですよ」
ゆとり「大変ですよねー」
安美「・・・うふふ(脚よこせ)」
公子「・・・あはは(乳くれ)」
・「あいらぶゆー!ごーふぁいと!」(さおりんルートにて 可愛い)
・「16センチは無理ィィィィィィ」(アリスルートにて、ほんと笑う)
・「彼氏は山で遭難して行方不明です」
いつもおっぱいで遭難してるのは事実ですが(ゆとりんルート)
・「不安だったので、おにんにんにも名前書いておきましたー」(どうやって書いたのか謎)
・「おにんにん、私の中では今年の流行語大賞に選ばれそうな勢いです・・・」
(ゆとりんルートのおにんにん推し好きです)
・オマンマンセンターネッ(シン)
(このキャラもっと出て欲しかったなぁ)
・「私は、あなたが思っている以上にあなたに甘えているよ」(京香)
・「よし、よし。」(京香)
(やっぱりバックステージの一番好きなセリフはこれですね。)
一番好きなヒロインは水鏡先輩です! ありがとうございました。