全体的に満足できたかというとそういうわけでもなくて、けれどもメインとなる回想編およびミルカママテキストの破壊力は圧倒的。つたない語彙力でありながら息子への愛情が溢れ出るテキストは素晴らしい。
夢幻へん及び、マナ・シエ以外の個別ルートはどこかしら家族愛をテーマにしているものの、やはりおまけ感が拭えない。
それだけ回想編の本筋となる流れが良かったということでもあり、すべてをそこに絞った作品作りというのが見てみたかった思いもある。
言ってしまえば、エロゲ向きな作品ではないのかな、とも思いました。
エロゲとして描かれるは愛であり、けれども本作で強く主張してるのは情。
蓋を開けてみればエロゲの体をなすためのエッチは情ではしてないわけだし、エロゲのエロが必要だったかといえば疑問。
けれどもこのようなADV形式だとやっぱりエロゲの方が売れるから仕方ないのかもしれない。
ともあれ、このように惜しいという気持ちを抱くほどに回想編のミルカママ視点でのテキストが素晴らしかったのだ。
自分も語彙力ないので上手く表せませんが、とにかく愛情が伝わってくる。
涙が出てくるぐらい、母の深い愛が心に響く。
うーん。 やっぱ回想編ならいくらでも読み進められたと思うしもっと母の愛を読みたかったなぁ……。
加えて、母から目を背けてきた主人公にももんもんしたし、ちゃんと向き合ってからの親孝行の様子なんかももっと見たかった。
個別キャラ増やすのならもっと! もっと母の出番増やして! と思ってしまう自分も完全にマザコンになってしまったようだ(白目)
たしかにこれは、人を狂わせるだけの魅力持った作品だ……。
全体的な出来としては80以上付ける気にはならなかったけど、途中で泣いちゃったしなぁ……。瞬間的な感動が強すぎる。
というわけでこれくらいに落ち着きました。