終盤の伏線回収は上手いと思ったが、問題は主人公を受け入れられるかどうか。わりと最後の最後まで言動が屑ってて苛々が強かった。
だいたいは桐崎さんが抱くイライラに共感。
主人公はいじめられていて可哀想なやつかとおもいきや、わりとそれが納得できるぐらいのどうしようもない思考回路だと思いました。
一番信じられなかったのは桐崎さんと妹ちゃんのどちらかしか助けられないと分かった時です。
どうしようもないと分かって主人公がなにをしたかっていうと、問題を先延ばしにしてただふたりに会話をさせてあげること。
いや、リセットしたら記憶消えるしその光景を見てるあなたの自己満なだけでは……。
それで最終的にボロが出て、桐崎さんを不安にさせて絶望を抱かせながら殺す始末。
急にわざわざ真相を打ち明けたのは「妹のため」と言っているけれども死んでしまう桐崎さんのことを全く考えないで、今後少しでも楽になりたいからって逃げているだけだよねこの主人公。
代わりに生き残るのだから「桐崎さんを犠牲にした」と妹ちゃんに負担させてもしょうがないし、あそこは桐崎さんに納得してもらうことを考えずに絶望させないべきでしょうに。
主人公が青島に立ち向かったり、最後の最後で緊迫した場面を作るために仕方のないことなのかもしれませんが、それにしてもあの対応はおかしかった。
いや、おかしいのは良いのだけれどもあの行動はもっと糾弾されるべきだった。
最後に妹が気づいてくれたおかげで桐崎さんも救い出せましたが主人公がうだうだ自己満の世界に浸らずにちゃんとやることやっていれば時間に余裕あったよねこれ……。
途中までは霧崎さんが主人公にいろいろ言ってくれたのがスパイスになって良かったですがよ途中から弱々しくなって、その間違いを言う人がいなくなってしまったのが致命的。
屑なキャラクターがいるのは別に良いのですが、それを責める人がいないことと、主人公という主観で展開されるのはやはり苦しい物がある。
けれども、絵柄はすごく好きだしなにより終盤の伏線回収はなかなか良かったと思ったのも事実。
問題はやはりキャラクターかなー……。
水橋さんとかとももっと絡みがあったり、部長も話に関わってくると良かったんだけれども……その他不良も含めてキャラクターを活かしきれていない印象が強かったです。
ストーリーメインでキャラクターを立てるのは大事ですが、作品の人気に起因するのって大半はキャラクターだと思うので、キャラクターの扱いさえ良くなればもっと面白く思えたのかな……という感想です。