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meroronさんの祝姫の長文感想

ユーザー
meroron
ゲーム
祝姫
ブランド
EXNOA(DMM GAMES)
得点
86
参照数
2057

一言コメント

体験版で不安だったが予想より大幅に楽しめた。体験版部分が終わると一気に惹き込まれる人は自分だけじゃないはずだ。作品のテイストとしてはひぐらしや彼岸花に近く、最も遠いのはローズガンズデイズであろう。ともあれ本作最大の見所はやはり多彩な演技をする4ヒロインの声優陣である。赤﨑さん、プリドカットさん、大坪さん、本多さんのファンであれば間違いなく買いな作品であると強くオススメしたい。

長文感想

シナリオの方は「ああ~、竜さんだな~」って感じですぐにピンとくるぐらいには竜騎士節が炸裂しているのだが、
ひぐらしの竜宮レナを演じる中原麻衣さんのように彼の作品はかなり演技映えする。

私的にはそういう役者の大舞台としての土台を作ってくれるだけでシナリオとしては充分だと思っているぐらいであり、
ここまで様々な演技を引き出してくれたことには感謝しかない。

それほどまでに、この祝姫は演技ゲーとして強く推したい。
(とはいえ全く不満がないわけではないのだが)


自分はノベル作品単体としては過去の竜騎士作品でローズガンズデイズが最高傑作だと思っているタチであるし、
漫画版を含めるとうみねこは物凄い傑作だったと思う人間であるから、テイストが異なる祝姫がめっちゃ好きというわけではない。

逆に祝姫をプレイして前半~中盤が好きだという人には是非ローズガンズデイズや漫画版を含めたうみねこを一読してほしいところだ。


話が逸れたが、本作はやはりひぐらしと彼岸花の色が強い。
おそらく過去作を全てプレイした人であれば「あー、なるほどー」と思う部分はあると思うが、これは語りすぎるとどちらのネタバレにもなるのでこれ以上は伏せておこう。


さて、祝姫の良さを少しかいつまんで話すと、やはりヒロインの魅力であろう。
それもメインの黒神十重ちゃんだけではなく、他の3ヒロインの魅力も合ってキャラが立っている。
買う前は十重ちゃん一強なのかと思っていただけに、これは嬉しい誤算だった。

そして全員良い演技するんですよね。
大坪さんは叫び声がちょっと装甲悪鬼の銀星号嬢のようになってしまったり、本多さんも安定しない部分があったり、赤崎さんは某キャラクターを意識させられすぎてしまったのかなと思う所があったりして、完全に満足ではないのだけれども良かった。

「ああ、この人こういう演技もできるんだ」「ここまで良い演技する人なのかという」という新たな発見もあり、全く飽きない。
テキストや展開のテンポも良いし、退屈な時間というのはあまりないんじゃなかろうか。

今思えば、一番退屈に感じたのは体験版部分だったかもしれない。
それを過ぎると仰天するような展開が訪れ、一気にプレイしてしまった。

こういう引き込みの力はやっぱり竜騎士さんならではの得意技だと思う。


最も残念なのはBGMかもしれない。
決して悪くはないんだけど過去の07th作品に比べるとどうしても劣る。
曲名を覚えるぐらいの曲はなかったかな……ってところですね。
それだけ07th系のBGMが良すぎるだけなのですがどうしても比べてしまいます。


とりあえずネタバレ避けて頑張って書いたので興味持った方いたら如何でしょうか。
本当は途中の展開についてとかキャラについてとか、もっといろいろ思う所あって書きたいのだけれども、ここではネタバレなしの感想投稿でもっと知って欲しかったのでこれまでとします。



※追記
結構思うことあったりまた演技聴きたいと思って2周目するぐらいには好きっぽいので83→86に