本作での主張は、ピンと来ない人にとっては全く来ないだろう。自分は言うところの「楽園」以外の楽園もあると思うし、そうやって生きている。けれどもこのような議論を発起させる作品としてはとても良いものだと思った。本作だけで完結するのではなく、その先を考えるのが大事なのかなと。
自己完結する二次元愛や属性からくるキャラ愛って全然持ったことないので、最初は「何を言ってるんだ」となりました。
そもそも作品のキャラというのは作り手から始まるキャラを介した一種のコミュニケーション媒介だと思うので、本作の主張には違和感を覚えています。
そこで作られたキャラを”利用”して、自己内だけで完結するなら確かにそれは本作でいうところの”楽園”なんでしょうけど、やはり自分は作者から込められた意図やキャラクターの造形を作品描写内から読み解きたい人間なので、自己完結では終わりたくない。
そこには”属性”などというテンプレ的なものもないし、属性という大枠を考える余地もない。
ひたすらいちキャラクターの思考、造形、生い立ちを読み解き、同じリアルな人間として読み解こうとする。
こういう読み方、特に女性の方が多いんじゃないかと思うし”楽園”は女性にはあまり当てはまらない主張な気もします。
みらキスはその自己完結を楽園だと形容するが、自分はやはりそうだと思わない。
理解しようと、読み解こうとして考え続けることこそが、解釈の楽しみでありそれこそが楽園なのではないかと思う。