おじさん構文学入門…?
【プレイ時期】
2022年11/12月
【グラフィック】3/5
しろさんのイラストが最大の特徴とも言える本作。シンフォニック=レインが好きで、なおかつそのイラストでキャラゲーが楽しみたい!という方にはオススメです。
個人的には、まだシンフォニック=レインをやってないため、そこまで思い入れはなかったかな…
【サウンド】BGM 3/5 ボーカル 2/5
BGMについては、特段印象に残らず。全体的な曲数の少なさと、「心拍数上昇」が浮いているように感じたのがマイナスポイントでしょうか。
ボーカルはOPの一曲のみ。せめてEDテーマは欲しかったです…
そのOPも、作品の雰囲気には合っていましたが、これといって心にくるものではありませんでした。
【システム】3/5
日付が変わる時と、選択肢があるたびに既読スキップが停止するため、絶妙にイライラする仕様でした。慣れればどうにかなる程度ですが…
他は問題なかったですよ!
【シナリオ】50/80
<共通> 7/10
進学校の高校3年生の夏休みという、ノベルゲームとしてはなかなか珍しい期間のシナリオでした。
個人的には、精神的に追い込まれていたあの頃を思い出すので、割と勘弁してほしい期間です笑
とはいえ、イベントは最低限書かれていましたし、勉強漬けじゃなくて良かったです。
団長委員長美夏とのコンビはきっと楽しいんだろうなと思わせるものでした。
<秋> 8.5/14
うーん…?
なんか、すごくハイライトだけ見てる気分でした…。1日が短いので、すごくダイジェストに感じました。それが良い方に作用していれば良いのですが、ここまでは微妙。
秋も、後輩の体育会系文学少女となかなかレアなキャラクターでしたが、文学については図書館で会う口実くらいにしかなっていなかったのは残念でした。主人公は主人公で、エロスイッチが入った途端AV男優みたいな口振りになるし。
両想いがわかった途端、とても女性らしさが強まっていく秋は、ある意味でリアリティが。あの頃いきなり変わったように感じたあの子も、きっとこういうことだったのですね…笑
<蘭> 4/14
なんか、物凄いものを見た気がします…
もちろん、悪い意味でです。
公式サイトのプロフィールは「よわよわ委員長」だったわけですよ。
実際共通パートまではその通りだったとは思いますけれど、個別に入った途端豹変しすぎではないですかね…。
腹に溜め込んでたものはあったにせよ、伏線はほぼない中での豹変には、戦慄しました。
蘭も主人公も情緒不安定すぎて、ついていけませんでした。
個性のある話を求めている人には、おススメできるかもしれません?
<美夏> 10/14
ザ・悪友ポジションの女の子。
この立ち位置から恋愛に移る模様は、良いものですね。内面は女子力高いのも、あるあるでしょう。
とはいえ、全体的な描写不足は相変わらず。題材が良いため及第点は与えられますが、際立ってよかったとも言えない出来なのが残念です。
<つぐみ> 10.5/14
実妹です。その手の趣向の方は大歓喜のルートじゃないでしょうか。
自分はロリコンの傾向はないのでそこまででしたが、作品比では心情も書けていたと思いますし、良かったです。
相変わらず流されるがままの主人公でしたが、それでも苦悩して答えを出したことには評価してあげたいですね。
つぐみに関しても、経緯はともあれ成長が感じられて良かったと思います。いつか来る、両親との修羅場が怖いところですが…笑
<橘花> 10/14
堂々のセンターヒロイン。
従兄弟同士で、子供の頃から繋がりがあるというつよつよな関係。羨ましいですね。
ただ、主人公よ。いくらなんでもその関係の進め方はないだろうよ…
たまたま橘花が許してくれただけで、通常はただの犯罪であることを意識してほしいですね。
橘花が実は主人公を好きなのはプレイヤー視点ではバレバレですが、それを押し殺すトリックは想像よりとても小さかったです。子供の頃の怒りなんてそんなものかもしれませんが…もう少し壮大でも良かったと思います。
【総評】61/100→5点刻みのため、60点とします。
全体的に主人公の独善的な思考が目立ってしまった本作。ヒロインと感情を共有し合うというよりは、一方的に押し付けるか、もしくは流されるがままに関係を結んでしまって後から後悔するのがお決まりのパターンになってしまっていたのが残念でした。
しろ絵を18禁で堪能できるゲームは非常に少ないので、そういった方には強くお勧めできます。逆に、普通のキャラゲーとしては、そこまでお勧めできないですね。
もっと心情描写を丁寧に、また常識的に行えていればより良作になったと思うだけに、もったいない作品でした。