道化師のソネット(さだまさし)
【プレイ時期】
2024年3月〜6月
【グラフィック】 5/5
可愛い。めっちゃ可愛い。各キャラとも魅力的で、合わないイラストが無かったのはとても良かったです。CGになるとやや顔にブレがあるものもありましたが、補って余りある完成度だったと思います。
【サウンド】 BGM 4/5 ボーカル 4/5
BGMは、特筆するほどでもないですが場面にあった曲が揃っており、バランスに優れていました。
ボーカルは、OPがタイトル画面で流れるので強く印象に残っています。EDはEDテーマとしてしか流れないので、また聴き直したいと思います。
【システム】 5/5
最近のゲームでは大半についているのかもしれませんが、ボイス登録が嬉しかったです。ワードセンスに優れた作品だけに、この機能は必須でした。
腹パンBANBAN!胃潰瘍パーンチ!とかヘクチン!とかすごい好きです。
また、場面ごとに振り返れるのもGOOD。どんどん採用してほしい機能です。
【シナリオ】 68/80
<共通>10/10
結愛攻略編、煌奮闘編までを共通とします。
めっちゃくちゃ楽しい共通ルートでした。
基本同じ場面は一度しか読まない人間なのですが、本作はボイス込みで2回読み返すほど。最大級の賛辞です。
関係性、会話全てが100点。共通ルートに関しては、今までプレイしたゲームの中でもNo.1と言って良いレベルでした。
煌奮闘編は、その名の通り煌の奮闘も光りますが、焚き付けられたとは言え宮子の告白も響きました。短い中に、これほどの思いが詰まった言葉。美しい告白でした。
結愛攻略編は、ミスコンを通じて結愛に愛を気付かせる話。ラスボス様の割にはちゃんと感じてくれて良かったというか。作中でもシリアス度の高い部分なので、よくできていたと思います。
<レイラ> 1.8/3
元気いっぱい留学娘なレイラちゃん。
純真なイメージで、とても良いキャラでしたが…
サブヒロインとはいえ、あの終わり方はどうもね。まあ、あの先にハッピーエンドがあるとも思えないので納得はいくのですが、レイラを可愛く見せることには失敗していたかなと。というかキャラ崩壊に近かったですし。
実際にあんなえろえろキャラがいたら、凪青くんみたいになるのも納得ではありますが。
別ヒロインルートでの友人としての活躍に期待します。
→他ルートやったら、上のような片鱗が少し出てて怖かったよ…魔性の女レイラさん…笑
<精華> 2.5/3
銀髪低身長なお嬢様キャラ、もう…ちゅき!
と凪青くんみたいな反応をしたところで、ルートとしてはレイラとどっこいの文量でした。やはり唐突な感は否めませんが、補ってあまりあるほどのえちえちなシチュエーションに完敗しました。
高飛車な割に意外とフレンドリーなレズさんに襲われたら、抗う術などあるわけないよね。完全にブタちゃんとは仲違いしてしまったオチですが、案外いいコンビで幸せになるんじゃないかな、と思ったりしました。
可愛いキャラなので、出番たくさんあると嬉しいな。
<なごみ> 1.3/2
夢オチ。完。
短いながらも個別のシナリオを作ってくれたことは感謝です。こういう遊び心というか、配慮のあるメーカーは応援したくなるよね。
→全ルートを終えて、耀さんとの関係に一定の結末も見られなかったのは残念でした。また、OPで見守ってますみたいなシルエットで出た割には、個別ルートや付き合う過程のサポートもなく、キャラとしての存在意義が薄くなってしまっていたのも悲しい点でした。ギャグキャラにするには惜しいだけに…
<瑠那> 1.4/2
結愛にフラれ、瑠衣ともくっつかなかった世界線としては案外可能性は0じゃないのか…?と思わせただけで意義のあるルート。万が一上手くいったら、瑠衣はどんな反応するんですかね…笑
<宮子> 13.5/15
野良猫みゃ〜こ。
凪青くんへの愛は1番強かったりしない…?メインヒロインじゃなくて大丈夫?
なんて思うほど、(直接的ではないけど)凪青くんへの愛のあるヒロインでした。凪青くんとの頭の悪い会話も、関係性がよく伝わってきて愛らしいものでした。結愛もそうですが、この頭の悪い会話を楽しめるかが、本作のポイントじゃないでしょうか。恋愛0キロメートルの時は、顔芸と勢いでとにかく笑わせる感じでしたが、本作は関係性とキャラの魅力や言葉遣いでじわじわと笑わせてくる感じ。個人的には、こちらの方が大好きです。
花火シーンも美しかったですね。「ずっとこのままでいいなんて思ってない」という告白へのアンサーとして「ずっとこのままがいい」。
総じて高クオリティなルートでした。
<瑠衣> 11/15
毒舌コスプレ面倒見良いお姉ちゃん。あれ、属性盛りすぎ?
キャラクターとしてはかなり好みです。完成されていると言うか、すごく良いバランスで成り立っているキャラだなと。不快にならない、かつ好感を抱かせるラインです。
ただ、個別ルートはあまり刺さらなかったです。主人公を好きになるのもやや早急に感じ(現実はそんなもんとか言わないで)、結愛との株価が急騰するほど(結愛談)の仲直りも割とすんなりいったなあと感じました。
恋愛0キロメートルの感想において、全体的な個別ルートを「クソシリアス」と評しただけに難しいところですが、瑠衣ルートはもう少し山が欲しかったのが本音です。塩梅を見つけるのが難しいのは重々承知ですが…
上述の通りキャラは好きなので、甘々なFDにも期待です。
ちなみに、この作品を象徴する一言は瑠衣の「ク〜〜〜ズ❤️」です。他のヒロインも、似たようなところあるよね。
<煌> 12/15
ホワホワタコ焼き留学ハーフ娘。
ホワッ⁉︎が徐々に色んな人に浸透していくのが最高でした。
本作で一番、主人公にストレートな好意をぶつけてくれるキャラ。この枠で宮子をどう扱うかは難しいところだけれど。
付き合う時の煌には結愛同様やや引いたところはありましたが、それくらいしないとラスボスには勝てないという覚悟もあってのことだと感じました。面前で下半身公開はどうかと思うけど。
その後は、割と後日談寄りになっていたのが残念というか。緊迫した場面はすでに終わり、あとはイチャラブを楽しんでね!って感じでした。本作全部そんな感じなのかな?と結愛ルートを残して気づき始める。
ラスボスとの戦いも楽しみです。
<結愛> 14.5/15
ラスボス結愛ちゃん。
なかなかファンキーな性格ですが、本作の雰囲気は彼女によって創り上げられたものといって概ね間違いないでしょう。
ほんと、反射でのみ会話してるような、頭の悪い感じが大好きでした。これを書けるライターさんすげえやと感じました。
愛を毛嫌いしつつ、誰よりも愛を求めていた、と言えなくもない結愛。
本人的には、宮子と凪青くんをくっつけられなかったのでやや不満かと思いきや、思った以上に甘々な個別が堪能できて満足度が非常に高かったですね。付き合っても独特の愛情の見せ方なのはご愛嬌。
とにかく可愛く面白いルートでした。
【総評】 86/100→5点刻みにするため、85点とします。
心の底から、「やって良かった!」と叫んでます。恋愛0キロメートルは合いませんでしたが、やはりライターが違うと全く異なる作品になるなと感じた次第です。
煌と結愛がメイン…と見せかけて、結局全員が魅力的で平等に強キャラでした。ここまでみんな欠かせない作品というのも珍しい。個別に入っても、賑やかなまま話が進んでいくのが最高でした。
折角なので、皆様の感想を読んで思ったことも少しだけ。
1)フタマタが薄い
→ホワルバやスクイズ(未プレイなので印象のみですが)、メモオフ 2ndと比べると生ぬるいのは間違いないとは思います。ただ、そもそもそれを書こうとしてなかったであろうことは間違いなく、その中でできる最上位に近い作品になっていたと思います。
どちらかと言えば、ガッチガチの二股系を期待してしまうようなタイトルやマーケティング面の失敗だと思いました。
2)主人公がクソすぎる
→字面を追えば、まあクソなんですが。
とはいえ、宮子との初体験で自分がクズであることを自覚し、これ以上壊れないだろう結愛に惹かれるのはあながち悪くない選択というか。ほら、収まるべきところってあるじゃん。
主人公の性格は、共通最後の煌との場面、
煌「(今の顔)真顔でしょ。」
に尽きると思います。道化を演じてるだけで、そして流れるままに過ごしているだけで、かなり真面目な性格だと思いますよ。
ASa Projectは、次作のコイバナ恋愛も評判が良いですし、メインライターが八日なのかさんである限り新作買いすることを決めました。願わくば、今後もいい作品を…
ほなまた!