引退を表明した後に復帰する人、個人的に大っ嫌いなんですよね。
【プレイ時期】2022/9、10月
【グラフィック】5/5
さすがU35さん。圧倒的な透明感から繰り広げられる美麗なイラストには、感嘆させられるほどです。特に、英は難しいキャラだったと思いますが、特徴を目で見て掴めるようになっており、素晴らしかったと思います。
【サウンド】BGM 4/5 ボーカル 4/5
BGMについては、雰囲気を壊すようなものもないが、かといって特段印象に残る曲もなかった印象です。BGMが主張しすぎるのも考えものなので、その意味ではしっかりバックグラウンドを支えていたとも言えます。
ボーカルについては、キャラソンがあったのが何より嬉しかったです。T-wave以来ですかね。だいぶ廃れてきている文化だと目にしたこともありますが、キャラの心情を美しく描けるものでもあると思うので、これからも導入してほしいですね。個人的には、優梨子さん挿入歌のlong for youがお気に入りです。
【システム】4/5
特に不満はなし。プレイする上で特段問題となるようなこともなく、普通に遊べるシステムでした。
【シナリオ】51/80
<共通(第三章まで)> 6/10
一言で言えば、普通と言ったところです。極めて面白いわけでもなく、つまらないわけでもなく。無難な面白さでした。
鷹也の死について…という割には話が軽く進んでいってしまった印象はあります。重苦しいのか軽く楽しいのか、振り切れなかったのかなあ、と思います。
<春玉(チュンユー)> 7/10
春玉、最高の女やで…
少々無鉄砲というか、猪突猛進なきらいはあるけれど、いつまでもウジウジして先に進めない状況の主人公には、これ以上ない女性だったと思います。
…の割に、点数がさほど高くないのは…まあ、そういうことです。
一言で言えば、薄味。
盛り上げるポイントはたくさんあったと思うんです。酒杯。優梨子さんプロデュース。実家のこと。鷹也の元カノさん。
どれもあっさり終わってしまってしまい、なんとも微妙な感じになっちゃったなあ、と。
話としては悪くないけれど、あまり記憶に残らないタイプのシナリオでした。
<優梨子> 6/10
上に書いたことを繰り返しますが、キャラはいいんです、キャラは。
現役アイドル。休業中。ソロデビューに向け邁進。実は幼馴染。
とっても盛り上がりそうな要素満載ですね。
でも、そのどれもがあっさり終わってしまう。というか、こちらの予想通りに話が進んでいくので、意外性がない。この一言に尽きると思います。
ちなみに、伏線回収RTAでもやってんのかってくらいのスピードでスキャンダル発生したのは笑いました。いくらなんでもタイミング良すぎだよね…
<陽詩> 4/10
シンプルにつまらなかったなぁ、と。
話を作る上で必要だったとは思いますが、ちはやにキレるまではともかく、風評被害を作るのはいくらなんでも頭沸いてるんかと思いました。
それで「お付きクビになった、ぴえん」とか言われても、当たり前やろとしか思えず。
その後、降って沸いたようにストーカー問題が起きましたが、これも中身の割に引き伸ばしすぎて薄味でした。犯人はただの狂人だったし…ゆびきりのアイツに比べたら、なんとも特徴のない狂い方でしたが。
最後の家族会議だけは良かったです。どうしようもない父親であることがよく分かりました。
<英> 15/20
作品比では、ここまでで1番良いルートだったと思います。
シンプルにキャラ設定が強いですよね。ツンツンダウナー少女。まあ、感情が目に見えて変わらないだけで、結構感情豊かなのだろうとは思いますが。
シナリオとしては、ついにタイトルの星天が関わってきましたね。綺麗な部屋でした。
ただ、北條家の面々はちはやを除いてやべぇ奴揃いなのはいかがなものか。普通に犯罪者ですよね。政治家だからって許されないラインはあると思います。
とまあ、不快要素もないわけではありませんでしたが、英が可愛いので満足できました。
ちはやが目覚めるのもわかる気がします。エプロン姿の英は破壊力抜群でしたしね。
シナリオゲーとして期待しなければ、満足いくと思います。
<ちはや> 13/20
ここまでの愛をずっと示し続けてくれる人、大切にしないわけにはいきませんね。
幼馴染というのはもちろんとしても、愛情をここまで長く見せてくれているキャラクターというのは少ないと思います。報われてよかったなあ。
ただ、シナリオとしては何を見せたかったのか。ちはやの独り立ち。星天の部屋。英との絆。旧宅リノベーション。
どこか、見せたい部分がぼやけてしまった印象はあります。
パケ絵からしても、英とちはやが本作の中心であることは間違いないので、もっと盛り上げられたら尚良かったのになあと思います。
【総評】68/100→5点刻みにするため、65点とします。
まずは一言言わせてください。
シリーズ最終作とはなんだったんですか?
続いてくれて嬉しい気持ちがなかったとは言いませんが、しかし前作を最終作として販売した以上、続けるのはどうかと思いました。一応新しいシリーズということなのですが、OPムービーからも明らかに繋がりがありますし、信もいるし、今までと何が違ったのか分かりませんでした。
そして、さらに続けるということは、今までのメモオフの評判を地に落とす可能性すらあったということです。
残念ながら、私は本作にそこまでの覚悟は感じられませんでした。もちろん個人の意見ですが。
昨今のノベルゲームを取り巻く環境からしても、完全新作よりはある程度売り上げの見込めるシリーズで、となったのかなぁと邪推していますが、これなら完全新作で覚悟を見たかったですね。
ここまで自分比ではかなりの批判を書きましたが、それでもメモオフには感謝しています。ノベルゲームにのめり込んだのは、このシリーズからなので。
ここで新たにシリーズを始めたのであれば、本作で終わることなく、更なる名作を制作すること。それが、シリーズを始めた責任だと思います。
次回作も買うつもりではいるので、ここで終わらず、手のひらを返させてくれるような作品を出してくれることを、いつまでも待っています。