期待しすぎたかな。共通ルートの勢いを、個別ルートで完全に消し去っているのは残念。
【プレイ時期】 2020年5.6月
【グラフィック】3/5
全体的に古さを感じてしまう絵ではある。そして、奇乳といっても差し支えないレベルの巨乳っぷりは好みが分かれそう。
【サウンド】BGM 4/5 ボーカル 3/5
BGMは、コミカルな作品らしくテンポとノリの良い音楽だった。
一方ボーカルは、4曲ある割には特に印象に残るような曲は無く。
【システム】3/5
9年前の作品とあり、今の作品と比べるとシステム面の貧弱さは目立っていた。できればフルスクリーンからでも一発で非表示にできる機能が欲しかったところ。また、バックログでボイスが消えるのも難点。
とはいえ、咲耶ルートでのとあるEDといい、遊び心のある演出はできていた。
【シナリオ】54/80
<共通> 9/10
非常にテンポ良く進み、快適に読み進めることができた。
頻繁に挟まれるギャグは全て面白いとまでは言わないものの、テンポを作り、読み手を楽しませるレベルに達しており、このメーカーの強みの一端が理解できた気がする。
<マヨ> 5/14
長女。
付き合うまでに関しては、読み進めるのが苦痛だった。
マヨ姉(と乃来亜)が自分達で勝手にラブレター書いたくせに、それに対してウジウジと苛立つってどうよ…主人公に心から同情したよ。京一くん何も悪いことしてないもの。
付き合った後は、主に生徒会の話だった。そもそもこの作品、なぜか4年生まで存在するんだが、果たして普通の高校なんだろうか…何の説明もなく進むのでよく分からなかったよ。
基本的にマヨ姉がいないときの方が会話のテンポもよく、マヨ姉の魅力はイマイチ伝わってこなかった。
<乃来亜> 9/14
四女。顔面にモザイク入ったヒロインなんて他にいるのかね…
乃来亜ルートの内容をまとめてしまうと、ホームビデオを撮ろう!のひとことで終わってしまう。そこを、乃来亜特有の笑いを作るセンスでうまく話を転がせていた印象。
ただ、このルートでもシリアスが入ってきて、あまり調和していなかったように感じる。もっとシリアスかギャグに振り切った方が面白くできるのではと感じた。
あと、マヨ姉はこのルートの方が遥かに頼りになったよ…
<華> 10/14
五女。ジャンルとしては素直になれない系ヒロインになるのか…?
付き合うまでから付き合った後の華の変化が楽しめた。
この作品の中ではシリアス度は低めで、素直になれない華を愛らしく感じられるかどうかがこのルートの分かれ目かと。
と言ってもやはりギャグのキレは落ち、凡と言わざるを得ない出来ではあったが。
<実咲> 12/14
三女。
ライター変わった…?と思うほど、これまでの個別ルートと異なりスラスラと読み進められた。
ギャグ・シリアス・話の展開、どこを取ってもバランスが良く、共通部分以来、久々に楽しく読むことができた。
姉妹の秘密や、そこから繋がる負けヒロインの描写といい、とにかく見せ方が上手だった印象。
明らかにこれまでのルートより完成度が高かった。
<咲耶> 9/14
次女。今どき見なくなった、金髪暴力ツンデレヒロイン。典型的な面倒くさいタイプのヒロインでしたね。
付き合うまでがとにかく面倒くさく、指輪のくだりは本当にマウスぶん投げそうになった(面倒くさすぎて)。京一くんって全体的に被害者だったよなあ、シナリオの。
付き合って以降は、咲耶が可愛い、ちゃんちゃん。で終わるくらい。
期待して最後に持ってきた割には、小さな話で終わってしまった印象。もう少しシナリオとして何か用意して欲しかったなぁ。
【総評】67/100→5点刻みのため、65点とします。
まず初めに一言。
…なぜ夕空くんは攻略対象じゃないんだっ‼︎
あんな可愛いキャラそういないぞ!
さて、本題に入りましょう。
作品を総括すると、共通までは良かった…の典型例ではないだろうか。
個人的には、個別に入ってからのシリアスは不要に感じてしまった。共通でのせっかくの楽しい空間づくりが、個別で台無しになっているのは悲しかった。
ああ、これが俗に言う「クソシリアス」かと納得した部分でもあるが。
共通や個別でもギャグはまずまずだっただけに、それを壊すようなシリアスが勿体なかった。
また、主人公が全体的に酷い。鈍感なのは仕方ないにしても、個別ルートでの情緒不安定っぷりは見ていられなかった。
初のASa Projectであり、どういう系統のブランドかは理解できた。
ただ、次があるかと聞かれたら…厳しいと言わざるを得ないだろう。
最近も作品を出しているし、近日10作目のサイトが公開されるようだが、おそらく買うことはないだろう。
もし縁があれば、次こそは楽しめますように。