これを超える作品に、次はいつ出会えるだろうか。
【プレイ時期】 2019年3月
【グラフィック】 5/5
べっかんこう さんは判子絵と揶揄されることも多いようだが、十分魅力的に描かれていたと思う。
CGは圧巻。素晴らしい世界観を、彩ってくれていた。
【音楽】BGM 5/5 ボーカル 5/5
BGMもCG同様、世界観の表現にとても貢献していた。
このBGMでなければ盛り上がらなかったかもしれないと思うほどにマッチしていた。
ボーカルも素晴らしい。
OP・ED・真のED・挿入歌とどれもこの作品を代表する曲となった。
特にOPのAsphodelusはこの後の展開を期待させ、EDの親愛なる世界へも、ティアの心情を歌った名曲だった。
【システム】 5/5
これが老舗メーカーか…と感嘆するほどに恵まれたシステム面。
これに文句つける人はいないでしょう。
【シナリオ】 79/80
<フィオネ> 10/10
物語の先陣を切る、黒羽との戦い。
最初ただの堅物であったフィオネの可愛らしい面が徐々に見えてきて、どんどん愛着が湧いていくルートだった。
黒羽との戦い自体も上手く書かれており、熱いながらにスラスラと読めた。
<エリス> 9/10
今作のヤンデレ枠(失礼)。
主人公カイムとエリスの過去が明らかになっていくルート。ストーリー自体は風錆との戦いでしたね。
戦い部分はとても熱かったが、エリスの病みに耐えられなかった部分があった。
ただ、こういう話が好みな人にとっては最高の展開だと思う。
<コレット&ラヴィリア> 10/10
今までは全て牢獄での話だったが、ここからは牢獄を出で一気に上層へあがった。
このルートは恋愛面は薄く感じてしまったが、ストーリーは完璧だった。
薄々勘付いていたとはいえ、崩落が聖女のせいではないと分かった時の突き落とされる感覚は圧巻だった。
また、このルートで欠かせないのは牢獄の癒し・メルトの死だろう。
私もとても悲しかったが、このことで、崩落は誰にでも起こり、作品としての甘えが無いことを印象づけられていた。とはいえやっぱり喪失感がすごい…
<リシア> 10/10
今度は王国編。
最初はただの子供でしかなかったリシアがあそこまで立派な王様になるなんて…お父さん涙が出そうです。
実際、ストーリーとしては王道で、相当レベルの高いルートだった。
戴冠式やヴァリアスなど、涙を流すこと間違いなし。
<ティア> 40/40
賛否両論あるようですが、あえて!満点を付けたい!
徐々に落ちていく主人公が悩むのは当然で、作品を通したテーマがしっかり貫かれていてとても好印象でした。
ラストも、悲しいけれどこれしか無かったと思っている。
むしろ、変なご都合なハッピーエンドじゃなくてよかった。楽園幻想まで含めて、考えさせられるストーリーだった。
これ以上は何をいっても蛇足になるのでやめておきます。
素晴らしい作品だった。
【総評】 99/100→5点刻みのため95点とします。
こんなに素晴らしいゲームをプレイできて感謝しかない。Augustさんありがとう。
これ以上の作品に出会えるのか少々不安でもある、そのレベル。
もしここまで読んでくれているプレイ済みの方がいれば、必ず読んでほしい感想(考察)が2つあります。
ストーリーの問題点を含めた考察をしているfeeさんと、神話の面から考察をしているgirlさんの感想です(girlさんの感想は新装版の方にあります)。
この作品が合わなかった人はどの部分が合わなかったか理解でき、楽しめた人はさらにこの世界観を深めることができるでしょう。
2つとも投票してあるので、私の名前をタップして「投票した感想」からも読めるようにしてあります。どうか、読んでみてください。