難解だが魅力的な世界観
本作のエンディング曲である「birthday eve」が非常に良かったため購入。自転車の事故をきっかけに「認識力学研究所」で協力者として疑似的な学校生活を送ることになった主人公が、同じ協力者との交流を経て彼らの、そして自身の能力と出自について知っていくというのが大雑把なシナリオである。本作では数学や物理の用語が何度か出てくるがさほど重要でない。むしろ認識論や肉体と精神といった哲学的テーマが本作の主題であり、この作品を難解たらしめている。シナリオライターの元長氏の独特な表現も相まってプレイ中の考察は必須であるが、全てのルートを終えた後に「birthday eve」を聴くと一種の神秘体験を味わうことができる。22年前とかなり昔の作品だが個人的にはかなり楽しめた。あえて欠点を挙げるとすれば、日常パートが非常に冗長。