ストーリーは一本道だが、しっかりとまとまっている良作。
ストーリーに関しては各章ごとに見どころがありテキストの良さも相まって楽しく読み進めることができました。特に3章は秀逸。
ただ、この作品がパッケージに書いてあるような「渋めのハードボイルド」になっているかは疑問。
正直、もっと銃撃戦とかあるのかなと思っていたけど、諜報家たちはそんなことせず話し合いで解決しちゃうらしいので、
ドンパチやる場面はほとんどなかったです。
キャラについてはヒロイン陣も悪役もしっかりとキャラが立っていて良かったし、
九朗も頭の回転が速く責任感もあり高級諜報家という存在の大きさを示すものだったと思います。
ただ、肝心の主人公の明人が周りの能力の高くアクの強い人間たちの中でやや平凡に映ってしまった気がします。
一応、射撃が得意ということでしたが、前述したように銃撃戦があまりなかったのでその腕前が活躍することがなかったのが残念でした。
全体的に面白かったのは確かですがテーマとストーリーには多少の誤差があったと思います。