良作。ヒロインたちとのイチャラブ感が最高。良い萌えゲーを作るには変に小細工をする必要はないのです。でも、伸び代はまだまだあった感じ。
非常にシンプルな萌えゲーでした。
設定は普通の学園物って感じでありきたりだし、ヒロインの性格なんかもテンプレなのにめちゃくちゃ面白かったです。
そんなテンプレ設定の中でも主人公は積極的にボケるタイプの主人公だったのでなんか新鮮でした。
基本的に主人公ってツッコミの役割に当てられることが多い(少なくとも私がプレイした中では)と思うんですけど、この作品の主人公はやたらとボケます。隙あらばボケます。たまに空気を読まずにボケます。
でも、そこが他の萌えゲーとの差異を生み出していたと思います。
それに決して不快な主人公ではなかったし、ヒロインや脇役キャラとの絡みも面白かったので安心してプレイできました。
ヒロイン達はというとこちらも不快なキャラはいなかったです。
理由としてはツンデレキャラというのが皆無であり、主人公に対する好感度が出会った地点で高いので、ほとんどデレてる状態だからですね。
そんな彼女たちは各√に入ると激デレモードに入るのですが、その個別ルートが非常に楽しい。
学校でも外でもイチャイチャするし、ヒロインは主人公を盲目的に愛している状態になるので、周りの人間に対しての優越感が物凄く心地よいです。
「俺はこんなに可愛い彼女がいるんだぜ?wwwwww彼女いないお前らざまあwwwwww」って感じです。
そんなヒロイン陣の中でも一番好きなのはみみみ先輩こと橘観美です。
しっかりしたクールなキャラクターですが、たまに見せる子供っぽい所作が可愛すぎる。
主人公に対して献身的過ぎるがゆえに取ってしまう変な行動も面白いし、今まで見てきたヒロインの中でも上位に入るくらい魅力的に感じました。
「朝から食パン咥えてずっと外で待機してたのに!!」は名言。
Hシーンもエロいし可愛くて満足でした。
次にシナリオについてですが、これは可もなく不可もなくってところでした。
というか、基本的に既視感ありまくりのテンプレ展開のものでした。
そんな中でも幼馴染の千歳のシナリオはなかなか見るべきところがあったと思います。
小さい頃に出会って恋をした主人公と年月を経てやっと再会できたというその切ない感情がよく表現されていたと思います。
千歳は本当に主人公のことが大好きなんだというその様子を窺い知ることができました。
千歳がヒロインの中で一番人気なのも頷けますね。
正直ちょっと感動してしまいました。
シナリオといえばこの作品にはハーレム√があります。
私自身はハーレム√は別に嫌いではないのでいいんですが、「全ヒロインを一斉に攻略するとか全然純愛じゃねーわ。クソがっ!」って思う人はこのルートに行かないようにしましょう。
攻略サイト見れば分かりますが、全ヒロインの好感度を高くして告白をスルーし続けて最終日を終えればこのルートに突入するみたいです。
このハーレム√ですが各ヒロインのルートよりもHシーンが濃く描かれています。
どうやらこのハーレム√のライターはおるごぅる氏らしいのですが(明確なソースなし)、さすがといったところでしょうか。それほど氏の作品をやってないですけど。
話が進むにつれてヒロインたちが快楽に堕ちていくそのさまが良かったです。
さて、シナリオの話はこれくらいにして、個人的に不満がある絵の方の話にいきたいと思います。
この作品には原画家が4人いるのですが、その割には絵に統一感があって良かったのでその点は評価できると思います。
しかし、立ち絵の方があまりよろしくない。個人的にはなんか変だと感じました。
みみみ先輩の立ち絵はいいんですけど、他のヒロインのそれぞれの顔の絵のパターンに違和感があり、顔の方向を変えるたびに全然違う顔になっているように見えました。
それでも一枚絵ではしっかり描けているので、立ち絵の方をもうちょっと頑張ってほしかったです。
ここには単純に私がその絵を好きではなかったっていう部分も多く含んでいると思いますが。
あとは、その他の部分についてさらっと触れていきます。
まずBGMですが、残念ながら特に耳に残る物はありませんでした。
HシーンのBGMは雰囲気を崩していなくて良かったかもしれません。
それと、EDが主題歌のアコースティックverみたいになっていましたけど、ED曲は用意できなかったんですかね?
まあ主題歌は嫌いではないのでいいんですけど。
システムに関しては、右クリックでメニューを出さなくてもいろいろできるのがいいですね。
「前の選択肢に戻る」も楽に使うことができるので、選択肢が多めのこの作品では快適にプレイできました。
久しぶりの学園物の萌えゲーでしたが、非常に満足しました。
テキストが読みやすいこともあってサクサク進めることができました。
シナリオがありきたりでもここまで楽しめるとは、「萌え」の力は偉大です。
ただ、もちろんシナリオも良いんだったらそれに越したことはないんですけどね。
あと、萌えゲーはたまにやるのが良いのだと思いました。
毎回甘いものばかり摂取しすぎると胸焼けしますしね。