前作の補完やアフターストーリーをしっかり描いているし、値段の割には内容がぎっしりあるので前作に比べて評価が高いのもうなずける。ただFDというよりは終末論へのつなぎという感じか。
この作品は、FD(ファンディスク)としての役割である前作の補完と伏線回収、
ヒロインたちのアフターストーリーを描くというところはしっかりこなしていると思います。
ただ、この作品でまた多くの謎が生まれているので純粋なFDとは呼べません。
シナリオはテキストが相変わらず面白いのでサクサクと読み進められましたし、
その内容もそれぞれのキャラクターが魅力的に描かれていて良かったです。
特に良かったのは杏子のルートでした。
この作品のシナリオライターである衣笠氏は「日常会話は面白いがシリアスは描けない」と言われているようですが、このルートを見る限りそんな風には思いませんでした。
海斗がどのようにして強くなったかという過去の部分が良くわかりましたし、杏子に対しての感情の変化も丁寧に描いていたと思います。
しかし、最後の方は少し駆け足で進んでいったように感じましたが…。
またヒロインに昇格した鏡花のルートに関しては、鏡花が意外と可愛く思えたので良かったと思います。
薫は萌ルートでは出番がありましたが、細かいところは次回作までおあずけって感じです。
その他のヒロインは基本的にアフターストーリーを描いていて、可もなく不可もなくといったシナリオでしたが、ツキのシナリオは結構良かったかなと思います。
あと、一番好きなアホの子・妙はFDでもやっぱり海斗にデレデレでしたが、
妙と亜希子の両方を妊娠させたルートは、この後どうなったんだ?と思わせるカオスな展開でした。
こういうのはFDならではといったところでしょうか。
他には1回のHシーンが前作より少し長くなった気がします。
FDといえばHシーンが多いというイメージでしたが、この作品もそれに倣ってHシーンは濃かったと思います。
だからといって主人公が輪姦されるシーンがあるのは流石に誰得って感じでした。
まあ言いたいのはこんなところです。
完結編である「暁の護衛 ~罪深き終末論~」がどのような作品になるかは分かりませんが、
それに向けての伏線が数多くあるのでFDとはいえ次回作をやるためにはクリアすることが必須な作品だと思います。
その点ではFDと呼べるかどうかは微妙な作品でしたが、前作をやって面白いと感じた人は是非やるべきだと思います。