〇ブ←畔美岬に最も当て嵌まる一文字でこの〇を埋めなさい。1:デ 2:ハ 3:モ 答え:(淳之介くん……)(淳之介くん……?)(淳之介くぅん……)(淳之介クン……♪)
ラ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
恥ずかしながらタイトル避けしていた今作、2の評判がすこぶる良いので乗るしかないこのビッグウェーブにとばかりに
今更ながら私も青藍島へと足を踏み入らせて頂きました。
なんかもう細かいこと考えず笑えればいいなという気持ちで手を出したのですが、まず掴みの奈々瀬で普通に心を持っていかれるという。
主人公の原点に関わる初恋の少女とかいう普通に真ヒロイン待ったなしの設定背負った娘を第一ヒロインに持ってくるっていうのは中々の冒険ですよね。
ビッチのフリした処女、ギャルのフリした良妻、キツい性格のフリした引っ込み思案、そして包容力と弱々しさを兼ね備えた絶妙な声とかいう
全身をギャップ萌えで武装した感のある奈々瀬。そんな娘が共通で稼いだヒロイン力をそのままにスタートダッシュを見事に駆け抜けていったものだから
奈々瀬ルート終了時にはこれ残り三人消化試合なんとちゃうかくらいの気持ちになったものです。
そんな私の予想を裏切り、2購入を決定づけた存在であるまさかまさかのダークホースの話は後に回すとして、
まずは私が今作で一番好きになった芸人さんの話をしたいと思います。
(淳之介くん…)
(淳之介くん……?)
――MAR Qualia――
(淳之介くぅん……)
(淳之介クン……♪)
「いぃ~まぁ~! あーなたぁ~のめのまえでぇ~! そんざいかんをぉ~……はなつっ! そのおんなはぁー――
ホトウオオオォォーリ、ミスァアアアアアクウィイィ!」
青藍島のリーサルウェポン、ドスケベ条例が生み出してしまった性愛と空気のオナニーモンスター。
狂気のエアーデブサイコパス、その名も畔美岬。
彼女に関わったが最期、妹の毒舌は鋭さを増し、SS一番の狂犬も「頭おかしいんじゃないのォ!?」と素に帰らざるを得なくなり、
そして我らが主人公橘淳之介君も常人には決して開くことの出来ない悟りを開いてしまう。
実際メルクオリアの発想は我々常人からしたら「詭弁を弄したなぁぁぁぁぁ――!!」以外の何物でもないのですが、
あそこまでやり切ってしまえば立派な狂気として成立しているので凡人の立場から突っ込みをいれるのは野暮というものでしょう。
ハハハッ、何これ? カノンがいっぱいだ! サブタイや戦闘中の言い回しから今作ライターがガンダム大好きっ子だというのは存分に伝わってきましたが、
一番ツボったパロネタは「さっきまでビッチだったものが辺り一面に転がる」でした。ウォーターサーバーとかモロにぶっ込んでくる暴挙。
文乃ちゃんがドスケベ条例をぶっ壊す鍵だとかいう話も文乃ちゃんには島の住民を狂わせるドスケベ細胞が宿っていて
この世に生まれたことが消えない罪系のWow Wow Hoo~♪ みたいな話になるのかと思っていましたが
手嶋辺りがくの字に折れ曲がったり建造おじいちゃんがドスケベ細胞に取り込まれて美岬「膣圧弾を出せ…!」みたいな
そういう展開にはなりませんでした。さっきから思いついたこと片っ端から喋ってます。文乃ォ! 逃げルルォ!!
空気+狂気。本来決して融合し得ない二つの要素を『私は存在感がないんだ 誰がなんと言おうと存在感がないんだ』と言わんばかりに
都合よくプレイヤーや淳之介君たちの視界から彼女を消し去る世界の意思。故に彼女の吐き出す言葉は全てがアンブッシュ。
まったくもってデタラメ塗れのキャラクターである。デブと言い張りながらデブでもなければモブと言い張りながらモブでもない。
しかし彼女は存在感がない。そういうことになっている。そして実際にその名目でSSの魔の手からも逃れられている。
使い古したビッチの膣のようにツッコミどころを探せばキリがないゲームであるが、それでも敢えて言おう。
お前のようなモブがいるか!!
山のような下ネタデブネタ空気ネタぼっちネタをぶっこんできた彼女ではあるが、一番お気に入りの漫才は
「ひとりさん」「ロンリーじゃないですけど!」「わたちゃんの持ちネタをパクるな」「持ちネタじゃないですけど!」のところ。
一人一人の個性を全力でぶつけ合いながら軽妙に繰り出されたこの掛け合いには一種の美しさすら感じる。このゲームの一番魅力的なところだと思う。
そういう意味ではふとりさんを弄り倒すことに性根の悪さを全力で注ぎこんだ感のある我らが妹には助演女優賞を送りたい。
この二人でコンビ組めば吉本だって目じゃないですよ。畔美岬、動きます。闇営業問題って結局どうなったのかよく分かってない私…。
さて、美岬ちゃんについて語るということで彼女のルートの如くバカみたいなテンションでごちゃごちゃと書き連ねてきましたが、
私がこのゲームで一番好きな『ヒロイン』は彼女ではないんです。だから最初に芸人さんの話と言いました。実際一番輝いてたのも本人のルートではなく…後述。
正直最初、その娘のことは一切眼中にありませんでした。性格も外見も声も全てがストライクゾーンから外れていました。そう思っていました。
その全てが塗り替えられていく。私は今作、『シナリオがいいゲーム』にA判定を付けました。好きになる要素が微塵も存在しない、
そう思っていた娘をこんなにも愛しく思えるようになったのは紛れもなくシナリオの力によるものです。
文乃ルートのごっちゃごちゃ具合とか正直今となってはどうでもいいです。
このルートの存在がある限りぬきたしには100点以外の点数を付けようがないし付けたいとも思いません。
良貨は悪貨を駆逐しました。泥を混ぜても濁らない純水を見ました。
ある意味美岬ルート以上に異彩を放っている内容だったとすら思います。
その空気感に則り、ここからは真面目モードで私がいかにして彼女に恋をしたかを語っていきたいと思います。
彼女の名は糺川礼。
紛うことなき、ヒナミルートの真ヒロインです。
~親友のルートで主人公に恋してしまったサブヒロインはどうすりゃいいですか~
マイノリティとマジョリティの対立をこれでもかとばかりに描いてきた『ぬきたし』。
風紀委員長という立場の下、声高にドスケベセックスを推奨し、非生産者をギロチンにかけるSSトップ3の一人。
橘淳之介や我々プレイヤーから見た糺川礼という少女は、自身が嫌悪するマジョリティ側の筆頭とも言える、倒すべき敵の象徴のような存在でありました。
しかしヒナミルートに突入し、彼女の知られざる一面が次々と露わになり、揺らいでいく淳之介君の認識。困惑するプレイヤー。
おかしい。今私はわたちゃんを墜とそうとしていた筈。なんでさっきから礼ちゃんばっかり出てくるんだ。
入隊して訓練して誉められて喜んでHして御宅訪問して髪下ろした私服姿の彼女を目の当たりにしてCGまで貰っちゃって
それ全部礼ちゃんって一体どういうことなのか。わたちゃんの霊圧が…消えた…?
>「ずいぶんと人気のようですね……SSのガイドは」
>「そうだな……一見するとガイドは性行為の対象外――安全圏にいるように見えるのに、頼めばハメられるというのがいいらしい」
>「なるほど……」
> その心理は分からないでもない。
> 攻略できないと思っていたヒロインにルートがあると無性に嬉しくなる――それと似た理屈だろう。
> 好きだったサブヒロインにファンディスクでルートができた時の、あの感覚にも近いのかもしれない。
まあルート内にこんな会話もある通り狙ってやってる訳ですが、
淳之介君の持ち出した事例とこのヒナミルートにて起こっていることには決定的な差異がありまして。
第一に私はヒナミルート入るまで礼ちゃんのことは好きでも何でもなかったこと。第二の問題が、にも関わらず礼ちゃんのことを好きになり始めていたこと。
そして致命的な第三の問題。
それでもこのルートは礼ルートではなく、どこまでいってもヒナミルートでしかないのだということ。
彼女は決して、橘淳之介にとってのヒロインにはなれないのだということ。
彼女にハンドガンをプレゼントされた時、多くのプレイヤーはその後に訪れる展開を察して目を伏せたことだと思います。
ただし私が想定していたのはもうちょっと淳之介君が強く覚悟を決めたパターンで、その結果完全に礼ちゃんは過去の女となり、
淳之介君もわたちゃん先輩という新たなパートナーと手を取り合いながら
本筋である文乃絡みの案件へと深く関わっていくのだろうなと、そんな風に思っていたのです。
ところがどっこい、裏切りの銃口が向けられ、決定的な対立を果たしてもなお、ヒナミルートは糺川礼という少女を切り捨てませんでした。
選ばれなかった者。日陰へと落ちていった者。メインヒロインになれなかった者。サブヒロイン。マイノリティ。
そんな存在に物語が寄り添い続けた結果、ヒナミルートは最も本筋から遠い物語となっています。
防人老人はフェードアウトし、手嶋は中ボスにすらなれずサクッと処理され、
グランドルートのヒロインを務める文乃ちゃんの存在感も限りなくモブに近いものになりました。
具体的に言うと、美岬ちゃんと仲良くなってしまいました。(限りなくモブに近いもの)
先に述べた美岬ちゃんが最も輝いていると感じたルートもこのヒナミルートになります。『ぬきたし』のギャグ要素と言えば
誰もが真っ先に淫語絡みのバカエロ方面を思い浮かべるかと思いますが、存在感を貪欲に追い求める個性の捕食者と化したこのルートの美岬ちゃんは
迷走に次ぐ迷走で口を開く度に私の頬を歪ませにかかるお笑いプレデターでした。特に『カウントダウン』以降の破壊力が凄まじいです。
唐突に付けられた謎の語尾、触れてはいけないあの人扱い、からの逆ギレ、心配してくれたわたちゃんにも噛みついていく狂犬っぷり、
「怒るとそのアホ毛がみょんみょんしててかわいい! ずるい!」それ私も思ってた。シャア専用タコみたいな髪してんなと思ってた。
そんなかわいい泣き顔わたちゃんに尚も噛みついていくキレたナイフ、かみをバラバラにすべく動き出した妹、
「あああああぁぁ存在を抹消されちゃうミサアアアァァッ!!」そんな光景を遠巻きに眺める淳之介君。
気付いているか、君が守りたいと思ったその笑顔を生み出すために全力でヨゴレを買って出ている娘がいることを。
なおヒナミルートにおける淳之介君と美岬ちゃんの関係
>「そうですね……くふふっ……イ、インポ枠っ……くくくっ……!」
>「てめぇみたいなデブがいるからインポ差別が問題になってんだぞ……」
>「言うなアサちゃん……今回はそのおかげでSSに入れたんだから、むしろ感謝すべきだろう」
>「ま、まさに非性器雇用ってわけですねぶふぅっ……!」
> なんだこいつ……。
> なにせうちのメンバーと言えば――
> 野生少女のアサちゃん。
> ビッチの奈々瀬。
> 元気印のわたちゃん。
> なんか……畔。
>「ハッ……そ、そういえば……ヌフッ……橘さんはインポでしたねっ……それはできないわけです……」
>「………………」
> 文乃も増えたことだし、そろそろメンバーの再編でもしたほうがいいんだろうか。
>「いんぽ……?」
>「おや、ご存知無いですか? インポというのはまぁ、勃起不全のことですね。橘さんはおちんちんが硬くならないんですよふひっ……」
> 再編しよう。
こんな関係の二人が別の世界線じゃアナル、もといああなるんですからエロゲーは無限の可能性で満ちてますよね。
そんな個性の暴走車両が行き着いた果て。「むべべ! 橘さんだミサー!」「アナルが弱そうな人と一緒でした!」
「おいこら淳、アタシビッチなのだわぁーん!」「ギャーッ!? ほ、本物っ!!」文乃を食らい礼ちゃん奈々瀬の二人にまで喧嘩を売っていく全方位爆撃機。
最後の最後までフルスロットルで駆け抜けていったその生き様に私は敬意を表します。空気! 狂気! 美岬!
何の話してたんだっけ…。
>「私がかわいそうだろぉ!!」
可哀想。『ぬきたし』のテーマを表現するにあたって糺川礼に与えられた役割は『マイノリティでいることを諦めるしかなかった娘』でした。
アナザー奈々瀬と言いますか、マジョリティのフリをしながらのらりくらりと立ち回りつつ
心の中のマイノリティを守ることに成功していたのが奈々瀬であるなら、
逃げ切ることに失敗したというか、最初から逃げ道を塞がれていたのが礼ちゃんになります。父親の死。貧乏な家庭。守らなければいけない家族。
まあ『大きな不幸を背負った助けたくなるヒロイン』なんてPOVがある通りこういう悲惨な境遇の娘もそう珍しいものではないのですが、
大抵の場合そういう娘は自分のルートでそういう事実が明らかになって、でも最終的に主人公と結ばれてハッピーエンドになるじゃないですか。
ところが礼ちゃんの場合、この事実が明らかになるのは淳之介君と決別して心に深い傷を負った後のことであり、更にこのルートは彼女のものではないのです。
そんな状況で挟まれるこのモノローグ。
> 報われるわけがなかった。
> こんな私を好いてくれる人なんているわけがなかった。
> こんな私が、誰かを好きになっていいわけがなかった。
>「うっ……あぁ……うえええぇっ……!」
> 時折、冷静になるとどうしようもなく涙が溢れた。
> 何のためにこんな努力をしているのか。
> 隣に好きな人がいればよかった。その人のために頑張るような日々ならよかった。
> 性のことなんてからきし知らなかった私に恋人ができて、その人を喜ばせるために頑張って勉強をして、こんなことできっこないと羞恥心に頭を抱えて――
> そんな淡い体験ならばよかった。
> 普通の女の子みたいに、漫画で読んだ女の子みたいに、甘酸っぱい恋をしてみたかった。
> もう、叶わないことだけれど。
私が2購入を決意した瞬間である。
先の『私がかわいそうだろぉ!!』という初見では単なる堅物上司のあざといキャラ付けの一環にしか思えなかった台詞も、
このシーンを経た後だと本当に、彼女が心の底からずっと叫びたかった言葉だったのではないかと、そんな風に思うのです。
で、それだけ裸の心を曝け出した状態で発せられた言葉だというのを実感させられた後だと、
この一連の酔っ払いシーンの破壊力がとんでもないことになるっていう。
>「おぉい……たちばなぁ……」
>「臭い……? いま私のこと臭いって言ったのか……ひどい……ひどいじゃないかぁ……!」
>「なんだ、たちばなぁ……郁子にばかり構って……もっと私に構えぇ……」
>「たちばなが私を追い出そうとするうぅぅ――――――!!」
>「ヒナミ、ヒナミぃ……聞いてくれ……たちばなが私にいじわるをするんだぁ……」
>「なんだぁ……橘の所かぁ? お前たち最近よく一緒にいるなぁ……ぐすっ……私だけ……仲間はずれかぁ……?」
>「うるひゃいっ……私は風紀委員長だぞぉ……お前も、もっと私に優しくしろぉ……すぐ心配かけてぇ……」
>「じゅん、じゅんのすけぇ……お前は、本当に頑張ってるな……えらいなぁ……」
>「昨日はごめんなぁ……私が無理を言って、それで頭を撃たれて……痛かったろう……うっ、うぅ……」
>「じゅんのすけぇ……あんまり無理するなぁ……死んじゃやだぁ…………うあああぁぁ……!」
こんなこと言いながら淳之介君にもたれかかってうさぎのストラップ握り締めて寝ちゃうんですよ。くそ、ふざけやがって――
ストラップで思い出しましたが、ヒナミルートを語るにあたって重要な役割を果たした三つのアイテムについても言及しなければなりません。
ハンドガン、パイプ椅子、ストラップ。淳之介君と礼ちゃんの、礼ちゃんとわたちゃんの、そして三人の絆を描くために用いられた物語の名脇役たちです。
まずはハンドガン。決して味方に向けてはならないもの。礼ちゃんから淳之介君に与えられ、その淳之介君が礼ちゃんに向けたもの。
淳之介君が裏切ったときに礼ちゃんが撃てなかったもの。屋敷の戦いで淳之介君が礼ちゃんに向けなかったもの。
最後の最後でやっぱり、礼ちゃんが撃てなかったもの。
続けてひとつ飛ばしでストラップ。これの使い方は分かりやすいですね。礼ちゃんが付けて外してまた付けて。
淳之介君と礼ちゃんにストラップを渡す際、わたちゃんは二人に同じことを口にしています。『いつでも私がそばについてるって思ってくれていいからねっ!』。
わたちゃんがストラップに込めた想い。それは一種の『加護』と言い換えてもいいでしょう。わたちゃんは神仏ではありませんが、
天使のような心を持った娘です。自分のルートも彼氏も親友に貸し与えちゃうレベルで慈愛の心に満ちた少女です。
そんな娘の持ち物だからこそ、八百万の神とやらもまた彼女に力を貸してあげる気になったのではないでしょうか。
という訳で最後のアイテム、パイプ椅子です。『椅子の加護』とやらが宿った理屈を、とりあえず私は上記のように解釈しました。
なんか文乃ちゃんの眼にも豊玉の加護がどうとか言って秘密が込められてるかのような描写があった気がするんですが
文乃ルートで特に触れられませんでしたね。首尾はどうかおじいちゃんの目的も絶対文乃の眼絡みだと思っていたのに…
狙撃が外れるようになったのも眼の力を奪われたせいとかそんな感じだと思っていたのに…
でもパンチドランカーの伏線はさり気なくヒナミルートにあったりして…むべむべ…。
閑話休題。そんなこんなで不思議な力でわたちゃんのことを守り続けてくれたパイプ椅子さんですが、その椅子が本当に守っていたもの、
最後にその椅子に座った少女の姿を見た時、わたちゃんはずっとこの時のためにこの椅子を持ち続けていたんだなあと、
単なるロリの背伸び用小道具や茶番バトル用の武器として持たされていた訳じゃなかったんだな…と、胸のつかえが取れたような気持ちになったものです。
かなり前の方まで話が巻き戻りますが、私はヒナミルートを最も本筋から遠い物語であると評しました。『ぬきたし』の本筋、
即ちグランドルートのヒロインである少女、琴寄文乃。エロゲーにおいてグランド担当ヒロインというのは特別な存在です。
作品の核となる題材を扱い、ゲームの〆を担う者。
そういったヒロインが存在する場合、得てして作品評価=グランドルートの出来みたいな風潮が生まれがちです。
実際私も『DEARDROPS』のレビューでそんな感じのことを言いました。終わりよければ全て良し、逆もまた真なり。
その娘の前では他のヒロイン達はその他大勢として扱われ、言及もされない。見向きもされない。モブとして扱われる。
言ってみれば、琴寄文乃とは『ぬきたし』ヒロイン勢におけるマジョリティな訳です。一人なれど多数派。そんな彼女を、ヒナミルートは切り捨てました。
最終決戦前、淳之介君と仁浦の問答を抜粋してみましょう。
>「どんな方法を用いても、全員を救えるわけじゃない。仕方あるまい」
>「そうだ……仕方ない。
> どれほど手を尽くしても、誰も彼もが……全員が幸せになれるような方法なんて存在しない」
> そんな方法があれば、始めからこんなことにはなっていないのだ。
>「だからこそあなたは多くの人間にとっていいような――多数派に迎合する仕組みを作った。きっと、これからもそうするんだろう」
>「ああ。そうだろうな」
> 仮にその中から、俺のような一部の少数派を掬い上げて特別に保護しようとしても、必ず取りこぼしは出る。
> それも、避けようのないことだ。
>「あなたの言うことは間違ってない。政治家としては正しい選択なんだろう。
> だが、俺の仲間も、俺が助けたい人も――その多数派の中には含まれていない」
>「だから、私には従わない、と?」
>「はい」
>「数少ない仲間のためであれば、多くの人間が不幸になっても構わないと、そう言うんだな?」
>「……あなたの言うとおり、全員が全員納得のいく方法なんて――誰もが幸せになる方法なんて始めから存在しない」
>「誰かがつらい目に遭っていて、それが自分にとって大事な人ならば――俺は他の誰よりもその人を助けたい。それだけだ」
> 1000人の人が聞いていれば、999人が仁浦氏の主張が正しいと言うだろう。
> だけど、俺が守りたかったのは――俺に手を差し伸べてくれるたったひとりのその人で。
> 俺自身がそのひとりになることができればと――そう思うのだ。
この会話が行われた際のサブタイトルは『Choice』。見知らぬ大よりも大切な小を守るという道を選んだ橘淳之介。
自身のルート以外では例外なく悲惨な末路(こういう表現をすると惨殺されたみたいでアレですが)を迎えてしまう文乃ちゃんですが、
この会話は彼女がそうなってしまう理由の答え合わせみたいなところがありますね。糺川礼に与えられた役割が『敗北者』であるなら、
琴寄文乃は『犠牲者』です。文乃は強い女ですから、どんな目に遭っても彼女はそう言って笑うのですが、
個人的にはやっぱりそんな『強い女』でありきることが出来ずに嗚咽を漏らしてしまう娘の方が人間らしいと思ってしまいます。
でもそれやったらそれこそ礼ちゃんとだだ被りなんだよなあってとこまで含めて文乃ちゃんはシナリオの犠牲者…むべむべ…。
誰もが幸せになる方法なんてない。全てを救うことなどできない。最終決戦においても、この主張は繰り返されることになります。
淳之介君の選択の代償として片目を失った文乃。それでも彼女に背中を押され、とうとう辿り着いた『0に至る道』。
淳之介君はただひたすらに、真っ直ぐに理想だけを口にして礼ちゃんにぶつかっていきます。説得によって相手の意思を変えさせることを『攻略』と言いますが、
この瞬間、橘淳之介は確かに糺川礼を攻略しようとしていました。無言の銃撃と激高を経て、ついに淳之介君は礼ちゃんの本音を引き出すことに成功します。
>「だったら――なぜヒナミを守ろうとした!?
> ヒナミだけじゃない! 俺のことを知っても、あんたは性行為を強要しようとはしなかった! なぜだ!?」
>「そんなもの、決まっているだろう…………」
>「なんだ!? 言ってみろよ!!」
>「こんな思いをさせたくなかったからだろうが!!」
『レイ』にて語られた彼女の理想。彼女が選ぶことの出来なかった道。彼女が確かに秘めていたマイノリティ。No Love No Sexの精神。
> 大好きだった漫画を貸した。
> 学園が舞台の少女漫画。たまたま出会ったふたりの男女が、様々な紆余曲折を経て恋仲になる――なんら珍しくもない話。
> かつて、私が憧れていたもの。
> 島に来て間もない頃は、つらくてもそれを読めば元気が出てきた。
> だけど、次第に、読んでいる時のほうがつらくなっていった。
> 揺れる天井を飽きるほど眺めている内に、所詮これは空想事で、お前には縁のないことなのだと、突きつけられるようだった。
> 性行為を強いるこの島では、絶対に許容されない幻想の淡い恋。
> SSを志す私が、絶対に許してはいけない在り方。
> それでも。
>「私もこんな素敵な恋がしてみたいなぁ……」
> それでもヒナミには、そんな恋をしてほしかった。
> 私には、もう二度とできないことだから。
自分のルートを親友に貸し与えた少女。わたちゃんのことを私はそう評しましたが、なんてことはありません。
ヒナミルートを作りたい、最初にそう願ったのは礼ちゃんの方だったのです。尊いっていう表現はこの二人のためにあるんじゃないかと思います。
わたちゃんに、そして淳之介君に理想を投影することで、自らの意志を殺してきた礼ちゃん。その目に涙を湛えながらも、彼女は己の責務を全うしようとします。
>「諦めない」
アリアドネー・プロトコルを失った裸の眼で、そんな礼ちゃんと向き合い続ける淳之介君。
本当に俺のことを敵だと思うのなら撃ってみろ、そう言わんばかりに向けられた銃口を自らの額に添えて、彼は続けます。
礼に至る道を走り切るために。
>「俺は絶対に諦めない。ドスケベ条例は潰すし、礼先輩だって助け出す」
そしてとうとう、礼ちゃんから零れ落ちたものが二つ。
手からは拳銃を、瞳からは涙を。
>「私は家族を守りたい……SSの仲間たちだって守ってあげたい……」
>「けど、ヒナミも……君のことだって! どうにかしてあげたいと……今でも思ってしまうんだよ……!」
礼ちゃんの話をする前に、私が彼女のことをこう評したことを憶えておられるでしょうか。『性格も外見も声も全てがストライクゾーンから外れていました』と。
この時点でもう性格判定は完全にひっくり返ってるじゃないですか。外見についても髪下ろした時点で敗北済みじゃないですか。
そして声。正直これも性格判定に引っ張られていたと言いますか、SSとして振る舞っている時のキツい印象が苦手意識に繋がっていたのでしょう。
ストライク判定は三つでバッターアウト。次の台詞、糺川礼ちゃん魂の悲鳴を聞いた時、私は本当の意味で彼女に打ち取られたのだと思います。
>「分かってる……すべてをすくい取る方法なんてない……でも、もういやだ……」
>「うぐっ……こんなこと、まだ続けていかなきゃいけないなんて……いやだぁ……!」
ヒナミルートに入るまでの私達が糺川礼に対して抱いていたもの。SS風紀委員長。ドスケベ条例一番の推進者。マジョリティの象徴。
そう在り続けるために振る舞ってきた少女がとうとう漏らした、『嫌だ』という言葉。橘淳之介が目指した道の終着点は、すぐそこまで迫っていました。
しかし、ここに来て淳之介君の心に迷いが生じます。この物語が『糺川礼ルート』であったのなら、彼は迷うことなく詰めの一歩を踏み出していたのでしょう。
それでもやっぱり、この物語は二人だけのものではなかったのです。橘淳之介が愛した少女、そして糺川礼が守りたかった少女。
彼女の手にした椅子に本当に『加護』とやらが宿っていたのであれば、それはきっと全て、この瞬間のために。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
> ――――私の椅子はどこ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「……あるよ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
> 本島から逃げてきて、青藍島でも排斥されて、もう、どこにも私の居場所なんてないんだと思った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「礼ちゃんの居場所だったら……ずっと、ここにあるよ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「礼ちゃん、いつも頑張ってるから!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「礼ちゃん……礼ちゃんは、ずっとひとりで頑張ってきたんだね……みんなのために、たったひとりで」
>「私は……違う……私は、何も頑張ってなんかいない……」
>「ううん……そんなことないよ。私は知ってるから……礼ちゃんは、昔から……誰よりも頑張り屋さんなんだって」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「……よしよし、礼ちゃんはえらいね」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「よしよし……つらかったよね……大変だったよね……頑張ったね……」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「ほらほら、遠慮しなくていいよぉ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
>「ほら……遠慮しなくていいよぉ」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ロリじゃないですけど!」渡会ヒナミが何度も叫んできた言葉。しかし私はこう言いたい。君はロリだと。無い胸を張って誇るべきロリだと。
何故ならロリとは不変の少女性を意味しており、わたちゃんがロリであり続けること、マジョリティに染まらないこと、
『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳』で居続けることこそが、糺川礼が渡会ヒナミに望んでいたことであるからです。
礼ちゃんはわたちゃんこそが自分の居場所を守り続けてくれていたのだと思っているのでしょうが、
そのわたちゃんを守り続けていたのもまた礼ちゃんであるからして、つまり何が言いたいのかといいますと、渡会ヒナミ。糺川礼。ベストマッチ。
その後の仁浦戦は消化試合ですが、『ハンドガンと、熊のストラップ。これだけあれば十分だ』という淳之介君のモノローグがエモいので、
この言葉を引き出すために立ちはだかってくれたのだと思いましょう。このルートの淳之介君は、徹底して彼を切り捨てたのですから。
>「…………文乃は、任せた」
倒れる間際に遺されたその言葉に、このルートの淳之介君は応じることが出来ないのですから。
エピローグ、病院の傍へと立ち寄って、『犠牲者』となった彼女のことを気にかけながらも、『…………やめておくか……』と踵を返しかけたのがその証です。
しかしそれでも、彼は自身の選択の結果と向き合わなければなりません。掬い取ることの出来なかったものから目を逸らすことは許されません。
痛々しく片目を眼帯で覆う文乃に対し、悲痛な顔で謝罪の言葉を口にすることしか出来ない淳之介君。
シビアです。最後は一応笑って別れたことになっていますが、
その時淳之介君が浮かべていた笑顔はきっと、文乃ルートで彼女が見せたそれ以上に不器用な物であったことでしょう。
>ドスケベ条例が残した傷は、決して浅くはない。
>たとえ条例が完全に撤廃されて、島から性の痕跡が消えたとしても――消えないものだってある。
>すべてが終わってしまっても、これから何度となく思い返すことになるのだろう。
>だが、それでいい。
>同じことを繰り返さないように、もう誰かが苦しまなくても済むように――忘れてはいけないことなのだ。
ドスケベ条例が残した傷。ヒナミルートが取りこぼした不完全さの象徴、豊玉の瞳。
『だが、それでいい』と一見前向きな表現で締めくくった淳之介君ですが、
実際に文乃ちゃんと向き合った時の表情を見るに思い返す度に心を痛めることは避けられないでしょう。
それでも、彼は一人ではありません。辛いときにはいつものように桃色の髪の少女が頭を撫でてくれるでしょうし、
それにほら、こんな愉快な仲間がいるのですから。
>「むべべ! 橘さんだミサー!」
こいつにもう一度触れるとせっかくの〆の空気が台無しになるからもう飛ばそう。
『俺の先輩たちと』。エピローグのサブタイトルが示していた通り、淳之介君の歩んだ道の先には当然のように、二人の少女が並んでいました。
>「私は別に……あまり、お前たちの邪魔をするような真似は……」
>「またそーいうこと言うー! もう、淳くん! ちょっとケーキ持ってて!」
>「うん……? いいけど……」
> ケーキを受け取ると、ヒナミは俺と礼先輩の間に割って入り。
>「ん!」
> フリーになった両手で、俺と礼先輩の手を握った。
>「私たちは、こういう仲なの!」
>「どういう……?」
>「私は淳くんのことも大好きだし、礼ちゃんのことも大好きなの! ふたりとも大事なの! みんな仲良しなのー!」
Q.天使はいると思う?
A.抜きゲーみたいな島に住んでた
それはさておき、ちっちゃいわたちゃんを挟んで手を繋いで歩く淳之介君と礼ちゃん。
そんな三人の様子を見かけた近所のロリっ子ユキちゃんは、わたちゃんを指してこう言います。『ふたりの子供みたい』。
いつもの調子で子供扱いされたことにぷんぷんするわたちゃんですが、両脇の二人はユキちゃんの言葉を別の意味で捉えたことでしょう。
わたちゃんが二人の子供であるなら、二人の関係はつまり、そういう風に見えたということなのですから。
>「ふっ……けど、今のは面白かったな。まるで……本当の恋人にでもなったような気分だった」
>「そうですか?」
>「……そうさ」
> ぬるい風が吹きつけて、礼先輩の長い髪をそよと揺らした。
> 指定区以外で性触者を見なくなった青藍島には、夏の蝉時雨だけが激しく響き渡っている。
> ――その一瞬、セミたちの声が遠のいた。
この瞬間の静寂を、私はきっと忘れない。
ラストCG。仲睦まじくケーキを口にする俺の先輩たち。で、一山越えたこのタイミングでなおもポイント稼ぎに来るから礼ちゃんという娘は恐ろしい。
>「風紀委員長が赤点取ったんですか……」
>「ぐっ……しょ、しょうがないだろう! 今回は勉強する暇がなかったんだ! 大体……私のせいじゃないぞ……お前が……橘が悪いんだ……」
>「なんで俺のせいになるんですか」
>「なんでじゃない……授業にも集中できなかったし、課題すら手につかなくなったんだ……あの日、橘に裏切られてから……」
>「あ――……す、すみません……」
> それを持ち出されるとあまりに弱い。反論ができなくなる。
>「あの……色々ありましたけど……無事丸く収まったわけですし、許していただくわけには……」
>「ふん……やだね……ずっとネチネチ言い続けてやる……お前も夜な夜な枕を濡らせばいいんだ……」
さり気なくお前『も』とか言ってるのが本当にあざといと思います。
さて、そんなこんなでどたばたの末にいよいよヒナミルートもとっぱら!(前レビュー作をアピールしていくスタイル)の時を迎える訳ですが、
最後の最後にまたいい仕事をしたのが三匹のストラップ。わたちゃんが二人の子供のように見える並び、
即ちクマ、リス、ウサギの並びは、蝉時雨の中に見た束の間の夢でした。それもまた一つの幸せの形ではありますが、
私はこのCGにおける並び順こそ、ヒナミルートの内容に相応しい、三人の関係性であるように思うのです。
橘淳之介と渡会ヒナミが二人で辿り着いた、『0に至る道』。そのことを証明するように――
>俺たちは、ずっと一緒なのだから――――
寂しがり屋のウサギはずっと、クマとリスの夫婦の間に。
さて。
ここまでだらだらと書き連ねておきながら世間様にとっては『前作』のレビューでしかないという浦島太郎感に震えます。
しかし『2』へと臨む前にもう一つ、私は触れなければなりません。文乃ルート通過後、ヒナミルートに追加された3-27。『リアル抜きゲシチュエーション』。
『ぬきたし2』をプレイするにあたって、生徒会長やオナ豚さんファン、そしてASaNeProjectに属する方々は、
無印で叶わなかった彼女たちとのイチャラブやら愛のあるセックスやらを求めて手を伸ばしたことだろうと思います。
しかし仮初ながら、礼ちゃんだけは一足先にここで彼女の理想を叶えてしまいました。更に困ったことに、ああ、仮初の恋人関係だというのに。
>「橘……お前はずるいな。私を振っておいて……こんなことをするんだ……」
本当にずるいのは礼ちゃんの方である。
だってこの台詞が吐けるのってヒナミルートの礼ちゃんだけじゃないですか。『ぬきたし2』はもしもの世界に飛ばされる話だそうですが、
そっちの礼ちゃんにこの礼ちゃんを超えるいじらしさは備わっているんでしょうか。
文乃ルートで容赦なく淳之介君にライオット弾食らったときのあの悲しみが蘇ったりはしないんでしょうか。今の私はただただ不安でなりません。
>「あっ……!? な、なんで勃起してるんだ! 私に興奮してるんじゃないだろうな!? 浮気だぞ! ヒナミというものがありながら……!」
こんな異次元の責め方が出来るのも。
>「ひゃっ……!? だ、だから……私に興奮するなぁ……言いつけるぞ……!」
>「だ、誰にですか……」
>「それは……しかるべき、ところに……」
こんなこと言いながら困った顔出来るのも。
>「そう、か……その……ごめんな橘……君だって、こんなこと……本当は、ヒナミ以外とは……」
こんな風に罪の意識を感じてしまうのも。
>「バカ……許さないからな……ん、ちゅ……」
そんな風に呟きながら口付けられるのも。全部。全部。全部がヒナミルートの礼ちゃんだけ。
中央値90という凄まじい高評価を得て、無印以上の傑作との呼び声も名高い『ぬきたし2』でありますが、
本当に2の礼ちゃんはこの余りにも高過ぎるハードルを飛び越えることが出来るのでしょうか。
いや多分他の方々は礼ちゃんじゃなくて他三人とか2ならではのオリジナルシナリオなんかを評価しての高得点なのでしょうが、
>「ちゅ……んはっ……はぁ……橘……どうかな? 私は、君を……気持ちよく、してあげられてるかな……?」
>「……はい……すごく……」
>「そうか……うん、よかった……」
この時の礼ちゃんが見せた笑顔に勝るものがあるのだと、そう思ってもいいのでしょうか。
期待半分、いや期待3不安7くらいの心境です。わたちゃん3Pみたいな蛇足が待ち受けていたりしないかとても不安です。
これで2のレビューじゃしれっと会長派とかオナ豚さん派に乗り換えていたら笑って下さい。屑と罵ってくれて構いません。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。それでは行って参ります。『性帝』とやらの待つ世界へ――