文章は色褪せることなく
OPの鳥の詩が有名で 泣きゲーらしいという前提知識だけでフルボイス版をプレイしてみた。
感想としては、泣きゲーというより夏ゲーだった。
「日差しと一緒にふってくる 満面の笑顔」や「肌をじりじりと焼く太陽。絶え間なく鼓膜を震わせる、セミの声」など何気ない情景描写や比喩表現などが気取っていなく惹かれる節が散りばめられていて、夏を読ませる文章だった。
正直ストーリーはキャラやBGMなどの過剰演出も相まって、どこか作り物感や泣かせに来ている感じが透けて見えて 終盤は全く泣くことも心が大きく揺さぶられることもなかった。
ただ、往人や晴子がいなくなり観鈴が孤独なりに頑張ろうとしているシーンだけは、私の経験とも重なり感情移入して目頭が熱くなった。
クリア後も細かい謎が残ったままだが、謎な部分はとくにそこまで重要ではなく、ただただ最高の夏の空気感を味わえたならそれだけで良い作品だと思う。