悪くはないが、やはり設定を活かしきれないま~まれ
□前置き□
さほど悪いわけでもないが、平凡で心動かされることのないシナリオ。
どこにでもあるようなクオリティのOP。
こんな言い方をしているが、完成度は一定のラインを超えているように思える。
特に絵はいい。さそりがためさんのイラストはラノベから好みだったが、エロゲになってみるとさらに映える。
それらを踏まえたうえで、細かい評価に移させてもらいます。
□主人公□
ま~まれの主人公は個人的に好みです。
今作の主人公に関しても例外ではなく、「戦闘能力がバカみたいに高い」「柔軟な発想ができる」「自己を犠牲にして、周りを立てる」などのキャラ設定は、主人公としてかなり良いものだと思います。
ただ、その設定が生きるわけではなく・・・・・・
かなり高い戦闘能力に関しては、脅しに使われる程度。実際に強敵と殴りあったり、集団を相手に大盤振る舞いするわけでもなく。
世界観がギスギスしているわけではないのでそういう展開が容易にシナリオに導入できないのはわかりますが、この設定が中途半端なところで殺されてしまっているのは、個人的に残念でならなかった。
柔軟な発想ができる能力は、エロゲ主人公なら必須とされるスキルなので、特筆すべきところはなし。問題は、その発想の後に行動できるかどうかである。
その点に関して、主人公は自分を蔑ろにしてまで行動できる人物だったので、大いに評価できる。
ただ、この設定に関しても中途半端。いっそのこと自己犠牲のやりすぎで一度潰れてしまうくらいの展開があっても良かった。
落ち込んでいる主人公を、ヒロインが救うみたいな展開は大好物です。ゆづきか歌奈ルートあたりでやってほしかったですね。
まぁ要約すると、主人公は設定はイケメンだがシナリオのせいで輝ききれていない、といったところだろうか。
□各ルート□
●倉賀野聖良●
見た目が大和撫子っぽかったので、「やったぜ清楚系ヒロインかわいい」とか思っていたのですが、まさかのプライベートだめだめのゲーマー設定。
いやまぁそれだけでヒロインの評価が下がったわけではないのですが、この見た目のヒロインに入れる設定としてはちょっとなぁ、と個人的に思いました。
主人公が憧れのゲーマーであることに気付いた後に、主人公が好きすぎてたまらなくなる聖良を見ていると不覚にも胸がときめきました。
ただ、告白シーンでオッサンの声と被せたのはちょっと不満があった。そこまで気になったわけではないけど、別にネットアバターがオッサン設定じゃなくても良かっただろと思わないでもない。
その後、恋愛がうまくいっているかと思いきや、世間と聖良の親が恋愛を認めず。
隠れて恋愛をすることになるが、その展開もありきたり。
ゲームのコンセプトであった選挙で決着をつける点に関してはまぁ良しとするが、なんというか、特に苦労もせず選挙を完勝したせいか、達成感や感動がなかった。
●駒方ゆづき●
見た目や設定、キャラクターは一番好きだったが、シナリオがほぼ聖良ルートと同じだったので、楽しめなかった。
感想は大体聖良ルートと同じ。
聖良ルートよりは状況が悪くなかったため、シナリオがかなり薄味だった印象がある。
よって、感想すら浮かんでこない。「この子ヒロインにする意味あったか?」と思ったレベル。
キャラは個人的に一番好きなだけに、非常に残念でならない。
●天神平陽姫●
残念ながら、一番つまらなかったルートと言わざるを得ない。
これまで恋すら知らなかった少女が徐々に恋を知り、主人公と結ばれる。テンプレートだけど王道な展開は嫌いではありません。
しかし、その問題があまりにも簡単に解決されてしまっている。もう少し恋に臆病になるとか、恋という気持ちが何なのかとか、そういうことで悩んでも良かったと思う。
その後も、陽姫の父が交際を許さないというテンプレ展開になるが、その父が主人公の昔からの知り合いだったというだけで解決。
コメディー寄りの作品でないと思っていたので、お笑い草で終わってしまうシナリオは残念でならなかった。
あと、せっかく天道会の生徒会長という設定を持っているのだから、何かしら生徒会の問題やらを重点的にやってほしかった。
●神流歌奈●
一番マシだったヒロイン。
最初はゆづき派だった僕も、カナカナ教にやられました。
なにより包容力が半端じゃない。主人公を徹底的に甘やかしてくれるお姉さん属性で、プレイしている僕の心を癒してくれました。
また、正式な告白をせずに中途半端な関係のままストーリーが進んでいくのも、イチャラブ系の王道エロゲとしては珍しく、非常に新鮮だった。
ただ、歌奈が抱えている「親密な関係に対して非常に臆病」という設定を、ラストで簡単に片付けてしまったことに関しては非常に残念。
主人公がなんとかして解決する展開を読んでいただけに、陽姫が介入してきて即解決、という展開にはガッカリした。
もっとスーパー主人公タイムがあっても良かったと思う。せっかく頑張れるキャラ設定を持っている主人公なんだから、それを活かしてほしかった。
あと、正式に恋人として結ばれた後のイチャラブエッチが1つくらいほしかった。
□Hシーン関連□
これに関しては安定と信頼のま~まれですね。
イチャラブHに関しては、このブランドがトップレベルだと思ってます。
では、各ルート評価に入ります。
●聖良
合計7シーン。
ま~まれお馴染みレイプ目セックスは2回目に。
なんといってもエロい。あまり恥じらいもなく積極的にHする。また、妊娠することに躊躇いがない。
清純派かと思いきやエロエロというギャップがあって、そういうのが好みの方にはたまらないヒロインかと。
●ゆづき
合計7シーン。
レイプ目セックスは4回目。
主人公が何をしても許してしまうような、気の知れたセックス。
感覚としては友達のように気軽で、なおかつ長年付き合っている恋人同士の雰囲気がある。一番主人公の妻に向いてそうな印象。
もうこの子がメインヒロインでよかったんじゃないかなぁ。
●陽姫
合計6シーン。
ロリ属性が多分に含まれる。
主人公にベタ惚れなので、あまあまなHをする。正直甘すぎて僕の趣向には合わなかった。
まぁロリヒロインとしては普通。そっちの属性がある人は、もっと別のゲームを探すべきだと思う。
●歌奈
合計6シーン。
レイプ目セックスは3回目。まさかの処女でレイプ目セックスがあったので、主人公容赦なさすぎだろと思わんでもなかったが、歌奈もまんざらでは様子だったので、良いカンジだった。
包容力のあるセックスで癒してくれる。
誘えばすぐやらせてくれる感じ。年上のお姉さん属性がハッキリと出るようなH。
だから正式に恋人になった後のイチャラブセックスをだな。
□まとめ□
普通に楽しめた作品だが、やはりいま一つ何かが足りない。
シナリオが良ければ鬼に金棒だが、無理せず今のままでも十分なんじゃないかと思う部分はある。
ただこの路線で行くなら、Hシーンにアニメーションがほしいところ。
いろいろとエロゲに厳しい時代だが、個人的には応援できるブランドなので、この調子で頑張ってほしいと思います。