青春(バカ)野郎どもの賛歌
あらすじ
少子化とかなんとか、そういう大人の事情で通っていた男子校がなくなり、今年から近隣のお嬢様と名高い桜華学園の共学化に合わせて編入することになった主人公叶太とその友人野郎たち。
「せっかくだから彼女がほしい」
なんて、ありふれた欲望を持って、彼らはまだ見ぬ清楚系お嬢様女子たちとの新生活に胸を弾ませていた。そして、待ちにまった共学化初日に、いざ花園へ!と一歩踏み出したが………
「「「なんか思ってたんと違う!」」」
イメージとはほど遠い女子たちの生態に頭を抱えてしまう。だが、それは女子も同じで
「あたしの王子様……思ってたんと違った」
お互い思い通りにならない展開ばかり。だけどそれでも恋がしたい!コイバナしたい!
恋愛弱者が身を寄せ合って、恋バナを武器に立ち上がる―
そんな青春恋バナ野郎たちのバカらしくも愛おしい恋愛奮闘記(公式より引用)
個人的な推奨攻略順は常夜→めぐり→こころ→千依の順
共通は就学旅行からの※切り抜きスタート
※(最も盛り上がるパートを最初に持ってくること)。
基本はサブカップリングに対しての印象づけ、最初の野郎たちの印象として、主人公(ノリのよいアホ)、ミツオ(粘着気味なストーカー)、鴇矢(性格残念なイケメン)、大河(異様にパンツにくいつくバカ)といった感じ。大河だけ最後まで印象は変わらなかったけど、最初の時点で植え付けた印象を、最後までプレイするとひっくり返してきた点で好印象だった。
そこからほどなくして入学式の回想に移る。ここからが本当のスタート。おおまかなくだりとして主人公は学園のアイドルである春風めぐりに一目惚れした主人公は、速攻でアタックするものの、ものの見事に玉砕…その噂話はあっという間に妹のところにまで拡散される。それでもあきらめない主人公は、体育祭で大活躍したらという条件でデートの約束を取り付ける。なお、種目はバスケ、もともと運動神経のよい大河はともかく、万年女バスの補欠のこころと朝練を行いながら、同じクラスのメンバーと友情を深めていき、見事活躍した主人公はめぐりとのデートを決行。ここで躊躇することなく、告白すればめぐりルートへ。判断に迷うと、めぐりからフラれてしまう。
ここまで良かったシーンは、主人公がモテるだけの努力をきちんと行っている点。こころの朝練につきあうだけでなく、バスケがうまくならずやめてしまい、今はバレー部に入部している主人公だが、実は過去の敗戦の反省から、アリウープのための練習をしていたという伏線は読めなかったし、先輩であるメグリが一目置くのjiも納得だと思う。また、バスケをやめた理由も幼馴染の千依が何かと上達しすぎてしまったため、自分に劣等感を感じフェードアウトするようにやめていったというのも非常に共感できるような内容だった。
その後のくだりで、ミツオの生徒会の応援演説を引き受けることになるのだが。ミツオが当日用意した原稿分は、もはやいのりへの公開告白となるようなラブレターだった。また同時に主人公がフレらたことを酷く気にしていた常夜からも応援演説を引き受ける、なおノリで公開告白を受け入れれば常夜ルートになる。受け入れなければ、修学旅行パートに進む。
ここはミツオのシーンがすげー良かった、ここから最初に感じていた粘着ストーカーの印象が180度変わった印象。最終的にこの2人は本編ではくっつかなかったけれども、FDでの進展を見てみたいと思わせるぐらいの良さがあった。
修学旅行編は残ったヒロインのこころと千依の一騎打ちといった感じ、分岐は唐突に王様ゲームをやることになるのだが、ここでこころにキスをするかしないかの判断で決めるわかりやすい流れ。以下はキャラごとのおおまかな感想
常夜…圧倒的感情読み取りづらい選手権優勝候補。本作のギャグ枠担当。以前のアサプロはシナリオをぶち壊す通称シナリオクラッシャーが1人いて、ものすごい不快感を与えていたのですが、最近はだいぶマイルドになったなーという印象です。わがままで許せるくらいのレベル。常夜はあくまでもかわいく、常夜は校長の娘というポジションで親子関係があまりうまくいっておらず、友達もいないので、主人公にひたすら甘えるといったわかりやすい構図になっていた。また主人公も妥協からか、常夜でよいと考えるひたすら現実的なルートでしたね。共通では、ちょっとわかりにくい部分もありましましたが、フレらた主人公に気を遣い、アタックをかけ、四六時中バイトをしているのも、お金のためではなく、感情をうまく引き出せるようにというのも納得でした。エッチシーンパイズリがあれば完璧でした。(この辺りはFDに期待)
めぐり…圧倒的妹溺愛しすぎ選手権優勝候補。本作におけるラスボス的存在(違)。ヒロインの中では唯一の年上ということで、包容力あるシーンが多かった。妹溺愛なところ含めてなんやかんやで、アサプロらしいヒロインだと思いました。あとメグリ先輩からはフラれたほうがシナリオとしてはきれいな流れになるなーと。フラれた後も、ミツオがきちんとフォローしていたのも含めて、いいやつなんだなーと思いました。
こころ…圧倒的夢見がちかつ恋に恋しすぎ選手権優勝候補。理想の王子様を探すっていう少女漫画なんかによくありがちなシチュエーションですが、現実でのコツはあくまでもギャグ漫画からスタートさせるべきなんですよ。それを見事に体現していたシナリオお見事だと思います。秋野花ボイス強い。個別入ってからは、ひたすらイチャラブ展開の内容でした。
千依ルート。圧倒的幼馴染パワープレイ選手権優勝候補。個人的に本作を一番盛り上げてくれたヒロイン。てか、主人公との意思疎通が完璧すぎる。私の個人のなかで『幼馴染』コンビというくくりで考えれば、まず最初に浮かんでくるのはパルフェの里伽子と主人公コンビなんですが、それに匹敵するくらい素晴らしい幼馴染コンビでした。付き合ってからも息ぴったりで、幸せそうなエピローグも良かったな。この子は共通から個別まで完璧でした。サブカップリングに関しては色々言われていますが、私はさして気にならなかったし、それがシナリオのテンポを悪くしているみたいなことも感じませんでした。あくまでも主人公の邪魔にならない程度の存在になっていたと思います。
良かった点…エッチシーンがほとんど中だしだった点。まあ選択肢にしても良かったとは思いますが、エロゲーならいくらでもツゴウのよい世界戦なので、ゴムとか気にせず当たり前のように中に出していた点は良かった。あとはこころの眼鏡をあくまでオプションアイテム扱いにしてくれたこと。最近は眼鏡をかけたヒロイン事態がだいぶ減りましたが、私的には眼鏡がないほうが好きだったので、無理やり眼鏡をかけたままエッチシーンとかにならなかった点はよかった。
残念だった点…魅力的なサブキャラが攻略できない。今回はサブキャラが全員攻略できないといった感じになっていますが、その点はまだ出るかわからないFDで補完してくれたらと思います(特にいのり)、地依ルートでFDの存在を匂わせてましたが、キャラが多いから分割みたいないつもの流れになるのはやめてほしい。個人的にはアサプロの最高傑作と評価しています(次点は『かりぐらし恋愛』、過去作の恋愛ロワイヤルやフタマタ恋愛みたいなアクの強さや、クセの強さもなくエロゲー初心者にも薦めやすい万人受けする作品だと思います。
追記…この批評空間結構色々読まれているようで、『恋バナ恋愛』に関しての評価は賛否両論色々あるようです。私自身は、アサプロの最近の過去作は『恋愛ロワイヤル』や『フタマタ恋愛』など、作品事態のアクやクセが強いと言い切れる作品が多いです。ただ、それはかなりニッチな需要であり、刺さる人にはめちゃくちゃ刺さるような内容だと思いますが、あくまで万人受けするような内容ではありません。そこには昨今のエロゲー事情なんてものが絡んでいることがあるのかなあなどと考察しています。昨今のエロゲー事情はめちゃくちゃ大手のメーカであった戯画ださえ、解散をしてしまうような状況です。それは他のエロゲーメーカにおいても他人事では済まされないでしょう。つまり、売れるエロゲーを作らなければどんな大手エロゲー企業であっても淘汰されてしまうような、現在はそういう時代です。であるならば、可能な限り万人受けするシナリオにして、それまでプレイしてこなかったユーザーにも面白いと思わせる『新規開拓』という面が大きかったのではないか、そんな風に思うわけです。