エロとシナリオどちらも良い
「forest」が好きだったので購入してプレイ、実際にはそんなに「forest」では無かったです。
以下ネタバレありの感想
システム
基本的には難しい事はありません、幾つかの選択肢から個別ルートに分岐
その後は普通に進めて行けばバッドもグッドも見られます。
イベント回想が変わっていて、エロシーン以外も個別に見直すことができます。
シナリオを進めるとなるほどと思えるシーンもあるので結構ありがたかったです。
ギャラリーから聞けるBGMは本編で再生されるもののほんの一部で、これは予約特典がサントラだからでしょうかね。
シナリオ
「楽園」と呼ばれる精神病院を舞台に、記憶を無くした少年と
「フェアリーテイルシンドローム」というおとぎ話の主人公になりきってしまう「病気」に冒された少女たちの話
私は少年が主人公というとイマイチ軽い話になりがちと考えてしまう方ですが、
本作に置いては純真な少年少女たちと、病院に居る汚い大人たちという対比が重要になってきますので問題ないです。
シナリオを読み進めて行くほどに、この「病院」の実態が明らかになり
またそこで日常的に行われる行為もわかっていきます。
ここら辺はあまり詳しく書くと面白味が無くなってしまうので、ぜひ自分で読み進める事をお勧めします。
注意点としてはNTRあり、レイプありでそういうのが絶対にダメという人は買わない方が良いでしょう。
ただ個人的にはきちんとしたシナリオがあり、キャラに愛着が持てて、そこにこういうエロシーンがある事こそエロゲの醍醐味だと思っています。
純愛ゲーだからレイプされそうになっても寸前で助けが入るとか、逆に凌辱ゲーだからシナリオは適当で快楽落ちが当たり前で何の悲壮感も無いというゲームが多いですが、それでは「エロ+ゲーム」の意味が無い。
このゲームのようにプレイする中でキャラ性を理解していくシナリオがあるからこそエロシーンは輝くし、AVやエロ漫画とは別格の、時間をかけるだけの価値があるオナニーが出来ると思います。
ネタバレをなるべく避けて全体的な感想だけ書いておきますが、このゲームにおけるグッドエンドというのは普通のゲームで言えばバッドエンドと言っても良いような内容ばかりです。
ただこれはこのゲームそのものが一つの「童話」なんだと思います。
童話のシナリオっていうものはある種投げっぱなしでハッピーエンドとは呼べないものが多いですし、これも通り一遍等な勧善懲悪では無い事にメッセージが込められているように感じました。
一応はスッキリしたさわやかなエンドも用意されています、どちらを「トゥルーエンド」と考えるかはプレイヤ次第でしょうね。
エロ
シナリオゲーでは中々無いほどに淫靡な設定で、私はゲルダのレイプシーンやアリスのフェラシーンで何度も抜きました。
残念だったのはこのゲームのキモでもあるフェアリーテイルシンドロームという精神病を起因とする倒錯的なエロシーンが序盤の診察やアリス・ラプンツェルの一部のシーンのみだったことです。
それ以外でもゲルダやグレーテルのシーンは十分エロかったですが、ちょっともったいないなと思いました。
個人的にはオカズとしても非常に良かったですが、あくまでこのシナリオの淫靡さからくるもので、描写やシーン数そのものは決して抜きゲーとしての使用を想定したものではなく、物足りなさは否めません。
その辺りはメーカーのカラーを知っている方ならわかると思いますが、一応ご注意ください。
グラフィック
原画は大石竜子さん。
「forest」の頃から好きでしたが、この作品ではさらに洗練されていてとても良かったです。
モブキャラのモザイク顔・体などのグラフィック演出も、この作品を盛り上げる重要な要素と言えるでしょう。
サウンド
おとぎ話のような軽快な音から、陰湿なおどろおどろしいものまで良く出来ていました。
ただ、「forest」に比べると若干見劣りというか、名作と呼べるほどまでには至らないかもと思いました。
決して良く無かったわけでは無いのですが。
総評
非常にお勧めですので、是非プレイしてください。
またこういう路線のものが出たら買おうと思います。