予想外に良いゲームでした。あまり知られてないのが残念です。理屈っぽい医者と、古いモノノケ達とのふれあいを暖かく描いた秀作。
不思議な魅力がある作品。ゲーム内であるキャラが「空気」という言葉を使うがまさにそれで、作品全体を通して癒しと温もりと優しさに満ちている。
しかしそれのみに固執するわけじゃなく真面目なテーマを描いてて、シリアスな部分もあってメリハリがきいていた。
クリア後はすごく良い気分になれて、心に残る何かがある。
ファンクラブ限定でもいいので、ファンディスクやアフターシナリオが読みたい。
音楽、グラフィック共に作品にマッチしてて好印象だった。
システムと演出は普通です。
キャラが生き生きとしてて好感がもてた。
医者をこれほど正確に描いてる作品はエロゲ・コンシューマーともにない。
「ブラックジャックによろしく」「医龍」ともに現場をしってる人間から言わせてもらえば、キャラがDQNでいい加減な物語で読むに耐えないものである。
だが「ている・ている」の主人公は驚くほどちゃんと医者していた。医療医術への姿勢、医者の苦悩、患者の苦悩・・・もののけエロゲーでこんな医者に出会えると思ってなかった。ライター氏は病院関係者に友人がいるんだろうか。
マイナス要素はウンチクの多さだが、これは作風に一役買ってるし演出だ。ライターの照れ隠しのような気もするが・・・。
もうひとつ決定的なマイナス要因は広報のマズさだ。
一年以上前に発売されたゲームだがマイナーの名作というよりはむしろ、広報展開で損した名作としか思えない。これはカーネリアン原画以外のオービット作品すべてに言える事柄である。広報氏に猛省をうながしたい。