ErogameScape -エロゲー批評空間-

mafuterさんの箱庭ロジックの長文感想

ユーザー
mafuter
ゲーム
箱庭ロジック
ブランド
Cabbit
得点
79
参照数
591

一言コメント

攻略順がある割には適度な長さですんなりと終わる。「それは、誰の、箱庭?」に対して、「僕の、箱庭、だった。」と返した。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

最初の選択肢を選んで少し進むと突然「箱庭の裏庭」が出てきて、ヒロイン達がいきなりメタメタな発言をする。あらすじとか「扉の鍵」システムをプレイヤーに伝えて、そして2人のメインヒロインの大雑把な説明が入る。先の選択肢までいくと、「攻略推奨順は反対の選択肢ですよ?」と警告をしてくる。そして各ルートのEDでも毎回「箱庭の裏庭」が登場し、メタメタ発言を残していく。
1ルートが終わった時点では「なんだこれ?」としか思わなかったのだが、すべてのルートが終わってそしてこの作品のキャッチコピーである「それは、誰の、箱庭?」を見たとき、その問いは、各ヒロインのエンドを「家具」として与えられ、それを並べて「箱庭」という、この作品への評価の詰まったモノを作ったプレイヤーに、投げかけられているのだと感じた。「箱庭の裏庭」でのメタ発言のある作品を読み終え、ヒロイン達が物語の中に帰っていこうとしているときに突然ヒロインが振り返り、いつのまにか目の前に置いてあった「箱庭」を指差しながら、「それは、誰の、箱庭?」と言ってきたのだ。
彼女が問いかけなければ、その「箱庭」は無意識のうちにプレイヤーのものになっていた。しかし彼女が「箱庭」と意識させたことによって、「家具」を集めて出来たプレイヤーの中で完成された「箱庭」に、この新たな、物語全体のエンドという「家具」が中央に坐して、壊されてしまっていた。だから私は、「僕の、箱庭、だった。」と返した。


ちなみに問いかけてきた子はりるでした。物語全体を見た後、このシーンいらないかなぁと思う場面がいくつかありました。
いつもーのような評価をすると、霧架は可愛かったですね。加えて各ヒロインがきちんとキャラが立っていたのでいい感じでした。