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mafuterさんのPriministAr -プライミニスターの長文感想

ユーザー
mafuter
ゲーム
PriministAr -プライミニスター
ブランド
HOOKSOFT(HOOK)
得点
76
参照数
1736

一言コメント

千里√単体で評価すれば95点近くの高評価だった。モロネタバレしているので注意。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

いつものHOOKSOFTだと思って購入し、Strawberry NautsであったようなPITシステム、ハイスペック主人公も非常に楽しめた。かのこ√からやるはずだったが思わぬところでネタバレをくらったため千里√から入ったのだが、順番を間違えたかもしれない。これはHOOKSOFT?というのが浮かぶ程度にはシナリオメインのシリアスな話であり驚いた。以下各√の感想。

千里が今の性格のような理由、近く失明するのに主人公の恋人でありつづけることへの葛藤、その結論としてのラストデートの決意、そしてなにより、エンディング直前の部室での千里の挙動と屋上に行った時にBGMがなくなる演出は素晴らしくて普通に泣けた。ヒロインの行動・内面に主眼が置かれていたためか主人公の行動はそれと比較するとあまり深くなく劣るところもあったが、それでも話を進めるうえで引っかかるものがなかったし、今でも2周目に入りたいと思う程度には完成されていたと感じた。この√だけでゲーム出すのでもよかったのではないか?
千里√が上のようであったためか、他の3√(つばさ以外、つばさだけは攻略する気がどうしても起きない)はどうしてもシナリオ面において見劣りしてしまうためなかなか難しいものがあったが、まぁそれでもいつものHOOKSOFTという感じでイチャイチャしていたのでノーマルな評価か。
かのこの「ほわぁ~!」はラブクエの羽美に通じるものがあったが、キャラ付けなんだろうが正直微妙である。幼馴染という設定もあるので、こう安心感のようなものがあるキャラ設定の方がよかったのではないかとも思った。
三澄ルートは共通でもある程度表現されていたミス七舟の意外な一面、みたいなところがもうちょっと掘り下げられたような感じであった。
汐路の個別に入ってからの豹変っぷりはすごかった。汐路のよき理解者である由芽の存在が大きく、よい人間関係だと思った。終始ドタバタしているので、動きのあるキャラゲーという感じのルートだった。
流々子の存在は結構良かった。一度「場を盛り上げる存在」と認識できれば話が楽しくなってくる。

システム面に関してだが、パッチあては必須。私はパッチをあてない状態でプレイしていたが、誤字の多さ、そしてたまに三澄の声が非常に小さくなる不具合には苦労させられた。非常にシリアスなシーンや甘らぶイチャイチャシーンで誤字を見つけると一気に気力がそがれてしまう(しかもこの誤字の多さが半端じゃない)。また、文字のフォントに関してだが、文字の白(中身)の幅と黒(輪郭)の幅が同じくらいで、かつすこし字が窮屈になっていて、慣れたとしてもかなり読みづらいように感じた。システム回りにもうちょっと気を使ってほしかった。

とりあえず千里√だけはやるべきだと思いました。