このゲームの感想を二択で答えるならば、良かったという他ないけれど……
え? 終わるの? 本当にこれで終わり?
このゲームの感想を、善悪、良い悪い、という単純な二択で答えるならば、良かったという他ないけれど。
自分にとっては、心にシコリが残る終わりでした。
○立ち絵・CGの塗り
素晴らしいです。綺麗だし、丁寧だし、よくもまあこんな大量のキャラを。文句のつけようがないです。
ただCG枚数だけは、物理的限界に達したというか。場面場面で足りないなあと感じることが多々ありました。文章・コメントだけでさっくりというシーンが目立ちましたし。
織音氏一人じゃ、そりゃあね……という感じ。無償パッチで一枚増えましたが、是非とも有料パッチでもう少し増やしてほしいですね。
○ゲーム性
面白かったです。流石のアリスソフト。
バランスが絶妙で、ギリギリの戦いがたくさんあって、もうちょっとで勝てそう→工夫すれば何とか、という勝負が多く楽しめました。
カード集めも好きなキャラやレア度の高いもの、強いカードが手に入る喜びがありました。
……1~3週ぐらいまでは。
周回だとしんどいです。何がしんどいって、1周するのにそこそこ時間がかかるのに、一からカード集め直し・育て直しなのが苦しかった。
CP要素が薄くて――かなり恩恵があるはずなのに――楽に進められるということはなく、それなりに集め育てないと結局毎回ギリギリの戦いに。
にも拘わらず、まだ見ぬイベント・ルートを見るため、序盤中盤は同じ場面を何度もプレイすることになります。
そして一見すると自由度があるように見えて実はそれほど選択肢がない。
好きなキャラで戦っていこうと思っても、一から集め育て直し横一列からのスタートなので、弱い・使いにくいスキル持ちでは、ろくに勝てない(しかもゲット出来るとは限らない)。
結局、強い・便利なスキル持ちのキャラで毎回プレイすることになる。
まあ才能・種族の格差というものが如実に出るこの世界では、ある意味正しいことと言えるかもしれませんが……。
それにしても周回前提なゲーム性なのですから、もうちょっと周回しやすくして欲しかったなあというのが、正直なところです。
○エロ
どぼじてハウゼル単体のエロシーンがオナニーで終わりなのおおおおおおお!
鬼畜王の悪夢の再来かと思いましたが、サイゼルとのセットはちゃんとありましたね……。でも単体でSEXしてほしかったのおおおおおおおおお!
それはともかく、先に述べたように、リソースの限界により削られた感じでした。
「このあと滅茶苦茶セックスした」
で終わるのが多かったですね……。これだけキャラクターがいるし、仕様がないと思うのですが……みんな可愛かったですし、結局見れなかった香姫大人バージョンとか! ホーネット・サテラと3Pとか! 是非とも有料パッチで(ry
○音楽
普通に良かったですね。
とびぬけて、これ! というのはなかったですが、気づくとリズムとってたり、口ずさんでいたり……Shade氏の音楽が聴きたかったなあ、と当初思っていた自分がまったく不満に思わなかったので、普通に良かったなあとしか言いようがないですね。
○キャラクター
グッド!
特にホーネット派がいいですね。ホーネット・サテラ・ハウゼル・シルキィ・(ワーグ)みんな可愛い! でも敏感サテラちゃんばっかり贔屓して……可愛いけど! んゆー! だけど! ホーネットとかもっと掘り下げて、落として、イチャコラして欲しかった! 鬼畜では凌辱Hしかなくて、絶対に救えんかったから……。
でも多分、強行突破がルート扱いなんでしょうね。でも結局、あの結末……。
他のキャラクターたちの小気味よい掛け合いも良かったすね。食券イベントもモブ含めて凄いボリュームでしたし(パッチ出るまで、食券ループはかなり大変でしたが) 。
安心感がありつつも、新キャラにおおっと思ったり。新キャラだとクエルプランが良かったですね。楽しかったです。
だからこそ、2部は……。
ということで心にシコリが残ったストーリー感想へ。
○ストーリー
1部の正史であるAエンドが、過程が多少違うだけで実は一本道だったのは、残念でしたね。
せっかくゲームというif、マルチエンドを出せる媒体であり、今後に繋げるため一つの話に絞る必要がない完結編なのですから、正史とは違った結末があって欲しかったなあと思います(B、Cエンドで描いてはいますが、あれは実質ゲームオーバーみたいなものだと思うので)。
まあ物理的に難しいという事情があったのだと思います。
普通のエロゲ以上の労力・予算・時間がかけられた作品なのは、プレイしてて能々感じましたから。
なので、一本道なだけなら別に良かったです。今までも大体、一本道でしたしね。
容赦のない結末も、ランスシリーズの世界観・設定を考えると必然的な結末だと思います。
自分にとって問題だったのは、2部。
2部のラスト付近、何だか終わりそうな雰囲気にこれで完結? という気持ちが悪い意味で沸き上がり、あれよあれよとEDが始まってしまって、感動し損ねました。
いや、実際感動はしたけど! シリーズ通してプレイしてきた人間が、あれで感動しないわけもないけど! 万感の想いでEDを迎えたかったのに! なんか流れで感動しちゃった……。
だって、ランスは? 他の連中と会わんの? 最後までエール視点で終わり? 綺麗にまとまってはいるけど! 主要キャラで出てきてないのいっぱいいるよ? 何もなし? つかエロは志津香ナギだけ? 本当に終わり?
オチ自体は1部で伏線も丁寧に貼られていて、世界観を崩さず締めた手腕はなるほどと感じさせられましたが、EDが始まってから頭に疑問符が沸きまくりでした……。
2部がこのゲーム単体のオマケならば。
あるいはこれがエンディングの中の一つならば。言うこと無しです。最高だと思います。
みんなキャラも立ってるし、子供同士のほのぼのしたやり取りもすごく良かった。
ランスの子供たちの成長した姿も見てみたかったですし、子供たちを主役に据えたゲームもプレイしてみたいなあと、思っていましたから。
ただこの2部がランスシリーズのラストを飾るとなると、話は別です。
あまりにも端折りすぎで、駆け足でした。
2部そのものがとにかくシリーズを締めよう、綺麗に完結させなきゃという意識意図を強く感じました。……恐らくルドラサウムをどうにかしようと考えて、逆算して2部を作っていったんではないかなと、プレイしてて思いました。
しかし。
これはランスですよ。ランスシリーズなんですよ。
最後の最後、終わりが主人公がランスの子供(創造神)ですか?
確かにランスが魔王化したら、もうどうしようもないです。そういう世界観・設定ですから。
だからこういうオチにした。だから必然的に主人公はランスの子供たちになった。
でもやったことは、特訓して軽く200Lv超えて、めっちゃ強くなって、ランスにビンタ決めて、シィルを復活して、魔王化はもう大丈夫、ついでに魔王システムもとっぱらってしまいました。
なんというご都合主義――なのは良いです。これまでもそうでした。
でもご都合主義なら、ランスでやって欲しい。これまでのランスシリーズに出てきたキャラクターたちでやって欲しかった。
だって、スケベで豪快で我儘で鬼畜。だけど強い主人公――ランスが、メチャクチャやってご都合主義で何とかしてきたのが、このランスシリーズで、そこが魅力だったと思うのです。
ナンバリングで10作、時間でいうと四半世紀以上、今まで出てきたキャラクターに対する愛着は、正直(リセットを除けば)ランスの子供達ではまったくかなわない。
ぽっと出てきたエールが主人公のまま、終わってしまった。
主要キャラクターでも出てこないキャラが結構いて、ほぼ日記・年表形式で進んでエロは志津香ナギだけ。最後の後日談(あの場にいなかった女たちとの接触)もロクに無かった。
ラストにしては、あまりにも、おざなりで……。
確かに綺麗にまとまってました。
感心もさせられました。
でも綺麗に終わらせなくていいから、ランスが主人公で終わってくれれば良かった。
エンディングが終わった時、そう思いました。
結局シコリは、最後ランスが主役でなく、今までのキャラクター達の掘り下げがなかったのが、心残りだったというわけですね。
でもこのゲームが良くなかったとは思いません。実際遊んでいる最中は楽しかったですし、面白かったですから。
とにもかくにも、エロゲ史上最高のシリーズだったのは言う間でもありません。
これでエロゲの心残りは、真・鬼畜王だけです。
……出してくれますかね? というか今回以上のボリュームになるのでは?(白目)
まあ、まずは有料パッチを(ry