久しぶりに通してプレイしたので。
かれこれ時間の経っている作品なので、感想はもはや作品に対する自分の確認用と言った感じです。
初回プレイ時、独特な文章と主人公の語りなどが合わず、開始1時間で一度プレイを中断し、投げてしまいました。個別に入ると、序盤で印象の強かったクセの強い文章は「若干」鳴りを潜め、読みやすく。
1年ほど積んでいたと思うのですが、声優さんの演技目当てで改めてプレイ。
日常にありながら死と隣り合わせという設定が、読み手に適度な緊張感を与えてくれます。ホラー描写はちょっと弱いですが、充分恐怖感を煽られました。
各ルートごとのテーマも判りやすく、少しずつ謎が解けていくスタイルなので、途中でプレイを中断させない上手さを感じます。
その仕様の結果ほぼ一本道なので、攻略順序は選択肢上のキャラから、を推奨です。(るい→花鶏→こより→伊代→茜子)
重い設定を感じさせないノリの軽いキャラ達が、作品のテーマとはアンバランスで、それがむしろ心地よい。仲間同士の絆が深まって呼び方が変わって行ったり、口調が砕けていく様が非常に好印象でした。
絵師さんに関して
塗りなどの水準が上がってきた昨今では、多少見劣りするかもしれません。
昔からこの画風の方ですが、流行りに流されずに自分の絵を描いていると言った感じで、クリエイターの個を感じられて個人的には好きです。場数もかなり踏んでいらっしゃるので、安定感もあります。
声優さんに関して
花鶏の声優さんだけ、キャラ作りとは違った棒っぽさが多少気になりましたが、全体的には合っているキャスティングだと思います。
初回プレイ時はキャラの魅力に気付けなかった為、ボイスは飛ばし飛ばしにしてしまったのですが…時間を置いての2週目では、力の入った演技を感じる事が出来ました。
何度もリピートした演技は、花鶏ルート病院のシーンでの智「みんなにも……連絡しないと……」泣いてしまうのを堪え、気丈に振る舞おうとする震え声が圧巻の一言。地上波の声優さんからもなかなか聞けない、素晴らしい演技でした。
好きな台詞は、レース前の智「勝たなくちゃ、色んなモノに。躓いてらんない。意地とか、責任とか、誰の事だとか。そんなことに躓いてらんない。どうしてって?負けちゃったら終わりだから」他にいくつでもあるのですが、この場面自体が好きなので。
キャラクターに関して
好きなキャラクターは、みんな好きなのですが、智、伊代、るい
智:メインヒロインです、プレイヤーは智を攻略するキャラを選びます。
伊代:何度か周回プレイをした後に好きになりました、メールのくだりがいじらしくて、グッときました。良い子です。
るい:あけすけな愛情がくすぐったい、犬ころ。
BGMに関して
印象の強いBGMも多く、作品にも合っていて安定してると思いました。
好きな楽曲は
約束はできないけど
譲れないもの
必ず
るいは智を呼ぶ