まさしく制作陣の作品への愛が感じられる作品だった。全ての立ち絵やCGにe-moteを使用、tipsに至るまで完全フルボイス、キャラ毎にOPやEDを作製するなど一切手を抜かず魂の作品になっていた。(長文感想の最後に微ネタバレあり)
みんなが優しい世界。
もっとこのまいてつの世界に浸っていたい、御一夜のみんなと一緒にいたい、そう思わせてくれる作品だった。
シナリオは大きな起伏はないものの復興への姿が丁寧に描かれており最後まで飽きることなくプレイ出来た。
ハチロクルートでは鉄道に関してかなり深く掘り下げているがtipsによる解説もあったため特に読んでいて苦になることはなかった。
(ここでは一番最後に個人的に最も好きだったシーンについて書いておく。)
絵に関してはやはりキャラは好みが分かれそうであったが個人的にはどのキャラも好きになることが出来た。
CGや背景、特に背景に関してはかなりこだわりを感られた。
BGMに関しては特にこの1曲というものはなかったがどのBGMもそのシーンにあっていてよりまいてつの素晴らしい世界観を生み出していた。
音楽に関してはグランドOPの曲がとても良かった、まさしくみんなが築き上げてきたレールを進んでいくといった作品を模した曲だった。
システムに関しては文句のつけようがなった。
ブックマークによる管理のおかげでセーブをしなくても好きなシーンに移動できるシステムはぜひ他のメーカーでも採用していただきたい。
また体験版ではボイスゲージが気になって仕方なかったがこういうところのon-offを付けてくれる細やかな配慮は流石だと思った。
エロについては今後追加パッチもくるため評価し難いがe-moteを使ったエロシーンの破壊力は抜群であった。
またサブにもしっかりエロが充実しているのは非常にありがたく個人的にふかみのエロシーンが至極であった。
ものべのでもそうであったがエロシーンが本編と別枠にされていることも物語に集中する上ではよい方法であると思う。
最後に個人的に作品中で最も好きだったシーンを述べておく。
ポーレットルートにおいて双鉄のことをずっと好きでいた日々姫が双鉄への想いを諦めるシーン。
「いってらっしゃい! ―バイバイ、にぃに」
日々姫ルートではないんだから結ばれることがないと分かってはいたがこのシーンは思わず涙してしまった。
ずっと昔から双鉄のことが好きだったから、誰にも負けない気持ちでいたからこそこの決心をした時の日々姫の気持ちは推し量れないものがあったと思う。
個別ヒロインのルートに入っても他のヒロインの気持ちがしっかりと描かれる作品は素晴らしいと思う。
このまいてつではそういった描写がちゃんと出来ているため良ければ好きなヒロインだけでなく全てのシナリオをプレイして欲しい。
最後にこの作品を生み出してくれたシナリオの進行豹さんを始め全てのスタッフに感謝します。