平凡でありながら光る部分が目に付くラブコメ
使い古された設定や予想の範囲内でまとまる展開とシナリオ。
これは評価が分かれる部分だろうがそれでありながらも楽しめるという
なんとも妙な感覚を味わえた作品。
これの要因となってるのはまずキャラの活き活きとした動き。
軽いノリのラブコメ作品だがその作風に非常に大事な日常シーンを
楽しく読ませるということが徹底されている。
特に幼馴染のモナカとのやり取りはある意味恋人になる前の方が
ニヤニヤできるんじゃないかと思えるほどにお互いのやり取りが軽妙。
鈍感主人公とツンデレヒロインはくっつくまでがイライラするため
苦手意識があったが上記の日常シーンの楽しませ方とお互いの心情のやり取りを
コミカルに描くことでイライラする部分を逆にニヤニヤさせるのは見事といえる。
シナリオ展開は昔よく見たような展開が多いのためか若干ヒロインと結ばれるのが遅く感じる。
ここでまた評価が分かれそうだが、日常シーンの出来のために個人的にはマイナス要因とはしないでおく。
また、その不足を補うように用意されたアフターシナリオはユーザーの不満な部分を
解消しようというメーカーの配慮が見られるのも印象が良い。
肝心のデュエルシーンは可もなく不可もなく、その部分の熱いバトルを求めるとやはり肩透かしといえるがラブコメでなら及第点といえるところか。
とにかく日常シーンと個別ルートのヒロインとのやり取りが失速することなく
最後まで楽しめるのは新規メーカーとしては見事。
ユーザーへの配慮も見え次回作も設定次第では安心して買えるメーカーとなりそう。
逆に言えばデュエルなどの設定は不安感が出るためこのライターの得意な部分からは
ちょっと離れているとも言えるかもしれない。