更生事実を知ってるのはプレイヤーのみ
大ネタバレを書いてますので、未プレイの方はご注意を!
今作は今までの様な大掛かりなミスリードは無く、誰もが
推測・予想したであろう結果だったのは、るーすぼーい氏特有の
作品に対する期待値で言えば肩透かしでした
伏線というよりもダチョウ倶楽部並の完全なフリに近い
コテコテなミスリードなので、あれで主人公=魔王と思う人は
まず居ないでしょう
でもシナリオは文句無く一級品です
二章辺りまでは、ビジネス相手のみならず友人達でさえ利用価値の
有無や金になるかどうかでしか見てない最低の下種野郎
だった主人公が、ヒロイン達の強さ、優しさ、脆さ、逞しさに
触れて行くうちに更生し、クライマックの取調室のシーンへと
繋がる訳です
あのシーンは、今作屈指の名シーンだと思っています
個人的に今作が優秀だと感じたのは、主人公(+周囲)と実像の温度差でした
中盤までの京介は正真正銘最低な屑人間なのに、自分では良識やモラルを
持った常識人間だと思ってて、周囲も同様の評価を京介に持っています
後半では更生して熱い漢になる訳ですが、ここでも自分が悪人から漢に
変わったという自覚は持ってません、ヒロイン達に感化され多少
改心したかな程度でしょう
周囲の評価も同様で、元々善人だと思われてたので大きな変化もおきません
実際は最低の屑野郎から熱い漢へ大変身してるのに、それを知ってるのは
プレイヤーだけというのが面白かったです
あえて欠点を挙げるとすると。。。
主人公の見せ場があの取調室のシーンだけで、それ以外では空気並の存在感
だった事でしょうか
物語は終始、ハルと魔王の対決を中心に進むので、ハルも魔王も
主人公は眼中に無い状態で【彼が魔王なのでは?】と思わせる為だけの
役回りだったのが残念でした