伏線の張り方は完璧、シナリオとしても優秀。でもライターさんに切り捨てられたっぽいキャラが・・・・・
主人公は良い奴なのか妄想癖のある性格破綻者っぽい危ない奴なのか、
訳分からない上に、何だかんだで問題を解決へと導くので理解不能です。
もう完全にヤク中のヤバイ奴全開って感じで・・・・・。
各章は、他作品で言えば個別ルートにあたり各ヒロインの抱えてる
問題を解決してハッピーエンド・・・・・となる所を、ノーマルエンドに
留めて次章へと繋がるように工夫されてます。
まず褒めたいのは、各章の出来が良い事。
こういった一本道のシナリオだと、最後の山場の出来が良くて
プレイ後の感想では良作に感じてても、途中のイベントやシナリオ
を改めて見返すと結構タルかったり手抜きだったりするのですが
今作では各章でも感動の山場があって、仮に最終章を省いて
各章を共通ルート後の個別シナリオ方式にした一般的な作品
として売り出してても高い評価が得られたと思います。
さちとまなの抱き合うシーンや京子のトラウマを幼い心の全てで
受け止める灯花の姿など、プレイヤーの心を震わす感動がありました。
そして満を持して明かされる最終章での大仕掛けのネタバレ。
この伏線の張り方が完璧です、もう本当に完璧なんです。
トリックを推理させないように、伏線を張る際はその伏線のオチを誤認
させる為のギミックを必ず使い、それが伏線である事すら気付かせない
超高等技術。
しかもそこからひと山ふた山とシナリオは更に加速し、一気に盛り上がって
くるもんだからプレイヤーはもう画面に釘付け状態です。
このライターさん、マジでタダもんじゃないです。
ここまで完璧に騙された作品って久しく出会ってませんでしたし、この
何とも言えない心地良さは名作として評価するのが相応しいと感じました。
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しかし南雲えりと言うキャラクターの意味は最後まで分かりませんでした。
OHPのキャラ紹介の一列目に表記され、詳細なキャラ紹介やサンプルボイスまで
あるのに、非攻略どころかオープニングで登場したと思ったら二言ほど
しゃべった後にあっさり殺されて、それ以後出番は一切ありません。
個人名すら付かない名も無き警備員の方がよっぽど台詞も出番も多いです。
もしかして大人の事情でシナリオカットされたキャラなのかな。