謎解き物のツボはしっかり押さえてあり、真相も２転３転と最後まで目が離せない。
え～ミステリー系や謎解き系の作品で私が最も重要視するのは【転】です。
クライマックスで２転３転する物語、息も付かせぬ驚愕の真相の数々、そして
これで終焉か？と思わせておいて、更なるどんでん返しといった具合に
最後まで気の抜けないシナリオこそ、謎解き物の醍醐味だと考えています。
その部分において、この作品は非常に優秀でクオリティの高い内容でした。
謎解き物なのでトルゥーシナリオ以外では消化不良のまま終わる点は致し方
ないですが、詰め込み過ぎか？と思われてた複線の数々もトルゥーシナリオでは
しっかりと回収され、何重にも織られたギミックにおいてもファンタジー（反則
すれすれ気味な部分もありますが）などに逃げず、最後の最後まで気の抜けない
シナリオ構成は圧巻です。
それでも名作級(90点以上)にしなかったのは、
トルゥーシナリオでも大団円でなかった事
真相部分のいくつかで、描写不足(説得力に欠ける)や疑問点(不整合と言う意味では
無いです)があった事
主人公の行動力と推理力が低く、最重要部分の殆どは他キャラが解き明かすので
謎解き物の最高の見せ場である主人公の【名探偵】ぶりが皆無であった事
以上の点で、名作級には今一歩及ばずといった感じです。