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lifefinishさんのISLANDの長文感想

ユーザー
lifefinish
ゲーム
ISLAND
ブランド
FrontWing
得点
85
参照数
2521

一言コメント

これは『せつなとえいえんのおとぎばなし』である。長文感想はプレイ時の状況を振り返った雑記。大それた考察はなし

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

2016年4月28日:どうもENDリストの最後が埋まらない。フローチャートはおそらく完成
2016年4月29日22時15分:フルコンプ。追記を「※」を付けて途中に。残りを最後に

以下、忘備録

I know the reason why I must fight.
...and why I am fighting.
BUt this is the end, not the beginning.
I still remember those days spent with you... even now!
俺には、負けられない理由がある――
そして――負けない理由も
――そう、これはあの日の雪辱戦
負け続けた俺だからこそ出せる――至高の一手! (真夏編のとある日常シーンより抜粋)

[プレイ時間内訳]+[攻略順]
ISLANND(夏蓮・紗羅は1周目。凛音は2周目)
夏編
体験版範囲(共通√)約2時間15分+残り共通√約15分(ここまでの各種BAD回収済み)→夏蓮√約2時間20分→紗羅√約2時間10分→凛音√(1)約2時間30分

NEVERISLAND
冬編(リンネ√)約3時間15分
※最終√でここでの話は過去編であったことが判明。プレイ中に違和感を感じてたのでスッキリ。ただ、僕が鈍感で読み飛ばしていただけの可能性と未来に飛んだ云々の描写は間違いなくあってミスリードだったかもしれなので無難に冬編と訂正

ISLAND(3周目)
真夏編
凛音√(2)約1時間15分
※リンネ√(True)約45分 (END名は Re: となっているがここでは分かりやすくするためリンネ√やTrue表記とする)

予約特典ボイスドラマ+その他フローチャート埋め(約1時間)

[ヒロインの好み]
凛音=紗羅=夏蓮
※リンネ=凛音=紗羅=夏蓮


いちおう大まかな攻略はフローチャートを駆使しながら総当たりで簡単に出来る(※Trueに入れない場合は攻略サイトを見ましょう)非18禁なのでもちろんそういうシーンはなし。ジャンルとしてはSFモノのシナリオゲーと言っていいのだろうか。僕は普段そこまでSFモノを嗜まないので偉そうなことは言えないので深く突っ込まないでいただきたい
ここには全√の概要と感想を書いていきたかったのだが、哀しいかなプレイ中にメモを取っておらず、自分なりの解釈を含め細部まで思い出して書くことは困難に感じたので総評だけ


1周目は過去の伝承や浦島理論や他SFモノで良くある理論解説が印象深い。個別に突入前から個別突入後まで多くの回想を小出しにして伏線(?)を撒いていた。夏蓮・紗羅の両ヒロインは「今に夢見る少女」と「未来に怯える少女」といったところ。どちらもお家関係の問題をなんだかんだと解決するのだが、特筆すべきは夏蓮√のエピローグで主人公が逮捕され、刑務所暮らしを経験し、出所してからヒロインと結ばれていること。これは正直、感心しながら笑ってしまった

2周目。ここでのヒロインは凛音。「過去に囚われた少女」といったところ。今回も序盤も基本は1周目と同じ凛音√に分岐すると二人のイチャイチャ劇から、二人の過去からの業が成せる愛憎劇まで、萌え要素と鬱要素が楽しめる。……田村ゆかりさんの演技がめちゃくちゃ凄くて鳥肌立ってしまった。自分が命を掛けてまで愛したかった人間から拒絶されるのは辛すぎるよね。……一部の解釈が難しい気もするが、各々自分の信じたものが正しいと思われる。ただ、終盤は誰が見ても分かる悲愛。凛音を救えなかった主人公が、とある人物たちの力を借りてタイムトラベルしたところで2周目が終わるのだが、ここから話の流れ(雰囲気)が変わってしまって驚いた

冬編(※過去編)は一本道で、未来っぽさよりもファンタジーモノっぽさを感じた。ここら辺が話の流れ(雰囲気)が変わったと感じた理由だろう。各ヒロインそっくりな別人(語彙力がなくて適切な表現が思いつかなかった)がいる世界で主人公が彼女たちと関わりつつ、再び過去を目指す。ここでの主人公はタイムトラベル(※冷凍睡眠(コールドスリープ)に就くことで2万年前に飛ばされたため)の影響で記憶があやふやであり一難も二難もある。要所で理論解説を挟みつつ話が展開するが、どちらかといえばそこまで重要ではなく、理論に頼らないヒューマンドラマ的要素を色濃く感じた
※この冬編がリンネ√での伏線となる

3周目は強くてニューゲームといったところ。今度の主人公はだいたいの記憶を保持したまま凛音(リンネ)と再び巡り合う。1周目のような日常がくり返されるが微妙に意味が違っている。僕はここまでプレイした分、多くのキャラに愛着が湧いており何気ない日常で泣いてしまう事態が発生した。……そして、過去から未来・現在までの『刹那と凛音』の物語――『せつなとえいえんのおとぎばなし』――は終幕を迎える。愛とは、家族とは、人生とは、なんだか多くの事を考えさせられたような気がする。母は強い。あと、結婚はいいぞ(※ただし、凛音√に分岐した場合のみの話)

以上。支離滅裂だったり参考にならない感想で申し訳ない
フルコンプ後にまた手直しする予定


フルコンプしたので以下追記↓

3周目のリンネ√(True)では玖音=リンネとして冬編の伏線が回収される。この√は間違いなく1番重要なところである。物語は永遠に、伝承は繰り返す。ビターENDってことでよろしいか? 好物です

一言:
ひまわりの過去編~アクア√の出来が素晴らしく、ごぉ氏のシナリオに惚れた僕だが、今作はそれ以上の出来だったと言わざるをえないし、敬服するほかない。……どちらのシナリオにも何度も何度も泣かされたし感情論で端的に語ると「最高だ」って感じだ

疑問:
結局、 鶏が先か、卵が先か という因果性のジレンマに関するお話になっているような気がするのだが僕の頭では整理できないので誰か解答を教えてくれ。助けてくれ
冷凍睡眠(コールドスリープ)で時を超えると、記憶を失う → 切那は時を超えたのちに凛音と出会う度におぼろげに思い出していた → じゃあ最初に流れ着いたときは少なくとも何周目の世界なの? etc……etc……

コピペ:
切那(セツナ)は何度凛音(リンネ)を失い、タイムマシンを求めて旅立った?
切那(セツナ)と凛音(リンネ)は何度アイランドを崩壊させ、冷凍睡眠(コールドスリープ)に就いた?
一体、何回悲劇を繰り返してきた?
一体、何人の凛音(リンネ)を犠牲にしてきた?
一体、何時から同じ事を続けてきた?
――――同じ事?
そうか……だからなのか。
だから俺は、この時代で記憶を取り戻したのか。
何度も何度も繰り返し続けてきたから、
経験を体に染みつかせてきたから、
記憶を取り戻すことができたのか。
だから俺は、この時代の凛音を救えたのか。
何人も何人も失い続けてきたから、
失敗を体に刻み込んできたから、
あいつを救うことができたのか。
俺は、たくさんの人に支えられてここまで旅を続けてきた。
だけど、なにより――数えきれないほどの、凛音(リンネ)に支えられていた。
ある時には凛音の命を奪い、ある時にはリンネの夢を奪い――。
そうすることで、旅を続けてきた。
そうすることでしか、旅を続けられなかった。
だけど、立ち止まるわけにはいかなかった。
もしもどこかで立ち止まってしまえば――これまでの凛音(リンネ)の犠牲が無駄になるから。
ただひたすらに、前に進み続けるしかなかった。
その度に犠牲が増えていくという、矛盾を抱えたまま――。
――だけど、今回だけは違った。
この時代の凛音だけは、救うことができた。
数えきれないほどの犠牲の果てに、
ようやく、たった一人、救ってやれた。
もうこれ以上、凛音(リンネ)を犠牲にはしない。
もうこれ以上、悲劇は繰り返さない。
そうだ、俺のために犠牲になる凛音(リンネ)は、お前が最後だ、リンネ。
だからさ――。
もう少しだけ、そこで待っていてくれないか?
やるべき事をやり終えたら
――過去の凛音(リンネ)を救い終えたら、
必ず会いに行くから。
最後にお前を、救いに行くから。
なぁリンネ――その時こそ始めようじゃないか。
――俺とお前の、本当の物語を――。

つまり:
輪廻転生と平行世界とタイムトラベルの話だった……? 余計にわからんぞ。考察班はよ


おしまい