令和や平成終わりの作品と比較すれば物足りなさはある。それでもそこそこ楽しめた。軽めなループものというべきか
『Never 7 - The End of Infinity』は、KIDの「Infinity」シリーズの第一作目にあたるビジュアルノベルで、時間ループやSF要素を含んだ恋愛アドベンチャーゲームです。
ストーリーと雰囲気
物語は、主人公・橘慎司が大学のゼミ合宿として訪れた孤島で展開されます。最初は典型的なギャルゲーの雰囲気ですが、プレイを進めるうちに「死の運命」「ループ」といった不穏な要素が明らかになっていきます。特に特定のヒロインルートでは「運命を変えることができるのか?」というテーマが深く掘り下げられており、SF好きにはたまらない展開です。
キャラクターの魅力
ヒロインたちはそれぞれ個性的で、序盤は明るく日常的なイベントを楽しめます。しかし、物語が進むにつれて彼女たちの抱える秘密や、ループの中で変化する関係性が明らかになり、プレイヤーの感情を揺さぶります。特にユカリのルートでは、シリーズの根幹に関わる要素が見えてくるため、Infinityシリーズの入り口としても重要な作品だと感じました。
ゲームシステムとループ要素
本作では、一度プレイしただけでは全貌が分からず、ルートを繰り返すことで新たな事実が明らかになる仕組みになっています。初見ではただの恋愛ADVに思えても、プレイを重ねるごとに「運命を変えることはできるのか?」という命題がプレイヤーの前に突きつけられます。後の『Ever17』『Remember11』ほど重厚なループ構造ではありませんが、シリーズの基礎としての魅力は十分に感じられます。
総評
『Never 7』は、後のInfinityシリーズの基盤を作った作品であり、恋愛ADVとしての完成度も高い一方、ループSFとしての魅力も兼ね備えた作品です。シリーズをすべてプレイするとより深く楽しめるので、KID作品が好きな人や、時間ループ系のストーリーに興味がある人にはぜひプレイしてほしい作品です。