橘真琴の正体は・・・この設定に興ざめ。
長編、無料配布。1-3章(伏線拡散)+4章(真相)の構成です。
選択肢なし、私はスキップなしで読了時間が13時間ほどかかりました。
1-3章までは物語の伏線を広げていきます。
伏線を広げながら、大学生(相談者)がカウンセリングを通して成長していくお話です。
同年代であれば物語になおのこと没頭できるのではないでしょうか。
大学生達の悩みがざっくり言うと「将来の不安」なので同年代に共感を特に得やすいと思います。
また、真琴が行うカウンセリングは、心理学というより自己啓発?に近いやり方でした。
ノベルゲームとしては理屈っぽ過ぎないように、カウンセリングの解説も図面で説明するなど、
読者へむけてうまく文章を綴られていたと思います。こちらはとても好印象。
しかし読みやすくはあったのですが、勉学の色が強く感じて、娯楽やゲームと考えれば楽しくありませんでした。
続いて肝となる4章は、3章に登場したキャラが活躍し、いよいよ真琴の軌跡と正体についてが明かされます。
真琴の軌跡は学校生活や家庭環境など、とても辛く、私は読んでいて胸が苦しくなりました。
彼女はどんな過程でカウンセラーを目指したのか、人生を追体験するように物語は進んでいきます。
しかし途中から私がこの作品の評価を爆下げしてしまう「真琴の正体と未知なる機械」が登場します。
実は真琴は・・・。今までリアリティに描かれたお話が陳腐に感じて、一気に興ざめへと私の心は変貌しました。
終盤、一気に盛り上がる場面に、しっとりとした音楽ではなく、ロック調なのも興ざめに拍車をかけて、最終的に物語は後日談もなく、尻切れトンボ的に幕を閉じてしまいます。
正直に言ってネット上の絶賛の嵐が自分には理解できませんでした。
評判の悪いレビューを見たことがないし、期待値が大きすぎたのもありますが、真琴の正体を知ってからは、一ヶ月ほど私は思考停止でプレイを一端中断していました。それほど真琴の正体から物語の陳腐さが際だって感じました。
以前に読んだ「アルティメット・ノベル・ゲーム・ギャラクティカ」よりダメージは大きいです。
橘真琴の正体をその次元で見てなかったので私は受け入れられません。
最後まで読んで本当に時間を無駄にしました。