色々逃げ方はあったと思うんだけどなあ…
放課後シンデレラのライターで、
体験版の感じからしてギャグテイストなんだろうなと思いつつ、
同じく放課後シンデレラのライターさんで
他ブランドで大化けしてドシリアスを書いてきたパターンがあったので、
そういう化学反応に期待しつつ、購入。
正直スタッフを全とっかえしたんかってくらいに放課後シンデレラのナントカSOFTだった。
一応TRUEに入る直前でパープルっぽさの片りんも見えたんだけど、
中に入ってしまうと対してそこまでのルートと変わりません。
何のひねりもなくぶつ切り型のキャラゲーという感じで、
ヒロインがハマれば高得点だし、ダメなら低評価にせざるをえないパターン。
個人的にこの類は苦手なので、気に入ったヒロインだけやって投げちゃうことが多いんだけど、
テンポの良さと「短さ」も相まって、そこまで完走自体は苦ではなかった。
広く言える評価点はテンポのよいヒロインとのやり取りでしょうね。
特に大きな山も谷もなく、いちゃラブして終わる話が9割。
そこそこに笑いどころやえろげならではお約束の展開などもあり、
退屈だと感じる部分は少なかったように思える。
ヒロインもとびぬけて好きな子はいないけど、
テンプレートに頼りすぎない、でも退屈しない程度の濃さがそれぞれにあり、
この辺は質が高いといえると思う。
きになったのは効果音の使い方。
この手のぶつ切り型のラブコメ作品にみんなありがちなんだけど、
ツッコミの音とかチーンとかって本気で面白いと思ってやってるのかね?
なんか効果音でゴリおして無理に笑わせてる印象しか残らなかった。
この辺の使い方もまるで有名他社を丸コピしたような出来で、
まじでスタッフが入れ替わっているのかと思った。
広く言える問題点はマジで短い!!
前月にムーンゴーストをミドルで出していたけど、
体感だとこっちのが短かったように思う。
この内容の薄さでフルプラはアカンでしょう…正直。
一応5ルートあるし、シーンも一人当たり4シーンあるんだけど、
それを除くと読み物として各ルート1時間もないんじゃないかな。
その弊害なのか七つの大罪とか、問題が起きた場面でのヒロインや主人公の心理描写が
スッカスカで胸に来るものがありそうでまったくない、
はっきり言ってしまえばかなり残念だった。
ラブコメとして見れば、好きなヒロインがいればってところだけど、
他の会社でもっとそういうの上手く作るとこあるじゃんと思ってしまう。
いっそ探索パートを増やして謎解きのようなゲーム強化するとか、
そっち方向に振り切った方が正解だったのではないかと思ってしまう。
個人的な評価点として大学生の恋愛物として見るならありだと思う。
まず原画。
非常にヒロインの裸の描写がよくて、
いわゆる乳袋的なものに頼らずにリアルなオンナの身体という感じで
乳の程よい垂れ具合なんかは結構刺さった。
さらにそこに大学生設定が上手く乗っている印象。
事後の朝に自分の部屋を油断しまくった全裸の彼女が這いずり回ってるみたいな、
時間の有り余った大学生ならではの堕落した時間の流れが伝わってきて、
その辺のリアリティに関しては妙に刺さるものがあった。
今回R18作品初めてのようだが、
またパープルで原画やってほしいなと個人的に思う。
以下プレイしながらの各ルートの感想
キリ(各ルートで語るのは早計かな)80点
シナリオ自体は本当に普通だった。
HOOKSOFTみたいなシリアス一切なしでラブラブしてるだけってやつ
一応少女漫画を描くための題材集めみたいなテーマはあるんだけど、
まあそれが何か大きな意味を持っているようにも感じなかった
別につまらないわけではなく、会話のテンポ感が良くて
女友達の距離感のまま、そのまま恋人なったかのような
居心地の良さは十分に感じられた。
程よく締めたり突っ込んだりしてくれて、
遠慮のない成熟した関係性だなと感じた。
ヒバナルート 75点
まあ、本当にいちゃいちゃしてるだけで書くことがない…
キリのルートに関しては向かっていくものが一応あったけど、
このルートに関してはそれもないし。
会話は相変わらずテンポよく進む。
幼いころからの憧れであるツミのお嫁さんになる目標のために
健気にツミのことを隅まで知ろうとする、
ストーカー根性、もとい努力の証に人によってはドキドキするのかもしれない。
見た目まんまのメスガキor地雷系って感じではなくて、
意外と家庭的だったり、
男にとっての「いい女」になろうとしてる感じが健気で素直に好感。
あと、立ち絵が豊富でポーズがころころ変わるのは可愛かったかな。
本当に書くことがないです、終わり。
マツリルート 77点
ほぼ、体験版範囲のマツリの雰囲気を踏襲した
性欲の強いエロい子と付き合ったらって感じのルート
作品や原画の雰囲気が一番マッチしてたかなとは思う。
一応勘違いから一悶着みたいなのもなくはないので、
ヒバナのルートよりは楽しく読めたかなと思う。
マツリにつられて二人で妄想が暴走しまくってる感じは
素直に面白かったかな。
絵の話になるけど、裸になったときの乳のたれ具合がエロかったですね。
いわゆる乳袋に頼らずに、リアルなオンナの身体で勝負してる感じがして、
個人的には最大の評価点かな。
ルナルート 78点
まあ、こんなもんかな。
食欲以外はわりと普通の子というか、
マツリのあとにやるとインパクトが欠けるかなという印象を受けた。
飯食って、エッチして、たまに病院行ってたら終わっちゃった…笑
一応謎の声の正体っぽい先生がでてきたけど、
そこに意味があるのかどうかってところかな。
いわゆる変人タイプじゃないので、
人並に羞恥心があるみたいで
大食いをコンプレックスとしてとらえて
隠そうとしたり、恥じらったりしてる感じや
太ったらやだって言ってダイエットに励んだりする感じは
素直に可愛いと思ったかな。
あと声も合ってたと思う、控えめな感じがね。
うん、それくらいかな…。
ナナルート(TRUE) 83点
4人のルートからそのままつながったときはおっ!と思ったんだけど、
やってることはほとんど他の4人の変わらないよなあ…。
4人を通じて愛していたのは本来のナナで、
そのことがツミが自分の想いに気づくきっかけになったし、
ナナにとっても当たり前の関係を前に進めるきっかけになったって
結構単純な幼なじみもののラブストーリーだよなあ。
キャラとして他の4人やってるときに可愛いなあって思ってた部分を
ちゃんと拾ってたし、ルートごとの満足度としては一番かな。
ただそれ以上でもそれ以下でもないって感じ。
一応4人がナナに向き合うきっかけを与えるシーンは
二人の物語が動きだす感じでわくわくしたけど、
役目を終えた別人格に消えるなというシーンは正直要る?って感じだったし、
いっそ4人の記憶を二人から消してしまって、ナナが何か道に迷ったときに支えてくれる
不思議な力くらいにした方がエモーショナルになったんじゃないかなと思う。
まあ、ナナのあらゆる欲望をむき出しで体当たりな感じは可愛かったし、
当たり前の中で見えなくなっていたお互いの成長や成熟が爆発して、
恋愛になっていく感じは幼なじみらしさがあってよかったと思う。
<全体の感想>
大学生の恋愛物として、さらにミドルプライスで出ていれば
ギリありかなくらいの満足度。
少なくとも自分がこのブランドに求めているものではないかな。
いろいろ惜しいとも思うんだ。
もっと七つの大罪の部分を広げて、
ヒロインとの別離を強く意識させる作風にするとか、
いっそヒロイン型のゲームとして振り切って、
もっと選択肢や行動選択の多い謎解きのような
エンターテイメント性の高い作品にするとか、
色々逃げ道はあったと思うんだけどなあ…。
あと、個人的にサントラが別売りになったのが残念ですね。
良かった点としてはそこそこヒロインとのやり取りが楽しかったのと、
裸を中心としたリアルかつ挑戦的な絵かなあ…。
頭からっぽにしてできるラブコメとしてはある程度おすすめできるけど、
このブランドでおすすめ聞かれて、多分本作の名前を出すことはないし、
求めているものとはだいぶ違う方向性だったなという印象。
まあ、体験版がそういう雰囲気なのでけして詐欺とかそういうのではないんだけど、
せめてもうちょっと探索と問い詰めをやりたかった…
推しヒロイン:ナナ、マツリ
推しルート:ナナ
基礎点 38/50
熱中度 22/30
システム音楽等 12/15(お気に入りボイス機能はいい、けばけばしい雰囲気でかっこいい)
補正得点 2/5(さすがに短すぎ)
合計 75/100