許せないってのもわかるけど…
素直に物語としておもしろかったです。
まず、いまいちな点としては
①死の観念と、恋愛観が軽い。
人死にすぎでしょう、さすがに。あめさん推しだったので、逝った段階でやめてやろうかと思った。
ほんとに近くにコーヒー買いに行くような感覚でバッタバタ死にます。特に天使ルート。
好きなキャラが死んで悲しいとか以上に感情移入ができなくなるのが問題。
せっかく好きな人物でもそこで一本線を引かれたような感覚があって読んでて寂しかったです。
一応、フォローとしては羽根ってもの自体がそういう存在(サリンジャーのバナナフィッシュみたいな)
として描かれているので、それを持っている連中、それによって歪められた連中っていうのは、
その死へのスイッチのようなものを押されるのを待っているような連中としてとらえられなくもない、
とは思えなくもないかな。
その点シンジュルートは綺麗というか、生きることで償っていくというのは
自分の中の生死の観念と合ってて読みやすかったですね。
あと、恋愛描写。
梯子くんは天使を好きになる糸口がいまいちわからなかった。
端から人間じゃないってわかってる存在に恋するためには相当な理由がないとって思うんだけど、
あんまりそこが見えなかったかな。
②天の存在など、全体的にご都合主義感
希望くん周辺の描写が薄いせいで、物語の土壇場になって急にいろんな設定が出てくるから、
すんごい振り回された。
あと、両ルートに言えることとして、明日香の存在がなあ…ほったらかしじゃないですか、
いいの?この子ゆがまない?ってなっちゃった。
これくらいです。
逆にいうと他の部分がとてもよかった。
演出と音楽は両方120点。今までやってきた作品でもトップクラスによかった。
明日香は結構適当だったけど、他の人物像はよくできてたなあと思います。
いい部分だけじゃなく、「誰かを蹴落とすことで優位に立ちたい」みたいな黒い部分というか、
それを羽根という題材をもとに物語らしくまとめられていて、
シナリオ総体としては良かったかなと思う。
ただし、結構黒いし、ヒロインであろうと思い切ったことをするので、
そこを好きになれるかどうかはその人次第かな。
ルートとしては、シンジュルートの方が好きです。
天使ルートも綺麗といえば綺麗なんだけどね。
やっぱり死を選択して(夜に紛れて)しまうより、
まっすぐに生きようとする人間がしっかりと生きていくルートの方が素直に好感が持てるなと思います。
恋愛ゲームのキャラとしてはあめさんが好きです。なんで死んだのかよくわかりません…返して笑