SFと純愛と、でも純愛。
タイトルや紹介文から、がっつりとしたSF作品を期待してプレイ
実際のところはSF要素が絡むのはメインの3人くらいで、他ヒロインは純愛ベースのキャラゲーといった感じ。
SFが絡むといっても、メイン3人に関しても基本的には恋愛が軸。恋心が主人公とヒロインの原動力になっていることに相違はないと思います。
7人もヒロインがいるうえに属性がばらつくように作られているので、誰かしら何かしら刺さるものが
プレイヤーそれぞれに生まれそうです。
個人的ランクとして個々に点数をつけるなら
雨音:S 88
うぐいす:A 82
灯華:A 80
聖衣良:S 90
栞菜:A⁺ 84
霧子:A‐ 77
きらり:C 51
こんな感じ。雨音と聖衣良が好きです。
全体的にみると、
BADポイント
・思ってたよりSFしてなかった
・主人公の性格にばらつきがあった。
・丁寧には作られているけれど、背景の使いまわしが多い。
・攻略順が重要なわりにルートロックがない。
・一部Rシーンの構図がいまいち
反対に良い点として
・根幹となるSF要素はわかりやすいわりによく練られている。
特に雨音ルートは実質のグランドのようになっており、ルート全体が、
「未来と過去がつながったら、どんなことをやり直すか」という作品の触れ込み文の答えになっている
つながった先の人間と前の人間、それぞれの心情に寄り添った内容でなっていてそこもよいなと思いました。
・タイトルもちゃんと回収されます。
「月の彼方」という言葉に重みを感じますね。
普遍的なものになっていて、それこそ「集合的無意識」そのものであるとおもうので、
共感もしやすいはず。前向きな「今」とか「生」への肯定になっているのがいいですね。
・いちゃラブ要素が質が高い
予想外にどのルートでもちゃんと恋愛します。
刺さりさえすれば純愛もしくはラブコメとして楽しくプレイできるはず。
個人的には聖衣良が好きでしたね。時を経て色々成長した、でもまだまだ子供、
そういう難しい年代の女の子の心理描写が巧く、どんどん引き込まれました。
・音楽
ここのブランドの最大の美点だと思います。
ずっと聴いていられるBGMとボーカル曲。
好みはあるかと思いますが、個人的には最高峰だと思ってます。
まとめると、
ゴリゴリのSFを期待すると、プレイ時間のうち8割でがっかりするかもですが、
その残りの2割はなかなか面白いですし、
ヒロインをさーっとみて、「この子と恋愛してみたい!」って子が2,3人いるなら
プレイしてみるのもありだと思います。