minori流の青春学園モノ
全体として
minoriの自分の中の印象が暗い題材のシナリオを
ビジュアルの暴力でこれでもかと見せつける
って感じだったんですけど。
この作品に関しては、凄く爽やか。
悪役がいない、見てて気持ちよくなれる感じのストーリー。
【もろもろ思ったこと】
・仰々しいあらすじのわりにあっさりしてると思います。鬱々とした状態からのカタルシスを求めてる人には合わないかも。メンタル豆腐な自分でもお腹がまったく痛くならなかったです。
・クロガネとの契約については、もっと代償が重くてもよかったし、全体的にそこへの緊張感が欠けているかなと思いました。
・ルートごとの違いがあんまりないです。祈莉のルートは実質のトゥルーになるので、クロガネの正体や「ソノヒノケモノニハ、」とは何であったのかみたいなのは、触れてくれますが、本質的には3人とも同じ流れなので、もう少し変化が欲しかったかも。一人くらい代償を受け入れるとか、ね。
ここからポジティブ寄りです
・あっさりしてる分、読んでて気持ちよかったです。単調ではあるけど嫌いではない類のシナリオでした。
瑠奈のルートなんかは才能はあるけど演劇のプロになれるほどでもない中途半端な現実を受け入れきれない葛藤と、それを乗り越えていく成長物語として綺麗だったなあと思います。
・祈莉ルートの出来
メッセージがポジティブでいいなって思いました。
ちゃんと「ソノヒノケモノニハ、」がどういう風に作られたものなのか、クロガネの正体は何であるのかを拾いつつ、物語にリンクさせながら、祈莉自身が契約の代償を拒否し、恋とはなんなのか、獣ではなく人間であるというのは、どういう楽しみや苦しみがあって、律希くんとの間にどういう答えを出すのか。
その辺が凄く前向きに刺さって、心からこの作品を最後まで見届けてよかったなという気分になりました。
・演出などminori部分
言うまでもないです。このブランドにハマると他のブランドができなくなりそうです笑
・キャラクター
みんないいです。演劇部を取り巻く空気感もいいですし、クロガネをはじめ、サブキャラもみんな魅力的。
もっと演劇が見たかったって感想があるみたいですけど、
個人的にはこの目標に向かって塊になってあーでもないこーでもないってやってる、この青春感こそがこの作品の魅力なんじゃないかなと思ってます。
総合すると、、、
重厚なシナリオを求める人にはきっと物足りないです。
シナリオを通じて、ヒロインをより好きになっていく作品だと考えるとよいと思います。
特に演劇部の空気感は、minoriさんの高い演出力も相まって凄く癒されましたね。
恋愛ゲームとしても凄く出来はよく、自分のために女になっていく巨乳ちゃんたちに虜になること間違いなしです!