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lein2709さんのお嬢様は素直になれないの長文感想

ユーザー
lein2709
ゲーム
お嬢様は素直になれない
ブランド
ensemble
得点
84
参照数
28

一言コメント

現状最後のお嬢様シリーズ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ensembleといえば女装みたいなイメージがあって、
何かと影に隠れがちなお嬢様シリーズ。
その中でもかなり影が薄い印象があります。

シナリオに関してはたぶんよく言われるいつものensembleだと思います。
一方で何かの記念作だったみたいで、演出は結構凝っていたり、変わった取り組みをしていたり、
そこそこの気合を持って作られた作品ではあるのかなと感じました。

演出面だと共通ルートが章立て方式になっていて次回予告が挟まれます。
だからなんだと言われればそうなんですが、個人的には結構好きでした。

軒並み不評な複数の原画家に関しても、こういった気合いの空回りなのかなという印象を受けます。
美紅先輩がひときわ不評ですが、個人的にはまあそこまでかな…
(単純に変態枠としてもお姉さま枠としてもどっちつかz…)
ただ同一作品のなかでここまで整合性が取れていないのは
さすがに微妙かなと思いました。
個々で見ればそこまで嫌いじゃないです。

あとは謎のシーンのモーション化…
もうちょいいい使い方できなかったかなあ…
絵自体は凄くエロいのに、使いどころもクオリティも正直微妙…
本作以降やってないところみると感触が悪かったのかなと思います。

とはいえ、キャラ萌えゲーとしてはそこそこ満足できてます
本作は尖ったヒロインがいない代わりに、
平均点が高くてみんなそれぞれに魅力的でした。
第一印象で恵梨香のことが気に入って、
個別プレイすることでなつきと六花のことも結構好きになりました。
美紅と久遠も悪くないですし、ヒロインの魅力という観点からすると、
十分にやってよかったなと思えるレベルでした。

あとなぜかあまり言われてませんが、巨乳祭りです、本作。
ensembleシナリオを楽しめるおっぱい星人ならば、
萌え抜きゲーとしてかなり満足できるのではないでしょうか。
まあ、私のことなんですけど…笑
作中でデカいことがネタになっている美紅先輩を筆頭に
みんな立派なものを持っています。
美紅先輩のキツキツ妹シャツプレイもたまらんでした。
個人的に恵梨香が最高でしたね。
本人かなり生真面目なタイプなのに、
立ち絵で腕を組むだけで
その腕に双丘が乗っかってしまうレベルのボインちゃんなので、
ある意味本作で一番楽しめた「ギャップ」かもしれないです。
ついに主人公にもそのデカパイっぷりを指摘されて、
恥ずかしそうにブリブリしてるのも、
大変エロ可愛かったです。ごちそうさまでした。
あと、乳じゃないんですけどなつきのアフターは
個人的にensemble屈指のシコリティの高さでした…
ぜひプレイして確かめて欲しい、乳じゃないってのがヒントです。


個別ルートメモ

美紅先輩ルート 85点
すこぶる評判が悪いので先にやってしまおうと思ったけど、
年上のお姉さんにからかわれながら、いちゃラブするだけのルートと思えば及第点。
シュベスタの関連のところが薄くて、遠くから見ているような感じになっているのが
少し残念というか、この人の立ち位置的に仕方がないんだけど、
ガードとして主人公と歩いていこうとする結末は素敵だと思います。
その理由の部分がちゃんと主人公のこと見てリスペクトしてくれている
相談役の美紅先輩らしい観察眼が垣間見える感じ気がします。
「笑顔も、ぼやきも泣き言も、そして感謝の言葉も全部」
結構好きです。表の顔だとしても包容力のある年上らしい矜持だと思います。
キャラとして、ヒロインとしては
年上らしい学園のみんなの相談役でありながら、
主人公を手のひらで転がすお姉さん的な側面もありという二面性。
さらには、ensembleらしい変態枠と見せかけてそれとは非なる、
自分自身の変態性に対してちゃんと恥じらいを持っているタイプだから、
嫌々いいながら性欲にずぶずぶ溺れるようなスケベさも持ち合わせていて、
どの角度から見てもおいしいヒロインだったなという印象です。
みんな言ってる原画は、たしかに浮いてるし癖がある。
でも見れないことはないし、
シーンCGなんかは表情とか含めてエロ可愛く描かれていたなという印象です
総合して色々割り切る必要はあれど、全然赦すことのできる範疇だと思います。
妹プレイがドエロかったですね…笑 その乳のデカさで妹は無理だろって…好きです


なつきルート 86点
素直になれるなれないは置いておいて、
ギャップ萌えは十分に感じられるルートだったように思います。
幼馴染らしい、昔と今で変わらない部分、大人になった部分をひっくるめて
お互いを認めていくようなオーソドックスな内容でした。
久遠の出番が多かったり、ガードでありシュベスタでありってところが主人公と重なっていたり
作品全体としても変化球の少ない中心にあるようなルートなのではないでしょうか。
シーンだったり、最後の学祭のシーンだったりで思いもよらぬ甘い言葉を吐いてくる感じは
なかなかの破壊力だったと思います。
惜しむらくは、シーンが少ないことと付き合ってからの時間が短いところですかね。
一番の問題であろう、なつきのガード罷免問題を付き合う前に時間をかけて解決するので、
恋人になったからこそって部分がまるごと抜けている印象を受けました。
とはいえ、美紅先輩が直球でえろかったのと比較して、
さりげない吐く言葉の破壊力やえろさは彼女の方が上かもですね。
悪くないねって感想に落ち着きました。
…アフターシナリオのシーンえろすぎません?これだけでルート点数2点上げちゃう…!

六花ルート 85点
単純にほどよいブラコン具合で可愛かったですね。
あと、おっぱいがでかい。妹らしからぬ…けしからん!
まあ、義妹とはいえ近親者なので、その辺の葛藤やお互い距離感が分からなくなって
ギクシャクしてしまうような描写もありつつ、最終的にはラブラブになって、
学祭のモデルも大成功という感じでハッピーエンドという感じでした。
お嬢様シリーズの素敵主人公にわりにヤキモチ焼きだったり、
海外にいたころの六花のことを気にかけてたり、主人公の感情がダイレクトに出ているのも
義妹ならではの信頼感といえそうですね。
シナリオ自体は薄味ですが、萌えという点では邪魔するものが少なく、
そこそこ良かったかなあという読後感です。
美紅先輩や久遠など他ヒロインの活躍の場も多かったのも評価点です。
モデルになるのではなく、主人公のもとに戻ってくる結末も六花らしいかなと思います。
あくまで彼女の軸はガードであり、シュベスタであり、大切な人の横にいることなんでしょうね。

恵梨香ルート 83点
タイトルである「素直になれない」要素は今までで一番出ていたかなと思います。
なんというかしっかりしてそうなのに、意外と子供ぽかったり、
感情的になってあとで後悔していたり、大人になりきれない部分の多い恵梨香が可愛かった
それに尽きるかなと。シナリオ的に凄く面白いというよりね。
とにかく身体がえろい!!もうそれだけで得点を上げたくなってしまうくらい!
生真面目系委員長キャラがこんなにでかい乳をしていること自体がギルティなのに、
意外とむっつりっぽい一面もあってそこも可愛いし、いうことなし!!

久遠ルート 84点
あんまりお嬢様っぽさのない正真正銘のお嬢様
ヒロイン側にライバルが登場する展開は結構珍しいような気がします。
それ自体は大きな展開にはならないんだけど、
久遠を揺さぶってそのかわいらしさを引き立てるにはいいスパイスだったかなあ。
このルートに限った話ではないんだけど、ガード関係の話は正直あんまりおもしろくなくて、
ただ主人公の窮地をヒロインが救済するみたいな共通や本来の役割と
逆転したような展開は少しだけ新鮮でした。
センターヒロインらしい、本作の要素のちょうど真ん中を取ったような
良くも悪くも無難でそこそこ楽しめるお話でした。


<全体の感想>
何を求めるかにもよりますが、個人的にキャラ萌え(抜き)ゲーとしては、
そこそこの作品だと思います。
ただしシナリオ自体はかなり平坦なのでブランドファンに以外には
あまりお勧めできるものではないかなというのも正直なところです。
公式サイトにあれだけギャップ萌えを出しているのであれば、
もう少しそれっぽい描写が欲しかったですし、
それがあればもうワンランク上にいけたのかなという印象があります。
ただし、印象に残る好きになれたヒロインが複数いるのも確かではありますし、
あくまで個人の領域としてはそこそこの評価をつけています。

推しヒロイン:恵梨香、なつき、六花

基礎点 43/50
熱中度 23/30
システム音楽等 13/15
補正得点 5/5
合計 84/100