未来への不安を希望に変える魔法に導かれて
ファンディスクってどうしても蛇足なような気がしてしまってなかなか手が伸びないんですけど、
本編が大好きだったのと、美晴先生のルートが気になりすぎたのでプレイ。
相変わらずハズレなしの素晴らしい出来だと思いました。
織姫、ころなのルートも本編の続きとして、世代交代を中心とした、
むつらぼしの会の魂を引き継いでいくようないいお話でしたし、
新規の美晴先生のルート、吉岡ちゃんのルートは、
ともに主人公の男らしさや行動力が光るルートでしたね。
先生も期待通り良かったんだけど、吉岡ちゃんが想像以上に可愛すぎた。
そしてそして、ひかりと沙夜ですよ。
他の部分もハイクオリティなんですけど、この二人は本当に最強でしたね。
本編の雰囲気を崩さない場所からのちょっとした過去のやり直し、埋め合わせと
それぞれを選んで未来へと星の導きのもとに進んでいく物語。
星の演出も相まって、星を探して見つける喜びを登場人物たちとたくさん分け合うことができたし、
綺麗な感情しか流れなくなるような温かみのある仲間内の雰囲気が最高ですね。
以下ルート感想
ころなアフター 86点
星を通じて見えないものを感じることのロマンに目覚めたころなが、
少しの不安と大きな希望を抱えながら遠い場所を目指す、
その第一歩のようなお話。
自分で自分の気持ちに気づいて、目指したい場所を見つけた
そのことだけで昨日よりも一歩前に進むことができる、
そんな前向きさに満ちた終わりなき星巡りの旅。
ころなもそうだし、先輩になった吉岡ちゃんが頼もしすぎますね。
そんな背中を追いかけて、飛び越えていくようなころなの未来に
むつらぼしの会の未来に幸あれという感じでした。
あと、テントの中で寄り添ってるCGが凄く好きです。
不安定ななかで寄り添いあえる人のいるぬくもりが伝わってくるようです。
織姫アフター 87点
ファンディスクでも思わずその背中を追いかけたくなるような
彼女の歩いた道のりがそのままみんなの道になるような求心力は健在でしたね。
ひかりとは違うタイプのカリスマ性というか、
みんなのために計算でリーダーであろうとする仲間想いな人。
それによって自分と同じように星に人生の彩りを見つける人が
一人でも増えることを心から願っている「月の女神」
そんな彼女でも遠い星を見上げるみたいに、
もっと広い世界を見渡して不安になったり、未熟さを実感したりすることもある、
一緒に手を取ってくれる人が欲しくなることがある、
そういう素直な等身大の想いを主人公にだけぶつけてくれる感じが
心のつながりを感じられて良かったです。
その探求心からか、エロエロになっていてましたね。
意外とほだされやすいところもらしくてかわいいなと思いました。
吉岡ちゃんルート 92点
同じ星の輝きに見せられた変わり者たちから始まった世界が、
また別の変わり者を呼び寄せて世界が広がっていく。
良い方に変わっていくにしても今という瞬間は今しかない。
けれども、想いは引き継がれて変わらないもの変わっていくものを全部包んで前に進んでいく
そんなときに変わらずに寄り添ってくれる、はじまりの景色を大事してくれる誰かがいること
そのことが人を強く結びつけ未来に繋がっていく。
いい話だったなあ。
感動指数だとさすがに幼なじみたちには劣るんだけど、
こっちが不純物がないというか、小細工をせずに心にダイレクトに訴えかけてくる
じんわりとした熱量を感じました。
単純に吉岡ちゃんとの関係が初々しくて、可愛すぎましたね。
ひとつ進展するたびに可愛らしい反応を示してくれるとことか、
意外とオンオフの落差が激しくて、オフだと結構ドジ踏んじゃう感じとか、
隅々まで吉岡ちゃん万歳って感じでしたね。
人気出ちゃったから仕方なく作ったのではなく、
ちゃんと吉岡ちゃんの物語になっていたのもGOODでした。
美晴先生ルート 91点
美晴先生の救済まではひかりや沙夜に匹敵するレベルで良かったです。
美晴先生自身が否定し続けてきて、目を背けていたふりをしていた過去
その中に秘められた美晴自身から湧き出してきた情熱を見つけ出して
(ノートを森野さんに提出して、教え子の頑張りを伝えようとしたこと)
けして美晴先生の否定している過去は無価値なものなんかじゃないと、
訴える主人公がとてもかっこいいな感じました。
美晴先生の期待から逃げようと自らだめになろうとする気持ちもわかるし、
それを優しく否定してあげる、あなたは無価値なんかじゃないって伝えてあげる存在が、
そういう状態の人間にとってどれだけ大きな意味を持つか、
時間がかかったけれども、美晴先生としての努力や闘いが
ちゃんと報われてよかったなと心から思いました。
恋愛に関してはさすがに蛇足かなあという気がしました。
ひとまわり離れているわりに、すんなり受け入れるし、
この人の性格的にそこに対する葛藤がないのは結構違和感がありました。
ただ最後入籍&子供って形で、ニートだった先生がちゃんと幸せになったんだなと
実感させてくれるような終わり方は綺麗だなとおもったので、
まあそれでオールおっけーかなという感じもしなくもないです。
沙夜アフター 93点
本編だとどうしても、ひかりとの決着があったので、
なかなか沙夜単体のいちゃラブに浸ることができなかった部分を
しっかりと補完してくれる、ファンディスクらしいアフターストーリー
本編の空気そのままに沙夜の可愛さマシマシの心温まる平和なお話って感じですね。
本編の三角関係と別のところでシナリオらしいシナリオを新たに展開しているのもすごくよい
当時トラウマのようになってしまったバレンタインとガイソン彗星の話が、
振り返ってみれば、祝福の彗星って話も、
時を経て想いが色を変えていくみたいで凄く素敵だし、
幼なじみだからってところに甘えずに沙夜を特別なアキトだけのお姫様にしていく、
バレンタインデートのプラネタリウムの演出も
変わっていくようで変わらない沙夜とひかりとの三人の関係性を象徴しているようで、
ずっとニヤニヤしながら見ていられました。
「みかづき天文クラブ」よ、永遠に!
ひかりアフター 95点
幼い日に取り逃した彗星のしっぽと、ノートに残した空白を埋める物語。
本編と負けず劣らず素晴らしいシナリオと演出でした。
お互いの不在の期間に感じた物足りなさや欠落を静かに吐露した後で、
あの時とは違うんだといわんばかりに流れる星空と"Finest Sky"が完璧。
感動して泣ける作品っていっぱいあるけど、
3人の間にある不在の期間や仲たがいの日々を経てたどり着いた幸せのぬくもりっていうのかな
そういうものに同調して涙腺が緩むような作品ってそんなにないと思います。
見えにくいもの、手に入りにくいものをともに見つけていく仲間の暖かさだったり、
過去にうしなってしまったもの、手に入らなかったものを
違った形で埋め合わせて、良い形でそれと別れることから生まれる勇気だったり、
綺麗な感情にたくさんたくさん包まれながらプレイできました。
ちゃんと一人を選んで、見送ってもらって、
星の導きを受けながら、ずっとずっと
ひかりと、みんなと生きていきたいなって気持ちが素直に湧いてくるような
最高の作品でした。ありがとう。
<全体の感想>
もう本編が大好きなんですけど、その雰囲気を崩さずに、
一部足りなかったいちゃラブ成分を足しつつ、新たなヒロインの物語までつけた
充実のファンディスクでした。
本編で一応だいたいの問題が解決しているのでどうかなと思ったけど、
それを飛び越える魅力があると思います。
惜しむらくは沙夜だけじゃなくて、ひかりのウェディング姿も見たかったなってのと、
球紀なんていう魅力的すぎるサブキャラをもっと早く出してほしかったなってところですかね…笑
大切にこの作品を育ててくれてありがとうございました。
見上げてごらん、夜空の星を。
どこにいても、星はそこにある。
道に迷った時も、人生に迷った時も
あの星たちが私たちの道しるべ
推しルート:ひかり、沙夜、吉岡ちゃん
推しキャラ:全ヒロイン、ひなみん、球紀
基礎点 45/50
熱中度 28/30
システム音楽等 15/15
補正得点 5/5
合計 93/100