新しく一歩進んだ感覚。旧恋姫のようなワクワク感と本来の持ち味が復活した一作。恋姫シリーズの従来のFDとは完全に違います。ただしFDなのでやっぱり短く感じる
メイン董卓シナリオ 後におまけシナリオ2本+アフター3本
今回は新作 と言ってもよいほど従来のFDとは全く一線を画す新しい恋姫でした。
一刀が董卓の元に舞い降りたらどうなっていたか? を主軸にした作品です。
実際は漢王朝に舞い降りてそこから追放され董卓と出会う 流れですが主軸は董卓と漢王朝。
本来の恋姫シリーズのFDは異なる別世界のアフター的なシナリオでその時その時によって世界線が若干違ったりしますが基本的には後日談や、武将の背景。
日常の皆でわいわい+いちゃいちゃ 的な感じのシナリオが殆どでした。
が、こちらは本編のような一刀が○○勢力に舞い降りてきたら をFDでやった作品です。
故に恐らくファンの方達にとっては新作をプレイしているかのような感覚を持った人は多いはずです。
といっても真恋姫からFDとリメイクのみで、今回久しぶりに物語の基盤がガラッと一新したのだから当然だよね。
そして今回はリメイクから恋姫に携わってきた方がシナリオを担当したみたいですね。
この方が携わった作品ではガールズブックメイカーやら巣作りカリンなどがありますが、巣作りカリンでもキャラ、主人公を上手に動かしていた印象です。
さておき、今作では旧作品で何回か感想で触れていましたが真恋姫以降、baseson作品の主人公が空気になる という点が今作では克服されていました。
無印の三国の世界に転生した一刀が本郷軍を作って立身出世劇をする作品。
旧真・恋姫では蜀以外で活躍する主人公。
恋姫シリーズの土台を固めた作品は転生した世界で主人公が出来ることやり生き残る。立身出世までいかずとも身を立てる でした。
しかしその後アニメでは何故か主人公が消えてその後のFDは構造上活躍なし、リメイクでは旧版より配慮や口を噤む描写が入れられたり増えたり と時代が進むごとに主人公が活躍しない方向に舵が取られていました。
あげくにこの悪い癖は戦国恋姫にも系譜されており最序盤で活躍した剣丞が、物語終盤で空気、シリーズを重ねるごとに戦っているが空気 となる嫌な流れになりつつありました。
話を戻しますが故に、未来の世界から来たという設定なのに タイムパラドックスを起こすのは…と主人公の唯一無二の強みに対して尻込みをする主人公。
武将側からあまり未来の情報は利用しないほうがよいだろう…
という謎の超配慮をして主人公の強みを消し去っていきました。
勿論FDと旧新恋姫~新恋姫までのリメイクまで長い間展開が止まっていただけで、そこまでそういう舵を取っていた意識はなかったのかもしれません。
しかしファンからしたらそう感じられるまでの時間が長く、年々主人公の存在感が…という意識に成っていきました。
が今作は主人公の一刀と武将は一味違います。
黄巾党が出現して漢王朝が滅亡への道を辿る序幕の場面。
まず一刀が少し悩んで未来を変えたら…と踏みとどまる場面でも未来の知識を利用した方が現状は良くなるかもしれない としっかりと言葉に出してくれます。
何進が 漢王朝は今後どうなるか?を一刀に尋ねるシーンがあり、他の武将からそれを諌められる場面がありますが
何進「それでは何のためにここに天人がいるのか分からんではないか」
この言葉で一蹴するシーンがあります。
これはプレイヤーが長年待ちわびていた言葉だと思いました。
旧恋姫とまではいかずとも、未来から来た天人という設定の強みをしっかりと大事にしてくれた言葉です。
そもそも本作は三国時代の女武将と仲良く で人気を高めたのではなくやっぱり一刀の立身出世劇などが根底にあってこその作品だったずです。
故にただの竿役、女武将すごい!そして優しいから私モテます。な作品を好きになったわけじゃなかったんだよ と改めて認識しました。
ともかく、超絶大活躍とかじゃなくとも、しっかりと主人公らしく自分のできる事をしている
そんな場面が見れればいいのです。
故に今作の一刀は本当に良かったです。
個人的に新作になる度に株を上げていった何進、アッパレ 本当によく言ってくれた。
さておき本作のメインシナリオに対しては特に何も言うことはないです。
完全に新しい物語としてはお楽しみください。
恋姫の新しい物語としてファンだったら楽しんで欲しい それしか言えないです。
ただ惜しむのは他のレビューでもありますが、短い! FDなのは分かるんだけど、こちらは新作をプレイしている感覚になってしまっているわけで本当に中途半端に終わってしまった感が凄い…
正直近頃の中で一番楽しめていたので、もう少し董卓陣営の一刀の旅に同行していたかったです。
さておき、董卓陣営のメインルートが終わるとおまけシナリオ2本、その後に3本更におまけシナリオが出るという感じ。
こちらは従来のFDと同じ感じのちょっとした話です。
ただし、何故か不遇だった華雄がメインのシナリオもあるのはよかったです。
個人的に何でここまで不遇にされてるのだろうか疑問だったので…。
ともかく面白いおまけで良かったです。
あとは陳宮の声優が前作FDで急遽変更されていてイメージから声質や演じ方にも違和感が半端なかったのですが。
本当に急遽代役だったのかもしれませんが、前作より仕上げてきたという事です。
声質は変わっていませんが、演技が前回より馴染んでいました。
元々戦国恋姫では普通に上手に演じていた方でしたが、陳宮の声質や元々のイメージが固まっていて違和感が凄かったのですが慣れ…というより妙にゆっくり伸ばしていた話し方を修正されたからだと思います。
だから、今後陳宮に対しても平常運転になるんだろうなと思いました。
何はともあれ、久しぶりに楽しめましたBasesonありがとう。
シナリオ担当の方ありがとう。