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lazio1900さんのChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動(A samurai's beat)の長文感想

ユーザー
lazio1900
ゲーム
ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1- 武士の鼓動(A samurai's beat)
ブランド
インレ
得点
50
参照数
1574

一言コメント

ただただ矛盾点が多い

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想


前作の一魅編でもいくらか見受けられていたが、今作はさらに酷い
前作のそれは、まだフォロー可能なレベルだったんだが・・・

一魅が直刃達を現代ではなく幕末に飛ばしたのは、赤穂浪士達を生存させた事で歴史に誤差が生じた(坂本龍馬が表舞台に出てこなくなり、結果徳川幕府が滅びない)のでそれを解消する為との事だった
だが、一魅は発生した歴史の誤差をどうやって知ったのか?
さらに歴史の誤差を正す為に来ているのに、池田屋事件を防ごうとしたりする等、直刃達にその自覚が一切ない
そもそも坂本龍馬が表舞台に一切出てこない時点でどうやっても歴史は変わっている
それに対するフォローは全く配慮されていない
また、大凶のお札でのタイムスリップは任意の時代にタイムスリップできるような物じゃなかった筈
そして一番大きな疑問点
タイムスリップのリスクがはっきりしないのに何故内蔵助はあんなにもあっさりタイムスリップに同意してしまうのか?
直刃以外は正真正銘どうなる事か解ったもんじゃない
そりゃ現代にタイムスリップすれば前作の黒幕(名前忘れた)から完全に身を隠す事はできる
だが、それは手段であって目的ではない
見つかるリスクを抑える為に最終決戦に参加できないかも知れない大きなリスクを許容するっておかしいでしょうに
他にも小五郎に告白された時に、直刃が告白なんて今までされた事がない、というような発言しているけど、貴方一度現代に戻った時ビッチに告白されてますから

等々大小様々な矛盾が散りばめられている
そのせいで作品の魅力が大いに損なわれている

矛盾点をすっかり忘れ去ってしまえば、演出は前作よりも強化されていたりそこそこ楽しめるレベルではあった
EDで安易なハーレムルートを作らなかった点なども個人的には好感が持てた
しかし、それでも矛盾点の多さ、ボリューム(FDとしては充分なのかもしれない)等の欠点を補うレベルではない
総じて今作は、穴はあれど良作だった前作と比較して、穴の多い凡作に成り下がったと言わざるを得ない