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lamielさんの月に寄りそう乙女の作法の長文感想

ユーザー
lamiel
ゲーム
月に寄りそう乙女の作法
ブランド
Navel
得点
90
参照数
416

一言コメント

ルナ様√がほぼ全て

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

確かにマイナス点はある、湊√は服飾が関係ないシナリオで最初にやってなければ評価は地の底だっただろうし、瑞穂√も他√で女装だったら朝日を受け入れられると描写されてるので(勿論恋愛と友情なのでかなり違うのは分かるが)ちょっとした茶番感がある。
ユルシュール√は評価も高くそこそこの才能はあるが、身近な天才には届かない少女が努力と愛で天才に届くという王道シナリオでなかなか良かった。

だけどこのゲームはルナ様がほぼ全てなのだ。
湊√では女装とバレても「何かあれば助けを求めてこい」と優しく送り出し、瑞穂√では引きこもった瑞穂に「声をかけろ」と背中を押し、ユルシュール√ではあえてライバルに自分の付き人を貸して発奮するように言葉を投げかける。その姿に「ありがとうございます、お優しいルナ様」と跪かずにはいられないのだ。

そして、満を持してのルナ様√である。
今まで他√で示したようにルナ様はSっ気がかなり強いが、自分の友や部下は凛々しく守り、何かあればすぐ助ける「頼りがいのある少女」なのだが、この√ではそのルナ様が実は過去の裏切りに酷く傷つき、他人を心の底から信用しなくなっていたのだと知る。
その傷を知った時ルナ様は「頼りがいのある少女」であると同時に「支えてあげたい少女」ともなるのだ。
主は従を守り、従は主を助けるのだ。これほど綺麗にお互いを支えあう主従はなかなかいない。
ルナ様が傷を負っていたことを知った朝日は自分は裏切らないと、必ずルナ様のそばにいると誓うのだ。
ここから朝日は自分が女装した男性であると告白しようとするのだが、ルナ様が朝日にキスをする。これがまた素晴らしい。
ルナ様は他人を好きになったことはないが一応ノーマルだ。それが朝日を男性・女性関係なく愛するのだ。これこそまさに純愛。美しい、びゅーてほー。
これ以降はもう素晴らしすぎて言葉に出来ない。語彙の限界である。

長々と気持ち悪く語ってきたけど、要するに他のマイナス点が30点ぐらいだとするとルナ様√でプラス1億点ぐらい加算されるからぜひやると良いよ。